菅内閣が8日夜、民主、国民新両党の連立政権として正式に発足する。調整が残っていた消費者・少子化担当の兼務問題については、消費者担当を国家戦略担当相になる荒井聡前首相補佐官に、少子化担当を公務員改革担当相に内定している玄葉光一郎民主党政調会長に割り振ることで決着した。菅直人首相(民主党代表)は同日午後、国民新党代表の亀井静香前金融・郵政担当相と会談し、連立維持を確認した後、組閣本部を首相官邸に設置し、閣僚を順次呼び出して担当を指示する。夕方に記者会見をした後、皇居での首相任命式、閣僚認証式に臨む。11日には衆参両院で所信表明演説を行う。

 8日午前、菅首相は党役員会に出席し「政権党の役員会は国政を預かる責任ある場だ。この会に私も積極的にできるだけ顔を出したい」と党務への関与も宣言。小沢一郎前幹事長に党務を一任し、役員会に出席していなかった鳩山由紀夫前首相との違いを打ち出した。

 菅首相は17人の全閣僚を既に内定している。初入閣は5人。野田佳彦前副財務相を財務相に、山田正彦前副農相を農相にそれぞれ昇格させるほか、事業仕分けで脚光を浴びた蓮舫参院議員を行政刷新担当相に充てる。菅首相側近の荒井前首相補佐官は国家戦略担当相、消費者のほか、経済財政も担当させる。玄葉氏には公務員制度改革担当相、少子化のほか、「新しい公共」を兼務させる。

 官房長官には仙谷由人前国家戦略担当相を横滑りさせ、岡田克也前外相ら11閣僚は再任する。野田、蓮舫、玄葉、仙谷の各氏は小沢氏と距離を置いており、党人事と同様、閣僚人事でも「脱小沢」色をにじませた。

 新執行部初となった8日午前の党役員会で、菅首相は「参院選の選対本部長として先頭に立って勝ち抜きたい」と呼びかけた。この場では、16日が会期末の国会会期を延長せず、早期の参院選を望む声もあがった。枝野幸男幹事長は「そういう意見も踏まえてよく検討する」と答えるにとどめた。

 菅首相は4日に衆参両院で首相に指名されているが、閣僚・党人事や政権運営構想を慎重に練るため、民主党の前執行部が4日の予定で準備していた組閣を先送り。4日午前に総辞職した鳩山内閣が5日間、職務を執行していた。鳩山前首相は公邸にとどまり緊急時に備えてはいたものの、平日昼間でも官邸幹部不在の時間が多かった。【田中成之、影山哲也】

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