俺はニノ。
職業 デビル。

仕事内容は、
善良なる魂を喰らって、
自らの栄養として生きながらえることだ。











上空をふわふわと漂い、

獲物を探していると、


あ。

あそこに、

善良な魂の持ち主がいる。





俺の 類稀なる絶妙なトークで、

だまくらかして、

この魂、喰らってやろうじゃないか。





怪しまれないために、

角と翼を体の中にしまい込んで、

人の姿になって、

地面に着地、



あの目をつけた男に近づいてみる。





「あ、あのぉ。

道に迷っちゃったんですけど。」




そうっと近づいて聞いてみると、

真っ直ぐな瞳が俺を覗き込む。




「あ、大変ですね。

どちらにいきたいんですか?」






あ。やば。 

なんも、考えてなかった。   




うん。

こういう時は、

お得意の口から出まかせ。




「あ。俺。 



なんか、


あ、頭が痛い。


何にも思い出せないっ。


記憶喪失なのかも。


どうしていいかわからないぃ。」




嘘で

頭を抱えて苦しむ俺に、


  


「え。

ほんと?


あ。

俺のうち。


少し歩いてたところにあるの。

もしよかったら、

行きませんか?」



善良な男は、

俺の肩を抱きしめるように、

囁いてくれる。



「悪い。

お願いできるか?」



しめしめ。


ちょっと一緒に歩いたら、

人目のつかない裏小路にでも、

誘い込んで、

ばくっといってやろうと思ったのに。



家まで連れてってくれるとは

なんて好都合。




「あ、俺、

相葉雅紀って言います。


悪いものじゃないから安心して?


君の名前は?」



「ニノ…」



一言言って

頭が痛いふりで、頭を抱えてみる。



「うん。いい名前だね。」




にこりと微笑むそいつの笑顔は、

なぜか

俺の頭を本当に痛くする。



「いてててて。」

本当に頭を抱えながら、

俺は

こいつの家について行った。








「大丈夫?

はい。お水。」



こいつは、家に連れ込んだ俺を、

ソファに座らせると、

水のグラスを渡しながらも、

心配そうに覗き込む。




「ありがと。」



思わず、礼を言ってしまって、

今度は背筋がぞくりとする。



俺らしくもない。


そんな 礼など言ったら、

悪魔のレベルが落ちてしまう。



ぶるぶる。

首を振ったら、

目の前の善良な男が勘違いして、

隣に座りながら、

俺の肩を抱く。



「寒い?

ニノ?

大丈夫?」



「だ、大丈夫だ…」



なんだろう。

おかしい。


こいつから発せられる波長なのか。

どんどん。

俺の体に変調が忍び寄る。



仕方ない。


こうなったら、

このまま、早くこいつの魂を食ってしまうしかないか。


本当は怯えさせて、

恐怖に塗れさせてからの方が美味しいんだが、


こいつの善良な魂は、

何にもしなくても、

美味しいはずだ。




くぁぁぁぁ。


相葉が、

後ろをくるりと振り向いたすきに、


いつもの角と、尻尾。

悪魔の羽を出して、


ぐぁぁぁっと、

牙を向く。



人間の魂は、

唇を塞ぐことで、

魂を吸い出し、

最後、この牙で心臓か抉り出せばいい。




あとは、

美味しく喰らってやるだけだ。





「あ。ニノ?

なにするの?」




振り向いた瞬間。



がば



と、相葉を抱き寄せて、

唇を塞いで、


むにゅ。

じゅる。


長い舌を相葉の口の中に差し込んで、

麻酔をかけるように、

蕩かせてやる。



俺の唾液は麻薬。


普通のやつだと、

それに溺れたまま、

いつのまにか魂を抜き取られるはず




なのだが…





「あ。んぁ。

はぁぁ。」



やば。

おかしい。


俺の方が催眠にかかったみたいにおぼれてる。



気持ちよさに、

体が揺れる。



熱に浮かされたように暑くなる。



や、やばい。



大事な角も、

牙も、

悪魔の羽も、


キスで蕩かされて、

役に立たないどころが、

どんどん溶けてしまってるのがわかる。

 



「あ。もう。

ニノってば。


初めて会ったのに、

そんなに積極的だなんて。



一目惚れしたの、

俺の方だけじゃなかったんだね。」




はぁぁ。

熱い目が俺を蕩かして、

そして、唇から気持ちいい甘い蜜が、

また送り込まれる。



なんだこれは。


この麻薬は、


これはなんなんだ。



「お前、何者?」


熱に浮かされたような真っ赤な顔で、

相葉を見つめれば、


相葉はもうすでに力の入らなくなった俺の体を、

片腕で支えながら、

にっこりと笑う。




「くふふ。

俺、なりそこないの天使。



片方の話がないからさ。


俺の相棒を探して、

地上を歩いてたら、

やっと会えたみたい♡」




優しく、甘いその声は、

余計俺を蕩かして、

もっと甘い刺激を欲しがらせるだけ。




「ん。相葉さん。

もっと、キス。ちょうだい?」




「くふふ。

いいけど、

今日はポッキーの日だからね。


Let's share Pockey!」




相葉さんが、

俺の唇に、ポッキーを咥えさせると、

ほきぽきと、

逆の方から食べていって、


そして、

やっぱり唇が重なる。






「くふふ。

美味しいね。


でも


もうちょっと美味しいもの、

いただきまーす。」




力の入らない俺を

相葉さんはソファに寝かせると


優しく 服を脱がせて行った。





   


⭐︎おしまい⭐︎











というわけで

にのあい。


ポッキーの日の話でした。











ふはははは。




わざとここで止めておいたのだが、


にのあいですが、



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