◇賃金、男性の69・8% 進む非正規化

 男女が対等な立場で活躍できる社会を目指す「男女共同参画基本計画」の第3次基本計画(11年度から5年間)が年内に策定される。00年の第1次計画から10年が過ぎたが、政府の男女共同参画会議は今春、「10年たっても男女共同参画社会は実現していない」との反省を盛り込んだ「第3次計画策定に当たっての考え方(答申案)」をまとめ、女性に厳しい雇用の現状や問題点を指摘した。答申は月内にも菅直人首相に提出される見通しだ。

 男女の賃金格差は改善されてきたとはいえ、09年で女性労働者(短時間労働者を除く)の賃金の平均は男性の69・8%にとどまる。他の先進諸国が男性の8割前後の水準にまで達しているのと比較すると、日本での賃金格差は依然として大きい。

 格差の背景には、結婚、出産を機に離職する女性が多く、男性に比べて勤続年数が短く、正社員として再就職が難しいことが挙げられる。また、仕事と家事の両立は妻側に求められることが多いため、長時間労働や転勤を前提にした働き方は女性にとって制約がある。このため、昇進や昇格が難しいという現状を指摘している。

 答申案は問題解決のため、長時間労働の抑制や仕事と家庭の両立支援を進め、女性が働き続けられる環境整備を訴えている。また、「女性の仕事の質の向上」も求めており、案のとりまとめにかかわった鹿嶋敬実践女子大教授は「(基幹的業務を担う)総合職の女性は100人中、5、6人に過ぎない。仕事を続けても管理職にもなれず、非正規の方が多い現状では、家庭との両立に苦労してまで仕事を続けようとは思わない」と指摘する。

 また、パートタイム労働者と正社員との待遇を近づけていくことも盛り込まれた。正規、非正規の区分や男女の別にかかわらず、価値が同じ労働は同じ賃金とする「同一価値労働同一賃金」の実現に向けた法制化などを検討するよう訴えた。近年「派遣切り」が社会問題化したが、女性労働者の非正規化が一層進んだことも深刻だ。男性労働者の8割が正社員であるのに対して、女性は非正規雇用労働者が半数を超えており、ここでも男女の格差は大きい。

 共働き世帯は08年度で1011万世帯と、専業主婦のいる世帯の825万世帯を大きく上回る。また、離婚の増加や未婚による単身世帯の割合も増加しているが、現在の税制や年金などは「夫が働き、妻は専業主婦」という世帯単位が前提となっている。このため、答申案では個人単位を軸とした制度・慣行に移行していくように求めている。

 また、ほとんどの年齢層で、女性の相対的貧困率が男性を上回っていると指摘。特に単身の高齢女性や母子家庭の貧困率は高い。本来は貧困を緩和するはずの税制や社会保障制度が、ひとり親世帯や共働き世帯の貧困率を引き上げる背景になっていることも指摘された。答申案は、苦しい生活を強いられている人への支援や制度改正の必要性を強調している。【山崎友記子】

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