平成2年に栃木県足利市で当時4歳の女児が殺害された「足利事件」で、無期懲役刑が確定し、昨年6月に釈放された菅家利和さん(63)の再審判決公判が26日午前、宇都宮地裁(佐藤正信裁判長)で開かれた。佐藤裁判長は、菅家さんに無罪を言い渡した。平成3年12月の逮捕から約18年ぶりに菅家さんの名誉回復が実現した。

 検察側は判決後、裁判所に控訴しないことを申し立てる「上訴放棄」の手続きを取る方針で、同日午後にも菅家さんの無罪が確定する見通し。

 最高裁によると、死刑や無期懲役が戦後に確定した重大事件の再審公判で、無罪が言い渡されたのは平成元年の「島田事件」以来で6件目。

 昨年10月21日の初公判以降、約半年にわたり、計6回の審理が行われてきた。

 公判では、佐藤裁判長が「有罪判決の誤りを確認するために、必要な証拠を調べることは再審の枠内」とし、再審開始の決め手となったDNA型再鑑定を行った大学教授や警察庁科学警察研究所(科警研)の所長の証人尋問を実施。また、元検事が菅家さんを取り調べた様子を録音したテープの再生と、元検事の証人尋問も行われた。

 2月12日の第6回公判で、検察側は菅家さんの無罪を求める論告を行った後、「取り返しのつかない事態になったことを誠に申し訳なく思う」と謝罪。これに対し、弁護側は誤判原因の解明を求めていた。

 菅家さんは、殺人容疑などで平成3年12月に逮捕、起訴された。再審請求即時抗告審でDNA型の再鑑定を実施した結果、遺体に付着した体液と菅家さんのDNA型が一致しないことが判明。昨年6月に釈放され、再審開始が決定した。

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