【動画】好調フェデラーを実力で上回った錦織圭がベスト4進出! | バレー・テニス中心のスポーツブログ

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本当に強いビックリマーク

錦織「自分も打っていけたので負ける気がしなかった」

この言葉がぴったりです。昨日の4回戦の3時間超えのフェレール戦で、内容も濃いため、メンタルもフィジカルもボロボロなはず。しかし序盤は重そうな感じだったにもかかわらず、第3セットの方が体の動きは明らかに良かった。

「今季の錦織は違う!」と何度も豪語しただけありました。やはり違います。テニスの内容が本当に違う。これだけ質の高いテニスをミスを恐れずに積極的に攻めている姿は感動さえ覚えます。

■2014マイアミ1000(屋外ハードコート)
---準々決勝---

世界21位錦織圭 3-6、7-5、6-4 世界5位ロジャー・フェデラー(スイス)

●2014マイアミ1000・準々決勝 世界21位錦織圭×世界5位ロジャー・フェデラー


[第1セット]
フェデラーはツアー屈指のライジングスター。誰よりもテンポが速い高速テニスを展開する世界のスター選手。それこそが世界一美しいテニスと称賛され、ファンが多い証拠。

そのフェデラーがスタートダッシュで、速い展開から錦織のテニスを封じ込めるテニス。錦織がスーパーショットを出せば、それに対応し更にスーパーショットで返球。

1-2で迎えた第4ゲーム。錦織はストレート展開を多く、フォアでフェデラーを振るが最後の1ポイントが取れずに、錦織のミスが出てしまうゲーム展開。特に2ndサーブでのポイントが取れずに、ジュースの末にブレイクされる1-3。ここまで見るとフェデラーは今季好調で全く隙なし。

錦織が悪いというよりもフェデラーのテニスが凄すぎる。やはりフェデラーのテニスは他の選手とは全く違う。錦織自体もテニスのゲームメイクを大きく変えなければならない相手。

ツアーの中でも錦織はスピードスター。ゲーム展開も早く、色んな球種で相手を追い込む。特に2014年は攻撃的テニスでウィナーの数も量産し、試合時間も短く楽に勝てるように進化。その錦織でも対応できないレベルのフェデラーのテニス。


簡単にキープされ1-4。その後もベースラインから下がらず、深い球を打っても超ライジングで返球し、浅くなれば強打され錦織の動きを封じ込められる。

まるで女子の伊達さんが外国選手相手にするようなテニス。しかしここで錦織にブレイクチャンスの15-40。ここまでブレイクがほとんどなかった今大会のフェデラーからリターンから攻めついにブレイク3-4。

迎えた第8ゲーム。何とかキープしたい錦織ですが、フェデラーのテニスが速い。フェデラーがベースライン上に対し、錦織は1m以上下がってプレーを余儀なくされる状態。錦織もいつも以上に強打をするもミスとなり、通常の錦織のテニスから無理にさせられている感じ。

結局、スピードについていけずにブレイクされ3-5。次のサービスゲームもキープされ第1セットは3-6でフェデラー先取。


第1セットのスタッツを見ても、錦織がサービスゲームでポイントを有利に取れてなく、2ndサーブwonがわずか33%、リターンwonでもフェデラー49%に対し、錦織はわずか29%。リターンでは世界ランク2位の錦織にしては全く自分の展開を作らせてもらってない試合内容だとわかります。

錦織がこの展開を変えるには、ボールのスピードに緩急をつけ、ボールを深くし、スピン系でフェデラーのバックに送りたいところ。

[第2セット]
第2セットに入って、錦織もサービスエースなどでサーブゲーム改善に取り組むが、フェデラーのミスのない速い展開にどうしても錦織がミスさせられてしまう状態でブレイクされ、1-2。

錦織も悪いテニスではないけれど、フェデラーのテニスに圧倒されている。しかし第4ゲームでフェデラーがダブルフォルトもあり、いきなり崩れついにブレイク2-2。その後はキープで3-3。


長いラリーの第7ゲーム。超ハイレベルの高ラリーばかりで、錦織もいいプレーが目立つが、フェデラーが高速テニスで上回り、またもやブレイクされる3-4。

錦織もフォア、バック緩急つけて、球種も変えてラリーが多くなってきたものの、まだフェデラーの展開にポイントを連続で取れない。ただ第1セットよりは試合展開に慣れ、もう少し時間が欲しい状態。


