『修羅の門 第弐門』第51話感想(ネタバレ有) | ~ Literacy Bar ~

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※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。

先回放送の『ガンダムBFT』では主人公のカミキ・セカイがジュン兄に『雷』を喰らっていました。しかも、機体とのシンクロ率を大幅に上昇させる代わりに、機体が負ったダメージもファイターにフィードバックしてしまうアシムレイトの真っ最中。普通は『雷』喰らったら死ぬよね。そのうえ、後半パートではセカイのほうが『四門』の分身を発動させるという展開。どう考えても、スタッフの中に『修羅の門』フリークがいます。序盤から読んでいた所為か『修羅の門』は少しマイナーな作品だという妙な思い込みがあったのですが、凄くメジャーな作品なんですね。最終回が近くなった現在に至り、漸く気づきました。
さて、最終決戦開幕の回でしたが、内容は概ね想定通り。別に期待外れというのではなく、今までの『修羅の門』&『修羅の刻』のオサライという意味あいが濃かった所為を思われます。今回のポイントは5つ。

1.女の戦い

羽生つばさ「どこまで知ってます?」
龍造寺凛子「何を?」
羽生つばさ「不破なんちゃらさんの正体と真意」ドドドドドドドドドド
龍造寺凛子「さぁ、今はそんなモノに興味はないわ……ね」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


九十九と海堂の仕合に先駆けた、謂わば前座の戦いとなった羽生社長VS凛子さんの舌戦。先の『兵』では陣雷共々、神武館は貧乏籤を引かされたということで、凛子さんも根にもっている模様です。しかし、如何に次の試合を考えなくてよかったとはいえ、ライアン1号が陣雷に完勝したのは事実ですし、凛子さんが実況席で役立たずであったのも他人の責任ではありません。羽生社長にチクチクと嫌味を垂れるのは逆怨みというものでしょう。実父が傍にいるので大きく出ているのかも知れません。

2.4:2:1

片山右京「陸奥九十九は不敗、いえ、陸奥圓明流は不敗……でいいのですよね。私は陸奥九十九に、その伝説を守ってほしい。その想いは海堂晃に敗れても変わらない……しかし……敗れて後、知った事もある。敗北を知って、再び起った者は敗北を知らぬ者よりも強くなれる」
山田さん「ああ、その言葉。不破も信じてた……よ、たぶん」


先回の感想でどちらを応援するのかという考察をした片山ですが、どうやら、正式に九十九派と決定しました。九十九派=舞子&マッイイツォ&山田さん&片山。海堂派=徹心&凛子、中立派=羽生社長。これが最終的な勢力図のようです。応援団では圧倒的に九十九が有利。今回も姿を見せなかった谷山ですが、実は九十九派の優勢を予想した凛子さんの策謀で東京に釘づけにされているのかも知れません。谷山が加わると5:2:1になってしまいますからね。恐るべし、神武館。ドリアンの消息を掴んだ神心会も真っ青の組織力です。
拙劣な冗談はさて置き、ここは陸奥に敗れた者同士が九十九に想いを託す名場面でした。狛彦に敗れた口惜しさをバネに陸奥を越えようとした虎彦の想いに端を発する不破の歴史。これは『修羅の刻』を読んでいる人間には堪らんですな。ここ数回は『第弐門』単独ではなく、序盤や外伝の既読者に向けたサービス多目です。他は何気に片山の慎重さが凄い。圓明流が二つに分かれたのは北斗の発言で承知していたようですが、圓明流は二派に分かれた際に陸奥が不破に敗れたことはないかと念押ししてきましたよ。千年不敗の圓明流に敗れたからこそ、納得できるのであって、分派の理由が陸奥側の敗北では、己の戦いには意味がないということでしょう。常に菩薩のような表情を浮かべてはいても、片山の勝負に対する価値観は鋭いままでした。

3.のろけ

陸奥九十九「お前の声は思ったより力になる。海堂晃とやるのに、お前の声で勝ちを拾いたくない。勝つ時は、実力で、勝つ」

ジルコォー・マッイイツォ「Yes」

おまえじゃねぇ、座ってろ。

いや、マッイイツォも九十九の言葉が舞子に向けられたものと判っているでしょうけれども、そんなに嬉しそうな表情で握り拳を作る必要があるのか。この空気を読めない朴念仁っぷりは陣雷を彷彿とさせます。そして、舞子にも負けない九十九LOVEっぷりは木村さんそのもの。今回、両名が観戦できないので、今までの陣雷と木村さんが担ってきた解説席での驚き役はマッイイツォの任務になる予感。一人富樫虎丸状態。そうなると圓明流に詳しく、解説にも秀でた山田さんは雷電に相当するのか。
それにしても、上記の九十九の台詞は、九十九が初めて舞子に見せたのろけですよね。応援団の頭数の問題もありますが、やはり、凛子さんは巌師範を連れてこなくて正解であったかも。この場に居あわせたら、海堂が戦う前に『舞子の父親として』とかいいながら、もう一度九十九に挑戦する可能性大。

