豊中市立文化芸術センター(文芸センター)では、2016年から「ここから始まるクラシック‼︎」と題して、様々なアーティストと講師による音楽講座をほぼ毎年開催してきました。
テーマとなった作曲家の音楽や人生を解剖したり、ピアノを解体して仕組みを学んだり、とちょっと変わった視点からクラシック音楽に親しんでもらおうという企画です。
今年のテーマは「音楽と食」ということで、コーヒーとワインを引き合いにして、その接点を探ろうという講座が2回開催されました。
🎹☕️ 🎹☕️ 🎹☕️ 🎹☕️ 🎹☕️
3月1日「クラシック音楽 X コーヒー」編
この日の出演者は、文芸センターの近くに「かみかわ珈琲焙煎所」の店主河上さん、ピアニストの中嶋奏音さんが演奏し、文芸センター館長の小味渕さんがMCを務めるということでした。
会場に入るとコーヒーのいい香りが。開演前に、河上さんが「ソネブレンド」というコーヒーを無料で振る舞ってくれました。私は何回か飲んだことがありますが、中煎りのマイルドブレンドで飲みやすいです。
コーヒーと音楽といわれたら、何を思い出しますか?ということで、中嶋さんが「コーヒールンバ」をさらっと弾いて講座がスタート。
コーヒーベルトの話から始まり、一大産地のブラジルに因んで
ブラジルの現代作曲家ヴィラ=ロボスのショーロス第5番「ブラジルの魂」
気だるさと音圧のある曲でした。
コーヒーの起源の話。エチオピアの羊飼いが薬として使っていたものが、トルコを経由して18世紀にイギリスへ伝わったそうです。
ショパンが甘いホットチョコレートが好きだったという話の流れから
彼の練習曲集の中から、別名「別れの曲」を演奏。映画音楽に使われて有名になった曲ですね。
ブラームスは朝早く起きてコーヒーを飲んでから?作曲をしたというエピソードが披露され
彼の作曲した8つのピアノ小品から「奇想曲」を2曲演奏。
ブラームスは、意外に知られていないけれどピアノの名手だったらしく、これらの曲も簡単そうで弾くのが難しいそうです。
最後に河上さんから、美味しいコーヒーの淹れ方のアドバイス。90度のお湯で2分蒸らすのが良いそうです。今度やってみよ。
🎹🍷 🎹🍷 🎹🍷 🎹🍷 🎹🍷
3月8日「クラシック音楽 X ワイン」編
この日の出演者は、文芸センターの近くのワインショップ "alpha" の店主黒田さん、ピアニストの東川内梨沙さんが演奏し、前回と同じく文芸センター館長の小味渕さんがMCを務めました。
ワインということで、開演前には黒田さんが珍しいオーストリアワインを振る舞ってくれました。
エスターハージーという17世紀から続くワイン醸造貴族の畑で作られた赤ワインでした。オーストリアは白ワインが多く赤ワインは少ないそうです。品種もツヴァイゲルトという初めて聞く名前で、ピノノワールに近いブドウで、辛口で渋みは少なくフルーティな味わいでした。黒田さん曰く、エレガントな味わいで寿司などの和食にも合うそうです。
そのエスターハージー家に30年ほど雇われたのが、ハイドンということで、彼のピアノソナタ第51番が最初の演奏でした。ピアニストの東川内さんはオーストリアに8年間留学していたそうで、ソナタ形式を作ったハイドンのピアノソナタを、最初にみっちり指導されたエピソードを披露。
ワインはやっぱりフランスという話の流れで、
ドビュッシーの有名なピアノ曲「亜麻色の髪の乙女」と「月の光」を演奏。
二曲とも名前は知らなくても、映画音楽やBGMでよく使われるので、聞き馴染みのある曲ですね。
印象派と言われるドビュッシーですが、本人はさらさらそんなつもりはなく、音もきっちりと構成されて、フレーズの最後の処理を大切にしたそうです。
フランスワインも、黒田さん曰く、どれも緻密で飲んだ余韻を味わう繊細なところがあり、ドビュッシーの音楽にも通じるものがあるそうです。
最後はイタリアワインの話になり、ドイツワインなどのガッチリとした感じと対照的に、明るくカンツォーネのように音色や愛情を感じさせるそうです。地元のワインを贔屓にするのもイタリア人の特徴だとか。
ピアノ演奏は、プッチーニ オペラ《トゥーランドット》から「誰も寝てはならぬ」。トリノ五輪で金メダルを獲った荒川静香さんが使ったということで一気に有名になった曲ですね。本来はテノール歌手が歌いますが、ピアノ曲に編曲して演奏されました。
最後に、プログラムには無かったカンツォーネ「オーソレミオ」も演奏されました。
音楽にもワインにもそれぞれの国のカラーがあることを、改めて思い出させてくれたミニコンサートでした。
(私はドイツワインが一番好きですが、飲みやすいのはやっぱりイタリアワインかな)



