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日時:2024年6月3日1600CET kick off
大会名:国際親善試合
対戦カード:ニュージーランド女子代表
対なでしこジャパン
会場:Estadio Nueva Condomina
試合結果:前半1-0
後半0-4
合計1-4
得点者:22分(NZL)CLEGG(補、GREEN)
49分(JPN)浜野
60分(JPN)浜野(補、長谷川)
66分(JPN)藤野(補、宮澤)
80分(JPN)千葉(補、守屋)
警告:39分(NZL)GREEN
89分(JPN)浜野
シュート数:5本対13本(手元集計)
枠内:2本対6本(手元集計)
アタッキングサード侵入回数:36回対66回
(手元集計)
PA侵入回数:5回対23回(手元集計)
1.得点場面(括弧内は各場面の好プレー)
⑴NZLの1点目
ミドルサード中央でMOOREがFKを獲得
→MOOREのFK
→PA前左でGREENがフリーで受ける
→GREENが左クロスゾーンのCLEGGにパス
→清水と高橋がCLEGGをサンド
→CLEGGが2人のマークを剥がし、PA中央
に運ぶ
→CLEGGのシュート
→ゴール左に決まる
(MOOREの好キック
CLEGGのBoxへの運びと好シュート)
⑵JPNの1点目
宮澤が左CKを獲得
→谷川の左ショートコーナー
→PA前左で藤野が受ける
→藤野がPA前左ハーフスペースの長谷川に
パス
→長谷川がフリーでアーリークロス
→PA中央でMOOREのクリア
→PA前中央で浜野がクリアボールを
ダイレクトでボレーシュート
→ゴール左に決まる
(藤野の好パス
長谷川の好クロス
浜野の好シュート)
⑶JPNの2点目
ミドルサード中央で藤野がFKを獲得
→藤野の速いリスタート
→長谷川が受ける
→浜野がBoxに走り込む
→長谷川がPA中央の浜野にパス
→浜野がフリーで足元にトラップ
→浜野のシュート
→ゴール左に決まる
(藤野の速いリスタート
長谷川の好パス
浜野の速い動き出しと好トラップ)
⑷JPNの3点目
PA中央でLEATのFK
→ミドルサード中央で谷川がヘディングで
跳ね返す
→長谷川のリフレクション
→CLEVERLAYがこぼれを拾う
→藤野がCLEVERLAYにプレッシャー
→CLEVERLAYがPA中央のLEATにパス
→藤野がLEATにプレッシャー
→LEATがBOTTに向けてパス
→ミドルサード左ハーフスペースで宮澤の
カット
→ボールがPA前左ハーフスペースの藤野に
わたる
→藤野がPA前中央に運ぶ
→藤野のシュート
→ゴール左に決まる
(藤野の献身的なチェイシングと好シュート
宮澤の好守備)
⑸JPNの4点目
アタッキングサード右からの清水のスロー
イン
→PA前右ハーフスペースで藤野が受ける
→藤野がPA前中央に運ぶ
→藤野のシュート
→PA中央でCLEVERLAYのブロック
→PA前中央で守屋がこぼれをヘディングで
前に送る
→PA中央に走り込んだ千葉がフリーで
シュート
→ゴール左に決まる
(守屋のこぼれへの反応
千葉の裏への抜け出し)
2.出場メンバー(括弧内は所属)
⑴NZL
23Anna LEAT(AVL)
4 CJ BOTT(LEI)
5 Meikeyla MOORE
(グラスゴー・シティ)
→65分3Claudia BUNGE(HBK)
6 Malia STEINMETZ(FB)
→65分8Daisy CLEVERLAY(HBK)
14Katie BOWEN(INT)
16Jacqui HAND(ルイスFC)
→77分9Gabi RENNIE
(オーランド・ユナイテッド)
18Grace JALE(パース・グローリーFC)
22Milly CLEGG(LOU)
