昭和紅藤
おじいちゃんが丹精込めて…
10鉢以上の様々な藤を
鉢植え…として造りあげた。
九尺藤……黒龍藤……本紅藤……
牡丹藤……白野田藤……浅黄藤……
多彩な色合い
入手可能な藤を……ほぼ全種類、
とり木、つぎ木、枝つぎ、等を
しながら→→造っていた。
代々の大きな農家、地主だった
ので、お金には困らない。
コレクターとして……
国内全てから、取り寄せ、
栽培していた。
1m前後…大きめの陶器植木鉢
10鉢以上の中には、同じ種類の
藤は、九尺藤が2鉢あった…
だけだった……と記憶している
毎年、、4月下旬〜5月中旬位
まで、色とりどり
小さなたくさんの花房を開かせ、
五月晴れの青空の下………
皐月の風に揺れ、
心地良い
風に運ばれる薫りに……
ふと…眼を閉じて……
体も心も……動きを止める
連なる花房の数々に、
優しさと豊かさと力強さ……を
感じつつ、、、
独特の形の蝶形花は、
美しさと凛々しさと優美さ……を
讃える
花は、絹さややいんげんの花に
似ている。
庭の陽当たりの良い場所は、
藤の鉢の指定席
池の周り、井戸の周り………
他方から、わずかに違う香りが、
歩く私を……包み込む
『 お前の花が咲いた 』
そー微笑むおじいちゃんの
笑顔が、
脳裏の根底……
胸の心底で……
今も……私を支え続けていてくれる。
おじいちゃんも……私も
5月生まれ
藤は……私と祖父を繋ぐもの
祖母が召された時………
遺品として、受け継いだ。
数年前……
一回り大きい鉢に植え変え
昭和紅藤……
別名…………赤花美短……
4月25日前後に……咲く
藤の中では、早めに開花する。
野生に育っていた山藤の根に、
昭和紅藤をつぎ木、してある。
幹のねじれ具合は………
幼い子供の私の記憶の中……
深く深く焼き付いた鉢。
陽当たりの良い場所……
昨年、、、風にやられた
だいたい、1年起きに……
豪華絢爛
咲き誇る
状態が悪い時程…沢山花をつける。
……と植木屋の親類が言ってた。
水やりは、鉢の奥にある大ツボ
チューブを入れ、鉢の幹に、
つければ→→→自然に落ちる
水の調節は、斜めに切り口を
つけた枝。
見よう見まね
おじいちゃんの作業の記憶
もう………人の人生程…咲いた
幹の一部も……傷みが、ある。
私が、最後だろう。
もう少し………だけ………
見守っていてください。
おじいちゃん
……………………
私は、、、
ガーデニング、盆栽、、、
草木、野菜を育てるの→→→
苦手です
だいたいの事は、器用なので
やりこなす
でも、でも、でも、
緑を栽培するの………
全く
向きません
本を片手に……
幼い記憶を頼りに……
それで→精一杯です
誰かぁ助けてぇ
不得意分野で、、、
おじいちゃん
ごめんねぇ