不可思議 

不思議

摩訶不思議



UFOやお化け屋敷。怪談や、都市伝説。

いろいろその不思議さに
その珍しさに
人は興味半分、恐怖半分で 首を突っ込んでいく。



でも、
実は不可思議なものなんて
この世にそこらにいっぱいあるもの。

それは人間たちの目に見えず、感じることができないために
気がついてないだけで
この世の中には、
面妖であるものは数多あり、


実は俺自身もその1つだったりする。




そして、
どのようなものを異様なものと捉えるかについては、
人それぞれ。


俺にとっては、
この暮らしは日常であり、
また
至極当たり前のことである。、

そんなことを決めるのは
人の常識、それとも非常識なのか。


まぁ、いいや。


とにかく

俺は見かけはどこにでもいる
少しちゃらい高校生なのだ。




俺たちは、
人ならざるもの。

妖獣。



俺たちの長老である松本様に
俺たちはそう伝えられ、
育てられてきた。


確かに、
元の姿は それぞれ獣であるが、
変化した姿はただの人間。


しかし、やはりそれは
人に似て、異なるもの。

人の姿をとってはいても、
その中身ははるかに人とは程遠い。

魔を喰らい、
呪を操り、
己に害なすものを蹴散らしていく獣なのだ。



もう何百年も生きている妖狐でいらっしゃる松本様は
俺たち妖獣の長であり、
俺たち妖獣の憧れの方だ。


この東京が江戸と呼ばれる前の
ただの草っ原だった頃から
この地にいらっしゃった松本様は
どんどんと蔓延っていく人間が
俺たち妖獣と共存できるようにしてくださった神のようなお方だ。



そのおかげで
現在俺たちは普段は人と同じような身なりで
人と全く同じような暮らしをしている。


例えば
俺と俺と一緒に住んでいる 和は 
犬の妖獣。

普通の家庭で 俺は相葉雅紀という高校生として
暮らしているし、
和は和也という名前で弟として暮らしている。


俺たちが何年も何代も変化し、
人の姿をとって暮らしていることなど
きっと周りにはわかりはしない。


ほんと いつも隠している この犬耳と尻尾さえなければ
人とおんなじ見かけだから
そのまんまずっと「主」にお仕えせずに
一生を終える妖魔も多いくらいだ。


きっと、俺もこの「相葉雅紀」としての現世では
そうなるんだろうな。
現代は俺らにもとっても暮らしやすいし、
適度に人とのつながりがなくて
俺なんかでも 素性を隠し通せる。


また、こんな時代だから
「主」も、この世などには姿をお見せにならないことも多いしな。



「あ〜あ。
俺もこのまま人間として一生を送っていくんだなぁ。

なんかつまんねぇの。」



もうすでに自分の「主」を見つけ、
今日も「主」のもとへ馳せ参じている和と
自分を比べて
俺は大きくため息をついた。





⭐︎つづく⭐︎





コメントは非公開です。







少し プロトタイプから
描き直してます。


そして気が付いたでしょうか。


タイトル!

妖獣綺談 だったのですが、
妖獣綺譚 に変えました。

綺談だと 面白い話っていう意味があるのですが、
面白くなるかわからなかったので(自信なし(笑))
不思議な話っていう意味の綺譚にしました。



よろしくお願いいたしますです。