24Ally GREEN(AGF)
→59分27Michaele FOSTER
(ウェリントン・フェニックス)
26Kate TALOR
(ウェリントン・フェニックス)
→59分29Katie KITCHING(SUN)
31Grace NAVILLE(ロンドン・シティFC)
→77分25Mackenzie BARRY
(ウェリントン・フェニックス)
⑵JPN
1 山下杏也加(INAC)
2 清水梨紗(WHU)
3 南萌華(ROM)
4 熊谷紗希(ROM)
5 高橋はな(浦女)
7 宮澤ひなた(MUN)
→73分6守屋都弥(INAC)
9 植木理子(WHU)
→HT22浜野まいか(CHE)
10長野風花(LIV)
→HT19谷川萌々子(FCR)
13北川ひかる(INAC)
→HT17千葉玲海菜(SGE)
14長谷川唯(MCI)
→82分20古賀塔子(フェイエノールト)
15藤野あおば(ベレーザ)
3.フォーメーション
⑴NZL:4-4-2
16番 22番
(77分9番)
24番 18番
(59分27番)
6番 26番
(65分 (59分
8番) 29番)
31番 5番 14番 4番
(77分 (65分
25番) 3番)
23番
⑵JPN
①保持局面:3-4-2-1
植木
(HT藤野)
宮澤 藤野
(52分 (HT
千葉) 浜野)
北川 長野 長谷川 清水
(HT (HT (82分
千葉 谷川) 古賀)
52分
守屋)
南 熊谷 高橋
山下
②非保持局面(ボールが相手陣):5-2-3(先
発のみ)
宮澤 植木 藤野
長野 長谷川
北川 南 熊谷 高橋 清水
山下
③非保持局面(ボールが自陣):5-4-1(先発
のみ)
植木
宮澤 長野 長谷川 藤野
北川 南 熊谷 高橋 清水
山下
4.試合展開等
⑴シュート者(括弧内はキーパス供給者、
◎はゴール、○は枠内シュート)
①前半
3分(JPN)植木(宮澤)
5分(NZL)TALOR(HAND)
13分(NZL)CLEGG(GREEN)
20分(JPN)宮澤(植木)
22分(NZL)CLEGG(GREEN)◎
43分(NZL)NEVILLE
45分+2(JPN)植木(長野)
②後半
48分(JPN)浜野(長谷川)○
49分(JPN)浜野◎
54分(JPN)千葉(高橋)
60分(JPN)浜野(長谷川)◎
66分(JPN)藤野(宮澤)◎
67分(NZL)CLEGG○
71分(JPN)長谷川(藤野)
76分(JPN)長谷川(清水)
80分(JPN)千葉(谷川)○
80分(JPN)藤野(清水)
80分(JPN)千葉(守屋)◎
⑵シュート関与数上位3傑
①NZL
1)CLEGG 4
2)JALE 2
2)GREEN 2
②JPN
1)長谷川 7
2)藤野 6
3)千葉 5
⑶キーパス供給元の位置
①NZL
右0 右ハーフスペース0 中央1
左ハーフスペース0 左2
②JPN
右1 右ハーフスペース2 中央5
左ハーフスペース3 左1
⑷得点場面以外の好プレー
①3分(JPN)
・植木のゴールのわずか右に外れるシュート
②13分(NZL)
・CLEGGの左ポケットへの運び
③20分(JPN)
・長野の好パス
④22分(NZL)
・CLEGGの好クロス
⑤37分(JPN)
・藤野の右ポケットへの運びと好クロス
⑥38分(JPN)
・南の好パス
・北川の好クロス
・清水のボールキープ
⑦38分(NZL)
・LEATの好キャッチ
⑧45分+2(JPN)
・長野の好パス
・植木のゴールのわずか左に外れるシュート
⑨48分(JPN)
・長谷川の読みを生かしたインターセプト
・浜野の右ポケットへの運び
⑩54分(JPN)
・高橋の好パス
・千葉のスピードとゴールのわずか左に
外れるシュート
⑪58分(JPN)
・千葉の好守備
⑫65分(JPN)
