酒菜・和食 下北沢「金兵」(キンペイ) -4ページ目

天然ホヤ。




三陸産、天然ホヤ入荷。
養殖のはもう少し赤というかオレンジというか色が鮮やかな感じですが、天然物はマットなというか、ややくすんだ色をしております。
というか、画像自体がちょっと暗いですね。スマホのカメラのオート機能で普通に撮影しているつもりなのですが。

味は、まあ結論から言えばホヤの味です。
天然の方が風味が強い感じもしますが個体差が影響しているのかもしれません。
何せそんなにしょっちゅうホヤを食べているわけではないので天然と養殖をそれぞれ一般化するほどのデータを持っていないのです。
それでも個人的にホヤは好物なのでたまにこうして仕入れ、自分で食べたりもした経験上で言いますと、まあ天然の方が風味が強いかなというややバイアスがかったような感想なのであります。

ちなみに北海道にはこのホヤ(真ホヤ)とは別の赤ホヤというのがありまして、それは完全に味は別物です。
本当は天然真ホヤ、養殖真ホヤ、赤ホヤと三種類揃えて食べ比べたりしてみると面白いのかもしれませんが、どうもホヤにはあまり需要が無いようでして大抵は多かれ少なかれワタクシの晩酌のお伴になりますのでそんな暴挙的な大胆な仕入れは自重しております。


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トリエンナーレ。

近頃、ワタクシの故郷愛知県で起きております「あいちトリエンナーレ」での騒動は既にご存知の方も多いと思います。
国内最大級の芸術展の企画の一部に出品された作品が物議を醸しその企画が中止に追い込まれたという話。
概要としては「表現の不自由展」と題された企画に従軍慰安婦像が展示され、昨今の日刊関係のこじれもあってでしょうか、そのことに対して会場へのテロ予告なども発生し、他方では名古屋市長や内閣官房長官が公開に圧力を掛けるような発言をしたりいたしまして、結果としてその企画が中止になったということであります。
これについて巷では「従軍慰安婦像は政治的メッセージの表現であり芸術ではない」というような言い方で公開中止措置を正当化しようとする意見があったりしますが、皆さんはいかがお考えでしょうか。

政治的メッセージがあるものは芸術ではない、などということはありませんし、そのことの証拠としては有名なピカソのゲルニカ等が挙げられるでしょう。ですから政治的かどうかは問題ではなく、この作品が芸術として成立しているかどうかという話になると思います。
では芸術とは何か、という話になるわけですが、これはもう人それぞれの捉え方によるとしか言いようがないのかもしれません。しかし、何らかのテーマがある場合、ある表現がそのテーマに沿って成立しているかどうかというのは考えることが出来るように思います。

で、今回の件。
慰安婦像そのものは確かに政治的な文脈から発生したものではありますが、それを展示することで賛否の議論が起こり鑑賞者自身がその議論の主体となることで鑑賞者自身が表現に対して規制をする側に立ち得るということを提示したという意味では、この作品は「表現の不自由」という企画テーマに沿ったメタ表現として十分に成功しているとワタクシなどは思うのであります。
そして、実際に社会がこれを中止に追い込んでしまった、表現規制してしまったという事実がこの作品を完成させてしまったとすら言えるんじゃないか、と。
この作品は「慰安婦像そのものを規制に直面する不自由な表現として提示した作品」ではなく「我々や我々の社会が表現を規制する主体となり得るということを、鑑賞者自身を主体として取り入れ鑑賞者に突き付ける作品」として理解出来るのではないでしょうか。
そう考えた時、慰安婦像というのは非常に効果的な道具立てであったと思いますし、現にこれだけの議論を引き起こし実際に表現規制を発動させてしまったという事実が、この作品が見事に成立していることの証明になる、と言えるのじゃないかと思いました。


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8月の休業日のご案内。赤ウニ マス子。

連日暑いですね。
日本は温暖湿潤気候といいまして、これはいわゆる「温帯」に属するのですが、場所によっては40度を超えることもあるわけで日本の夏はもはや亜熱帯であると言われたりもしているようです。
でも年間を通して見てみますと冬は冬でこれが結構冷え込みますし、これも地域によっては寒帯級の豪雪だったりしますので一概に亜熱帯というわけにもいかず温帯というようなことになっている模様。要するに既存の気候区分では分類しがたい異常な環境になってきているということでしょう。
来年の今頃はオリンピックだそうですが、この殺人的な暑さの中で何かしらの健康被害が生じるであろうことは容易に想像出来るのでして、選手のことも観客のこともろくに考えないオリンピックなどというのはスポーツの祭典というにはあまりにアコギなイベントなのであります。そんなことよりこの国にはやらなきゃいけないことが色々とあるはずなんじゃないかと思うのですが、やはり政財界の闇は深いということでしょう。
政財界といえば、先頃の参院選だとか昨今世間を賑わせている例の「ホワイト国」云々の話にも色々と思うところはありますが、それはまたの機会に。


さて、今月の休業日のご案内です。
8月は

4日(日) 明日です。
5日(月)
10日(土)
15日(木)
16日(金)
18日(日)
22日(木)
27日(火)

をお休みとさせていただきます。
よろしくお願いいたします。


こちらは山口・特牛の赤ウニ。
赤ウニというのは西日本に分布する珍しいウニでして、濃厚で深みのある非常に美味しいウニなのですが、あまりに漁獲が少なくほとんど市場に出ることのない稀少な品種であります。
今回たまたま仕入れることができました。
産地としましては他に佐賀の唐津だとか兵庫だとかが知られております。で、今回の「特牛」ですが、これ何と読むかご存知でしょうか。「コットイ」だそうです。何ともケッタイな読み方じゃないですか。

こちらは北海道産のマスの卵、「マス子」です。
一般的にはこれはこのまま醤油漬けにしたりするのですが、今回はバラバラにしてイクラ状にしました。シャケの卵に比べると小粒で皮が薄く破れやすいのでちょっと難しいのですが、全体を覆っている薄皮が無い方がやはり口当たりは良いのです。
小粒ですが旨味はしっかり濃厚です。もうしばらくするとシャケの筋子が出てきますが、その前にイクラの先取りという感じでご賞味ください。


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