がらがらがらと、 
グレーのシャッターを下まで下ろす。



よし。



「相葉金物屋」



グレーのシャッターに、
白く太文字で書かれてるのを、
胴に手をあてて眺めると、


「行かなきゃ。」



慌てて、商店街の道を急ぐ。










どうしてんかな?
お腹空かせてるだろうな。


慌てて小走りで商店街をかけてくと、
いろいろと右や左から声が飛ぶ。



「おや、まぁくん。
これから、櫻井さんとこかい?」



八百屋のおかみさんが、大根を振りまわして声をかける。



「くふふ、そうだよ。
俺の恋しい恋女房だからね。
早く帰らなきゃ。」



「よく言うよ。
まぁくんは、
あんな男らしい先生相手に。

ほら
そこの青菜。
もう萎れて売り物にならないから持ってきな。」



「あ、ありがてぇ。助かるわ。


いつも、ありがとな。
おねえさんっ。」



「おねえさんなんて、
うまいこと言ってもなんも出ないわよ。

早く、あのかっこいい櫻井さんに食べさせておあげ。」



「ありがとうっ。」


と、店を後にすれば、




「ほら、まぁくん。
櫻井さんとこ行くんだろ?

この天ぷら持ってきな。」


惣菜屋のおかみさんが
油紙に包んだあつあつの芋の天ぷらを当たり前のように、
雅紀の手ににぎらせたり






「こら。雅紀。
おまえ、また櫻井さんとこ入り浸ってんのか。」


「うるせえな。おやじ。
俺が好きな人んとこ行こうが、
俺の勝手だろ?」


「あの先生の迷惑になるのが、
心配なんだよ。
仕方ない。これ持ってけ。」


練り物屋の親父が、
小言つきで牛蒡天をもたせてくれたりする。




そんなこんなで、
商店街の外れに出る頃には、
両手がいっぱいの貰い物で塞がっていた雅紀が、
表通りより裏道に入り
目指す家にさらに急ぐ。




「ほんと、翔さんは、
家から出ないくせに、
商店街の人気者でずるいよな。


俺のもんなのに。」



雅紀がぶつぶつといいながら、
軽く片足飛びで
白墨で書かれた石けりの丸を飛んでいく。



一本裏の小道のつきあたり。


目指すしもたやの
建てつけの悪い玄関を、




「翔さん、来たよー。」


と、戸ごと持ち上げるように思いっきり開けると





「遅い。腹減った。」



桜鼠色の着物を着流した翔が、
腕を組んでむっと雅紀の方を見た。






⭐︎つづく⭐︎






あ。
プロローグしか、
書けなかった。



こんな2人の話です。


まだ本題にも入ってないけど、
今日はここまで。


読んでくださる方いますか?


イメージは

「うちのごはん」昭和風味です。