テニススタイルに変化が求められる時期にきた錦織 | バレー・テニス中心のスポーツブログ

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期待された錦織圭の全米オープン3回戦は、世界13位で好調のチリッチとの対戦。過去対戦からも2勝1敗で、最近は錦織が2連勝しているだけに、相性の良さを感じましたが、チリッチは非常にいいテニスでした。


◆全米オープン2000大会

---3回戦---

世界18位 錦織圭 3‐6、4‐6、7-6(3)、3‐6 世界13位 チリッチ(クロアチア)


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第1セットは、序盤からチリッチがミスなく的確に攻める。0-1で迎えた錦織の最初のサービスゲーム。いきなり緊張からかダブルフォルト。でもこの1ポイントが大きく影響。次の1stサーブも大きくフォルト。ジュースまで挽回したものの、この最初の3本のサーブが運命をわけました。


怖いスポーツです。チリッチは198cmとテニス界の中でもトップ5に入るくらいの長身選手。特に3mくらいの打点からのサーブには威力があり、特に2stサーブは高角度にスピンが跳ねるので、178cmの錦織にとっては非常にやりにくい相手。


一般的にスピンというと斜め上に上がるような向かってくるスピンが多いんですが、チリッチの場合はどちらかというと真上に伸び上って急上昇するようなスピンサーブ。キック系も入ってるので、微妙に横にも変化。非常に高度なサーブですね。


その通り1stサーブwonが60%に対し、2stサーブが80%と1stよりも2stの方がポイント確率が高い状況。その後も第5ゲーム、第7ゲームと3本のブレークポイントがあるものの、サーブに押されて結局ブレイクできず。1チャンスを生かせないとトップ20以内の選手には勝てない。


結局、錦織もその後は持ち直しましたがチリッチが先取3-6、第2ゲームの最初の3本のサーブが運命を分けました。


ダンテコーチによると、チリッチのフォアを狙いながら、チリッチのテニスのリズムを崩し、先手を打つ作戦だったようですが、チリッチのフォアがなかなか崩れず、後は大事なポイントでサーブに押されている状態でした。


第2セットに入るとお互いにサーブキープですが、やはり2stサーブに苦しみます。ブレイクポイントは取れるもののなかなかBPを取らせてもらえないチリッチの好サーブにやられました。4‐4から錦織のサーブをブレイクされ、そのまま押し切られました。


第3セットも序盤からブレイクされ1‐3。このままいくかと思われたところ、ようやくチリッチのサーブをブレイク!タイブレークまでもつれこみ、ようやく1セットをもぎ取ったものの、第4セットも序盤からまたブレイクされ、そのまま3‐6でThe End。


非常に残念な敗戦ですね。チリッチは、正直そんなに強さは感じません。ボールの球威も錦織の方が上。バックハンドの精度やコントロールも錦織の方が上。


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スタッツを見ても、チリッチがBP12本中4本取っているのに対し、錦織はBP9本もあるのに、わずか1本だけ。そしてチリッチの2stサーブwonが65%もあり、非常に高いこと。これではサーブブレイクは至難の業。


今日の敗因は

・サービスゲームでDFなど0-30、15-40となりポイント先行できなかった

・チリッチの2stサーブに最後まで対応できなかった


ことが最大の要因かと思います。チリッチも本当によく考えて旨いプレーをしていました。第1セットは錦織のバックハンドの頭上を狙った2stサーブ。しかしバックが慣れてくると思うと、フォアに打ち始め、これが奏し、ミス続出。錦織としては相手の2stサーブなのにいつも通りのポイントが取れない。リターンミス続出。


いつもの錦織のパターンは、1stサーブでやられるのは仕方ないけど、2stサーブで50%以上のwonを稼ぎ、ブレイクしながら、相手を追い詰めていくパターンがありますが、今日は逆に2stサーブでのポイント獲得が少なく、波に乗れそうで乗れなかった。


チリッチのコーチは、松岡修造の元コーチのボブ・ブレット氏。すなわち修造チャレンジなどで小学生の錦織の性格や癖などは十分に知っているコーチ。その通りで、巧みに錦織の弱点、弱点でボールを回し、非常に上手かったチリッチ。


その場での打ち合いで長いラリーをせずに、速い展開で錦織を揺さぶりました。ビンゴ!というくらい素晴らしい作戦で、好調の錦織のプレーを持続させないで、リズムを全く与えなかったですね。第4セットは錦織の底力と意地で取り返したものの、最後までチリッチの錦織の弱点への攻めが十分に生きた試合でした。


試合後、錦織選手は「現状を見つめなおして、これからもがんばりたい」というコメントですが、テニス自体は進化し、色んな技術も身に付け、間違いなくトップレベル。しかし相手が好調で、自分の弱点を突いてきたときに、どういうテニスでゲームメイクし、その逆境を打破していくのかが、今求められていると思います。


トップの選手にしかわからないと思いますが、「攻め」と「守り」のバランスですね。どのポイントで攻めて、どのポイントで守るのか?更には1ポイント内でも攻撃する部分と、ここは凌いでディフェンスする部分との判断が非常に難しい現状までレベルが上がっていると思います。


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この大人(198㎝)と子供(178㎝)のような身長差。このハンデが出た試合でした。


世界8位 デルポトロ:196㎝

世界10位 イスナー:206㎝

世界13位 チリッチ:198㎝

世界75位 カルロビッチ:208㎝


など高身長で、サーブの角度が付く選手などにどう対応していくのか?178㎝の錦織が普通の打点、普通の球威で、勝負させてもらえない。こういう選手達のテニスをゲームメイクしなければ、なかなかトップ10は見えてこないですね。


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平均185㎝程度のATPツアー。それ以上の身長の選手でサーブやストロークに角度が付き、日頃の練習ではできない打点で常に打たされても、通常と同じようなプレーができる高レベルの技術が必要になると思います。


特にナダルの強烈なスピンボールも似たような状況になります。自分の頭上に来るようなボールを世界1位のフェデラーのようにライジングで1歩前に出て、常に処理していくのか? 1歩下がり、安全に返して深めのボールを打ち、ディフェンスを高めるのか?


そういう点も含めて、現状を見直し、今後トップ10に上がるため、グランドスラムで勝つために必要なことは何なのか?を整理し、それを目標に終盤戦の大会に向かうものと思われます。


でも確実に成長しているのはテニススタイルを見ても、明らかに見えるので、今後はあと10選手ほどの相手にどのように勝つのか?じゃないでしょうか。


秋からはクアラルンプール90p、上海360p、バーゼル360pと大量にポイントを消失する大会ばかり。これを機に、クアラルンプールなどは優勝してほしいですね。


この秋は辛抱の時期です。グッとこらえて勝利をもぎ取り、できるだけポイントを稼がないと全豪では3回戦でトップ4と当る可能性もあります。応援したいです!


しかし来週末は有明でデビスカップ!でも試合なんだよな。。。応援行きたいし、見たい!