しかし第8ゲーム。このままフェデラーが一気にいくかと思われましたが、1stサーブが入らずにミスヒットを連発し0-40で錦織にブレイクチャンス。リターンからしっかりと攻めた錦織が更にブレイク4-4。

フェデラーの調子が少しくるってきた。1stサーブが入らずにサービスゲームで少しずつ苦労し始めている。錦織が徐々にベースライン上から打ち始めた。フェデラーの展開に慣れ始め、逆にフェデラーにミスヒットが増え始めた。

その後キープが続き、6-5。1stサーブでのジュースコートのワイドサーブが非常にいい。錦織が簡単にサーブキープするようになり、最後もアドコートのワイドにサービスエース。フェデラーが錦織のサーブコースを読めずについていけなくなってきた。

この辺りから錦織ペースに変わりつつある状態。目立ったポイントはないけれど、ベースライン上でのラリーに持ち込み、サーブを有利に試合を進めるこのゲームメイクこそが錦織の真骨頂。あれだけ調子のよかったフェデラーのテニスが崩れ始める。

迎えた第12ゲーム、フェデラーのサービスが崩れ、ダブルフォルトも。錦織がブレイクチャンスを生かし、ついにブレイクし7-5の逆転で錦織が第2セットを取る!


第2セットのスタッツを見てもわかるように、1stサーブ確率が50%のフェデラーに対し、錦織はリターンゲームwonで47%まで上昇。いかにフェデラーのサービスゲームで錦織が得意なリターンでプレッシャーをかけ、有利にゲームを勧めた証拠。

[第3セット]
錦織は自身のサービスゲームの1ポイント目からネットダッシュし15-0。1ポイントしかなかったけど、フェデラーにはこのセット錦織が何かを仕掛けてくると思わせる展開でGoodゲームメイク。

明らかに錦織はベースライン上でプレーし、フェデラーとの高速ライジングラリーに真っ向勝負。その中錦織が球威で上回り、フェデラーのミスヒットが増え始め、有利に試合を進めていく。

特に1stサーブが入った時の試合展開が素晴らしく、ワイドのサーブで錦織がサービスゲームを簡単にキープできるようになってきた3-2。

フェデラーも勝負所で気合が入ってきて、まさに互角の打ち合いとサービスキープの展開。どちらかが気持ちでまさった方が勝つという状態です。

その中でも1stサーブで有利に試合を進める錦織。とにかくサーブのコース選択が非常に良く、フェデラーの逆を突く場面が多々。ポイントを先行できるので、その後のポイントの攻め方も有利にできる。サーブの球威も抜群に乗っているのでフェデラーでもなかなか錦織のサーブの牙城を崩せない。

それでも巧みな高速ライジングとネットプレーでポイントを奪うが、錦織も負けずにネットプレーで応戦し5-4とナイスキープ。全く負ける気がしない展開。素晴らしい!第3セットになって苦労しているサービスゲームが1本もない。

第1セットは序盤からジュースの連続で2度もブレイクされた時とは全く逆の展開。そして迎えた第10ゲーム、1stサーブが全く入らないフェデラー。試合を有利に進められない。その隙を錦織がフォアの回り込みでウィナー0-40と錦織が3つのMP!

錦織は、難しいボールはきっちりと深く、そしてチャンスと見れば前に入り高速ライジングで強打!最後もバックハンドのジャックナイフクロスウィナーで見事に逆転勝利し、マスターズ1000大会ベスト4進出!


3回戦で世界16位ディミトロフ、4回戦で世界4位フェレール、準々決勝で世界5位フェデラーと次々にタフドローを勝ち抜き、ついに準決勝進出!素晴らしすぎです。

しかもテニス内容が本当に素晴らしかった。あれだけ好調のフェデラーの第1セットの状態から高速ライジングに慣れ、自分の展開に持ちこみ、高速ライジングでもフェデラーを上回る配球と球威でまさった試合。

完全に実力で上回った試合です。フェデラーは今大会準々決勝までサービスポイントで奪われたポイントが3試合合計でわずか18ポイント。それから考えるとすごい試合内容です。


一番嬉しいのはこれだけビッグな試合で、王者を打ち負かしたにもかかわらず、試合直後に大喜びしなかったこと。当たり前のように格下選手に勝つようなジャスチャーでロジャーと握手してました。