・清水の好パスと右ポケットへの運び
・浜野の運動量
・相手最終ラインを押し下げた千葉のBoxへ
の走り込み
・藤野、谷川のクロスへの走り込み
⑬67分(NZL)
・KITCHINGの好プレッシャー
⑭71分(JPN、NZL)
・千葉の好守備
・藤野の好パス
・LEATの好セーブ
⑮76分(JPN)
・千葉の好パス
・清水の好クロス
・長谷川のゴールのわずか左に外れる
シュート
⑯80分(JPN、NZL)
・千葉の裏抜け
・LEATの好セーブ
⑸両チームの戦術
①NZL
・スタイル:コントロール
・守備開始位置:アタッキングサード
・相手のビルドアップに対する守備方法:
2トップが相手3バックから長谷川へのパス
コースを切る
両ワイドが相手両ワイドをマーク
ボランチの1人が長野をマーク
・CK守備方法:ゾーン+マンマーク
・幅をとる選手:両ワイド
・攻撃方法:サイド攻撃
・CKキッカー:
(右)ー
(左)ー
②JPN
・スタイル:コントロール
・守備開始位置:アタッキングサード
・相手のビルドアップに対する守備方法:
CFと2シャドーが相手GKと両CBをマーク
ボランチの1人が相手ボランチをマーク
両ワイドが相手両SBをマーク
・CK守備方法:ー
・幅をとる選手:両ワイド
・攻撃方法:CFをターゲットに攻撃
・CKキッカー:
(右)ー
(左)谷川
5.勝敗のポイント
⑴JPNの勝因
①藤野が攻守に好プレーを見せたこと
②千葉のスピードがNZLの最終ラインを下げ
させたこと
③長谷川がパスやシュートでチャンスを作っ
たこと
④長谷川がビルドアップを落ち着かせたこと
⑤浜野が2ゴールの活躍を見せたこと
⑵JPNの反省材料
①疲労のため選手の動きが重く、ミスも見ら
れたこと
②CLEGGにやられたこと
③サイド攻撃が機能しなかったこと
6.MIP
①選手名
藤野あおば(ベレーザ)
③浜野まいか(CHE)
後半から出場し、右シャドーでプレー。2ゴ
ールの活躍。1点目の場面ではMOOREのクリ
アボールからダイレクトボレーシュートを
放ち、同点弾を決めた。2点目の場面では
速い動き出しから長谷川からのパスを引き出
すとともに、好トラップからゴールに繋げた。
WSLでの好調さを見せ、決定機に絡んだ。
48分には自陣で長谷川からのパスを受けた後
右ポケットに運び、枠内シュートを放った。
④植木理子(WHU)
CFでプレー。前線でターゲットになり、
チャンスに絡んだ。3分ゴールのわずか右に 外れるシュートを放った。45分+2ゴールのわ
ずか左に外れるシュートを放った。
⑤長野風花(LIV)
ボランチでプレー。好パスでチャンスを作
った。20分長谷川に好パスを出し、宮澤の
シュートに繋げた。45分+2植木に好パスを出
し、植木のシュートをアシストした。
⑥清水梨沙(WHU)
全体的にミスが多かったが、好プレーも見
せた。38分ゴールラインを割りそうになった
北川のクロスを粘り強く拾い、マイボールと
してキープした。65分藤野に好パスを出すと
ともに、右ポケットに運び、クロスからゴー
ルネットを揺らす谷川のシュートをアシスト
したが、ハンドによりゴールが取り消された。
76分長谷川に好パスを出し、シュートをアシ
ストした。
8.パリ五輪への展望
本試合では疲労からか選手の動きが重く、
前半のパフォーマンスは必ずしも芳しいもの
ではなかった。しかし、以下の点での好材料
があることから、パリ五輪に向けて必ずしも
悲観する必要はないと思われる。
①3バックの採用と長谷川のボランチ起用に
よりビルドアップが安定していたこと
②藤野が復調し、前線の攻撃の核ができたこと
③植木が好調を維持しているため、前線から
のハイプレスに期待が持てること
④浜野、谷川、石川、千葉が好調で、選手層
が厚くなっていること