それは浅草からも南千住からも
徒歩で15分はかかる、辺鄙な場所に在った。
そこには何も無かった。
情熱と夢と希望以外は・・・

スタジオ365。
ここが虹の降る場所である。
ここから全てがはじまる。
あたらしい何かの。

TEAM東京アフロ 第1回公演
「ニジノフルバショ」
観なかった人、観られなかった人、
見逃した人、存在を知らなかった人。
確実に人生の3分の1、損しましたね。
と言うより、奇跡の出会いに立ち合えた人を
幸運と呼ぶべきでしょうか。

人は常に物語を求めています。
この物語は純也に はじまり純也に おわります。

純也は、愛しい人 オリエを結婚直後に事故で失ってしまいます。

オリエの位牌を護りたい

失意の内の純也でありましたが、
その切なる願いを叶えるべく オリエの母、
千鶴子と暮らし始めます。
身寄りの無い千鶴子を、憐憫の情で以て接する純也でしたが、実は見守らていたのは自分の方だったと最後の最後に悟ります。
畢竟
「ニジノフルバショ」とは最後のシーンでの
純也の表情が全てを物語っているのです。

周囲の人達に、分け隔て無く
無償の愛を降り注ぐ、慈愛の心に満ちた
千鶴子は、正に菩薩そのものでした。
末期の水を与えたのは、実は千鶴子の方だったのです。
きっちりと純也に引導を渡したのです。

出会いと別れ
新たな門出
彼らの新しい人生が どうか、
幸福だけで紡がれますように・・・

涙のあとに架かった虹を忘れる事はありません