宮崎県で家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)の感染が拡大している問題で、牛にかかわるイベントが中止されるケースが各地で出始めた。飲食店などへの風評被害も懸念されている。専門家は「人には感染せず、感染が疑われる地域の農場に行ったことがなければ人が動物に感染させることはない。感染地域以外では過剰に反応する必要はない」と冷静な対応を勧めている。【神足俊輔、大久保陽一、湯浅聖一】

 乳牛約40頭などが飼育されている横浜市青葉区の「雪印こどもの国牧場」は7日、「不特定多数の人が出入りするため、人を介した牛の感染ルートを断つ必要がある」として、乳牛の乳しぼりやエサやりといった体験イベントの中止を決めた。22日の「牛乳まつり」など牛が登場するイベントは当面中止する方針だという。

 水戸市の茨城北酪農業協同組合は、22日に市内で予定していた乳牛の品評会の開催を取りやめた。組合の担当者は「念のため大事を取った」と話す。

 岩手県奥州市では、7月に予定されていた、各地の酪農関係の女性らが参加する「全国モーモー母ちゃんの集いinいわて」の延期も決まった。市内の牛舎や酪農施設の見学も予定されていたこともあり、県や市、地元JAなどで組織する実行委員会は「可能性は低いが、人を介して牛に感染する恐れがある。口蹄疫のまん延を防ぐため、終息を待つべきだ」と判断した。

 九州地方では、牛が登場する祭りが中止になったり、宮崎に向かう修学旅行が取りやめになるケースも。一方、東京都中央区の宮崎牛専門料理店では、ゴールデンウイーク以降、客足が鈍りがちという。今月の来客数は前年に比べ約3割減で、17、18両日で予約のキャンセルは8件に上った。男性店長は「安心安全で問題のない牛肉しか使っていないのでぜひ食べに来てほしい」と呼び掛ける。

 各地のこうした動きに関し、帝京科学大の村上洋介教授(動物ウイルス学)は、「通常に生活をする中で人間には感染せず、過剰に反応する必要はない。やり過ぎのケースもあり、警戒し過ぎることが怖い」と指摘。「洋服や靴などに口蹄疫ウイルスに感染したよだれなどが付着した場合、数週間は感染力を失わない。感染が疑われる地域の農場に行ったことがある場合は、牛や豚などの家畜に接しないようにすべきだ」と話している。

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