「こんな恣意(しい)的な条例は東京都の恥」「漫画のとんでもなさを見てるのか? 規制は進歩だ」-。子供の過激な性行為を描く漫画やアニメなどの規制を目指す都青少年健全育成条例の改正案をめぐり、18日に開かれた都議会総務委員会の参考人招致はまさに百家争鳴だった。都民の関心も高く、52人の傍聴者が熱心に議論に耳を傾ける中、識者4人は互いの持論を展開したが、改正案の早期施行を望む賛成派と撤回を求める反対派との隔たりは大きく、6月議会での紛糾は必至の様相だ。

 賛成派で条例案の文面作成にもかかわった首都大学東京の前田雅英教授は冒頭で、「児童買春・児童ポルノ禁止法に漫画を含めるような条例ではなく、子供が見にくい場所に置くことはできないかという提案だ」と改正案の趣旨を説明。

 さらに意見陳述で、漫画と子供の非行の因果関係に科学的根拠がないとする反対派に、「根拠がなくとも規制はできる。死刑の効果にさえ両論ある。他国でも幼児が性交を喜ぶ内容の漫画は青少年の性認識を誤らせるという議論は強い」と反論した。

 また、「非実在青少年」など条例案の用語が分かりにくいとの指摘にも「法律は素人が分かる言葉でできていない」と述べた。

 同じく賛成派で六本木で産婦人科医院を開業する赤枝恒雄医師は「反対派は現実を見ていない。子供たちはセックスを『面白い、楽しい』という情報だけで行っている」と、現場の目線から報告。

 その上で、子供の性病や中絶の多さを示し、「アダルトビデオの婦女暴行ものは女性も喜ぶという内容で、成人向け漫画も性行為をオーバーに伝えている。メディアリテラシーを育てるために規制はいけないとはとんでもない」と改正案の早期施行を訴えた。

 一方、改正案を「主観だけで何でも規制できる。こんな条例を掲げること自体、東京都の恥」と批判したのは、首都大学東京の宮台真司教授。「条例は青少年の購入や閲覧を制限するものだったはず。だが、条文は成人が作品を享受することが恥ずべきことという書き方だ」とした。

 さらに、宮台教授は、青少年の生きる力がなくなり、親も家庭の問題を行政に委ねる風潮がおかしいと指摘し、「子供がエロ本を読んでいれば親はコミュニケーションを取るべきだ」と述べた。

 同じく反対派の田中隆弁護士は、都が作成した「質問回答集」について、「規制対象の漫画を指定するのは青少年健全育成審議会だが、都が条文を解釈している。都の解釈に縛られるなら審議会は無意味」と批判。「こんな質問回答集を作ること自体が、改正案の混乱の結果ではないか」と都を糾弾した。

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