4.瞬き

片山右京「私と海堂晃の立ち合いは、おそらく2分に届かなかった」

何と2分弱という、前世紀&全盛期のパンクラス級の秒殺で終わっていた海堂VS片山の挑戦者決定戦。姜子牙戦におけるケンシン・マエダ戦のように、戦いの途中で海堂VS片山のバトルシーンが挿入される可能性は大いに低まったと考えるべきのようです。ちょっと残念。まぁ、それでも、海堂の奥義が炸裂した時には片山が思い出したりするんでしょうけれども。
ただし、これはヘタな海堂ageでも片山sageでもありません。元々、片山の戦いに対する価値観は『一瞬の中にのみ真実がある』でした。大の男が押し合い圧し合いする姿の何が美しいのか、と考える片山がウダウダと勝負を長引かせるとも思えません。その2分弱の間に片山は持てる全ての力を注ぎ込んだ筈です。そして、それは片山と並び称される天才である海堂も同じ。つまり、両者の戦いは秒殺でも圧勝ではなかったと推察するのが正しいでしょう。加えて、片山が推察して、徹心が概ね認めたように、海堂の空手の完成系&奥義とは一撃必殺がモットー。この両者の戦いが長引かなかったのは寧ろ、正しい設定と見做すべきです。じゃあ、何で九十九と戦った時は普通に時間を消費したのかというと、それは対戦相手の九十九が大馬鹿であるからです。Q.E.D。

さて、片山評する(またたき)の空手。これは徹心VS北斗で語られた空手の理想像のみならず、対陸奥の究極形態の戦術であることは、今までの感想記事でも述べてきた通りです。今回片山が『陸奥九十九はスロースターター』と評した(陸奥圓明流といわないのが流石。圓明流の本質は初見殺しによる一撃必殺ですからね)ように、無尽蔵のスタミナと化物じみた耐久力を誇る九十九は戦いが長引くほどに有利。そのうえ、@一歩まで追い詰めると人間の限界を超えた『四門』が飛んでくる。マトモな人間では成す術はありません。

ケンシン・マエダ「これで『四門』は使えまい!」ドヤァッ

と寝技に持ち込んでも、某クワトロのようにあっという間に戦局をひっくり返される始末。あれ、ほんまダサい。畢竟、九十九に勝つには一撃で意識を絶つしかないんですね。ただし、それを『ワンパンマン』以外の漫画で描くのは凄く難しいと思います。

陸奥九十九「僕が一撃で死んだら、この漫画終わりじゃないか!」

という意見も出てきそうですし、その辺の塩梅を川原センセが如何に考えているのか、そこが最大の注目点でしょう。

5.アリバイ工作

龍造寺凛子「あれは証明よ。正確には証拠提出。100%の陸奥九十九に偶然ではなく、必然の勝利を。組技関節技に引き込まれても対応できる姿。それはラッキーパンチではない一撃を放つための……必然!」

久しぶりに解説者として有能な姿を披露した凛子さん。舞子が驚いたような目で見ていたのも、仕合ではなく、母親のほうかも知れません。『ママン、やればできるじゃん』みたいな目。
凛子さんのいう証明というのは下世話な物言いをすると相手の土俵に敢えてあがって勝とうとする九十九特有の舐めプに乗じた勝利ではなく、誰が見ても&当事者たちも納得できる勝利をあげるためのアリバイ工作ですかね。丁度、九十九の復帰戦で飛田が語った『負けない戦いの結果としての勝利ではなく、同じ相手に十戦して十勝するために踏み込んで掴む勝利』の証明。同じく、飛田の言葉を借りると『枠を狭めて勝つ』のではなく、相手のどんな顔が出てきても勝てることの証明といいますか……つーか、凛子さんの言葉よりも飛田の解説を引用したほうが理解が早いな。前言撤回。やっぱり、凛子さんは解説には不向きです。
それにしても、九十九が『今まで逢った中で一番の化物』と評していましたが、ひょっとしたら、既に海堂は寝技の中で奥義をチラつかせているのかも知れません。それを感じ取ったからこその九十九の台詞なのか。次号も必見!

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