フェデラーとは言え、もう錦織にとっては当たり前に勝てる相手なんすね。ナダルもジョコビッチもその他の選手にも今は誰にでも勝てるという自信があるんでしょう。

錦織に必要なのはとにかく試合経験。いかにナダルやジョコビッチと試合数を増やし、どうやれば勝てるのかという経験値、戦術を練る必要があること。


やはり錦織の進化は、サービスゲームでエースを獲れるようになったこと。毎試合4~10本くらいのサービスエースが安定してある。

そして相手のテニスの状態をいち早く察知し、それに対応するレベルまでテニスの状態が上がっている。今季の錦織は違うというのが実力で証明された試合でした。

試合後のコメントでも、
錦織「率直にうれしい。いい勝利ですね」
錦織(第1セットこそ、相手の速い攻撃に)「どうしたらいいか分からなかった」
錦織「(流れが変わったのは)何回かブレークできるようになった第2セット途中から。3セット目はストロークで打ち抜けていけるようになっていたので、自信があった」
錦織「特に第3セットでは、とてもいいプレーができていたと思う」
錦織「(立ちはだかる)大きな壁が、徐々に小さくなっていった」。
錦織「新たな自信がわいてきた。負ける気がしなかった」。
錦織「深くボールが打てていたし、いい形で叩けていた。すべてのことがうまくいった感じ」
錦織「ウイナーも多かったし、素直にうれしい。トップ10の選手に勝ち、これだけの(大きな)大会でここまで来ているのは、どの選手に対しても戦えるレベルになっている」

フェデラー「今日はサービスで自分のリズムをつかめなかった。自分でも驚きだよ」
フェデラー「少しイライラもした。でも、圭がいいプレーで僕についてきたんだ。第2、第3セットでの彼はより安定したプレーをしてきて、最後はそれが自信になったんだろうね」
フェデラー「ケイは素晴らしい技術でボールをコントロールしていた。最高のテニスをしてきた」

自分が思うには、本当に強い選手は、自分のテニスが決してできなくても、相手の調子を狂わせ、自分のテニスの状態以下にどうもっていくのかが分かっている。それが試合の数時間の中で調整ができ、対応する選手が勝つんだなと感じます。

よくバレー選手で「自分たちのバレーをするだけ」と自分たちのことだけ考えているような選手がいますが、違うと思うんですよね。日本人が勝つには、相手のパワーや高さをいかに利用し、弱点を突き、自分たちのバレー以下に落とすかが大事。

だから自分たちが最高のプレーをしても勝てない場合がある。だからこそ世界No.1になるには、錦織のような相手の完全ペースであっても、自分のレベルを上げるんではなく、相手の調子をいかに落として自分を有利にするのか?それを常に考えてプレーしている選手が本当に強い選手だと思います。

今の伊達さんを見ると一目瞭然。43歳で現役ツアーをシングルスで10代、20代の選手と戦うのは至難の業。だから自分の状態が常に100%のフィジカルなんてありえない。だからこそ、自分の調子ではなく、相手の調子を常に研究し、頭に入れ、試合の中で調整していく。

その考え、思考がある選手だと負けにくいんだと最近痛感します。バレー選手にもこのテニス選手のような思考感覚があれば、もっと上のレベルでできると思うんですけどね。そこにも期待したい。

【準決勝の相手】
世界ランク2位のノバク・ジョコビッチ。


正確なコントロールでフォア、バック共に安定した"精密機械"と呼ばれるジョコビッチ。錦織の表現を使えば、「まさに壁」何を打っても返球される。特に攻撃的なライジングも可能、スライディングの超ディフェンスも可能、更にサービスもいい。

この強い強いジョコビッチ相手にどういう戦術で戦うのか?どうやればジョコビッチのテニスを崩せるのか?錦織のゲームメイクに注目したいです。

キーは錦織の1stサーブでいかにポイントを獲れるかどうかでしょう。


過去の対戦成績は1勝1敗。大昔の全仏と錦織の急激なレベルアップのきっかけになった大会・バーゼルで当時世界ランク1位のジョコビッチを破った試合。

ただあの時の錦織よりかなりレベルアップし、テニスの内容が大幅に変わっているのも事実。本当に楽しみです。ジョコビッチ相手でも負ける気はさらさらないようなので、チャレンジ精神を忘れずに、思いっきり自分のテニスを展開してほしい。

錦織の強さは、自分のテニスができるできないではなく、相手のテニスに対応し、それを切り崩していく力。それが錦織の最大の魅力だと自分は思います。

共に錦織の優勝を信じて、応援しましょうビックリマーク

【追加動画】
4回戦の錦織圭×16位ディミトロフ戦のフル動画です。



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