妊娠していた交際相手の女性に子宮収縮剤を投与して流産させたとして、不同意堕胎容疑で逮捕された東京慈恵会医科大学付属病院の腫瘍(しゅよう)・血液内科医、小林達之助容疑者(36)が昨年1月に女性に錠剤を手渡した後、女性の携帯電話に「錠剤はビタミン剤です」とのメールを送っていたことが分かった。警視庁捜査1課は、小林容疑者が女性をだましたことを示す有力な物証とみている。同課は20日、小林容疑者を東京地検に送検した。小林容疑者は容疑を否認しているという。

 捜査関係者によると、小林容疑者は09年1月上旬、東京都墨田区に住む看護師の女性宅を訪れ、子宮収縮剤3日分計6錠を手渡した。その際、同病院産婦人科に勤務する同僚の実名を挙げ「彼も体に良いと言っていた」などと説明した。自らパソコンで作成したとみられる効能などを記したうその説明書も渡していたという。

 さらに、小林容疑者は女性宅から帰宅した後、女性の携帯に「錠剤はビタミン剤です。安心して飲んでください」という趣旨のメールを送っていたという。女性は1月中旬に小林容疑者が持参した点滴パックに入った子宮収縮剤を点滴するよう勧められ、点滴後、自宅トイレで流産した。捜査1課は、錠剤が効かなかったため、小林容疑者がより効果のある点滴を使ったとみている。

 また、女性の自宅に残されていた点滴パックを調べたところ、小林容疑者の指紋は検出されなかった。捜査1課は小林容疑者が指紋が付かないよう手袋をするなどの細工をした可能性があるとみている。【神澤龍二、山本太一、内橋寿明】

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