金メダルが期待されたロンドンオリンピック女子バレーの準決勝、「日本×ブラジル」戦。読者のしみとしさんが非常に素晴らしい視点で指摘されてました。
ブラジルのレセプションのレベルの高さが、日本の好調のサーブを完全に封じ込めました。
※上記はブラジル×日本の高画質動画なんですが、オリンピックの動画は、他コンテンツでの視聴は認められていないので、このブログサイトでは見れません。しかし右隅にある「You tube」ボタンをクリックし、you tubeサイトでは視聴可能です。
その中で右側にリストが現れますので、「Volleyball - Women SF 2 BRA-JPN - London 2012 Olympic Games」をセレクトして下さい。非常に高画質でクリアビジョンで視聴できます。他にも韓国戦、中国戦、ドミニカ戦など多々みれます。
もしくはここに直接アクセスして視聴してください。
http://www.youtube.com/watch?v=lv3ZQfwvneg&feature=relmfu
またロンドンオリンピックのチームスタッツを見るとブラジルはレセプション1位。安定しています。
ということで、第1セットだけのブラジル戦の動画を見てみると、
◆ブラジルのレセプション陣形
アタックラインから1~2m後方のかなり前目のポジション
◆日本のレセプション陣形
アタックラインとエンドラインのちょうど真ん中くらいで、ブラジルの陣形とは1mほど(歩幅1歩くらい)後方に位置
※できるだけ同じサイズにしましたが、若干の違いは気にしないでください
よってブラジルのレセプション陣形では、前に落とすサーブもなかなか通用しにくく、更にエンドラインの長いサーブはオーバーパスでキャッチするので、非常に合理的なレセプション陣形のように思えます。
オーバーパスでのレセプションは男子選手がいとも簡単に行っていますが、女子でも通例になりつつあります。無回転でネットを超えたあたりからコートに落下するまでの変化が大きいMIKASAのボールは、ネットを超え高い位置でキャッチすることで、無回転特有の微妙な変化をする前にレセプションできるという最大の利点があります。
さらに低くて後方目のサーブがきても、後ろに下がりながらキャッチする特殊なレセプション手法で見事に解決。ある意味世界一のレセプション陣形かもしれないですね。
対する日本は、後方目に位置するため、新鍋や佐野の身長が低い選手は前に落とすサーブを狙われ、大会中も何度もエースを取られていたのは記憶にあるでしょう。すなわち、オーバーパスでのレセプションを行わないため、後方位置へのサーブのケアをせねばならずに、後方目にレセプション陣形を取らねばならない理由となってしまったと思います。
おそらくサーブがヒットされてから、レセプションでキャッチされるまでは約3秒以内だと思います。その3秒間内でのこの1mの誤差は非常に大きく、1歩でるのと出てないハンデは、AパスがCパスになるくらいの体勢の違いがあると思います。
特にブラジルのジャケリネは、オーバーのレセプションを非常に得意としており、長いサーブは全てオーバーパスによってレセプションしている。これによって、ファーストタッチ(最初にタッチする人の行動)が高い位置となるため、セッターへのパスが速くなり、攻撃自体も速くなる利点があると思います。
ブラジルが、唯一後方気味に下がるのは、新鍋のJサーブの時のみ。それ以外は全て前方位置でレセプション。常に攻撃態勢に入れるレセプション陣形ですね。竹下や山本、山口などの球威がない選手のサーブは、ほとんどがオーバーパスでのレセプションに見えるくらい、オーバーを多用してました。
ということで、ブラジルにはジャンプフローターでの無回転サーブは、あまり通用しないような陣形を取ってると言えるでしょう。全てのポイントが完璧ではないですけど、非常に考えられた上手いレセプションです。
予選で苦戦したのは、レセプションが返っても両サイドの決定率が低かったから。更にブロックがあまり機能しなかったからなどが考えられます。
今後の日本も
・セッターの大型化
・リベロ座安のアタックラインでのジャンプセット化
・リベロ座安のオーバーパスでのレセプション化
・精密な高速化
などの進化が必要でしょう。
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