~ Literacy Bar ~

ここはイマイチ社会性のない自称・のんぽりマスターの管理人が、
時事、徒然、歴史、ドラマ、アニメ、映画、小説、漫画の感想などをスナック感覚の気軽さで書き綴るブログです。
※基本、ネタバレ有となっていますので、ご注意下さい。


テーマ:

私の母親は『花の生涯』から殆ど全ての大河ドラマを見続けてきました。まさに大河ドラマの生き証人。『この作品で誰それが着ている衣装はあの作品で誰それが着ていたのと同じ』とか、何の資料もなく、そうした言葉がスラスラ出てくるのが我が母ながら恐ろしい。尤も、脚本とか構成とか演出とかには全く興味がなく、専ら役者の演技しか見ていないようです。『天地人』の松方家康や『GO』の岸谷秀吉を見て『面白い、面白い』と笑っている姿にこの人とは永遠に判りあえないとも思いました。肉親なのにね。悲しいね。そんな母親による今年の大河ドラマ評は、


「なかなか盛りあがらないねぇ」


でした。うむ、この点は全く同感。ちょっとホッとした。これで『激燃え』とかいわれたらどーしよーかと思った。作劇にソツがないのは以前から指摘した通りですが、一方でハラハラ感がないのもまた事実。特に今回の八・十八政変は、


松平容保「今が多分、人生のピークだー!」


というイベントなのに、盛りあがりに欠ける展開になったのは否めません。ヒロインの動向も同時並行で描く必要がある&物語が幕末で終わらないという二重の制約があるのは判りますが、もちっと何とかならなかったかなぁ。残念。


・OPムービー


再び変わりました。以前、コメント欄でご指摘を受けたように一ヶ月ごとに変化するようですね。今回は結晶がモチーフでしょうか。しかし、肝心のけものみち風の映像は据え置き。こっちを変えて欲しいですが……後半、どう化けるか判りませんが、現段階のヒロインとのギャップが激し過ぎるんスよね。


・幼き虎たち


伊東悌次郎「俺たちは子供ではねぇです! もう日新館さ通っていっから……」


会津パートでは遂に白虎隊士登場! 山本家のお隣さん、伊東家の悌次郎君です。この子が数年後には飯盛山で……と思うと、既に見ていられないものがある(泣)。悌次郎君は山本家で鉄砲訓練に明け暮れることになるのですが、八重は『狙いをつけるのに邪魔!』という理由で悌次郎の両親に何の断りもなく、彼の前髪を切ってしまうんですね。このブログでは以前から何度も述べていますが、近世以前の人間は身分や年齢に応じて定められた髪型があり、それを他人に触れられたり、勝手に切られたりするのはとんでもない恥辱なのです。八重は熱意が余ってでしょうし、悌次郎君も気にかけてはいなかったようですが、周囲からはこっぴどく叱られたそうです。ヒロイン、明治になる前からフリーダムだなぁ。この逸話は是非、やって欲しいっス。


・八月十八日の政変補足


序盤のピークになる筈がツルッと終わっちゃったなぁ。ここで盛りあげておかないと中盤の会津凋落との落差が出ないんじゃないのか。去年の例もあるので今年は手堅くいきたいのは判りますが、それも時と場合によりけり。そんなわけで劇中ではツルッと終わった八・十八政変について私の主観独断に基く補足説明&こうすればよかったんじゃないかという妄想をば。


①高崎佐太郎


パッと出てパッと消えてしまいましたが、後年の高崎正風ですね。八・十八政変の薩摩側の現場責任者……ですが、この時点での高崎は京都では殆どペーペーに等しい存在なんです。そんな人間に薩摩藩が『会津と共闘して長州を都から追い落とせ』などという命令を本気で下す筈がない。成功すれば大金星。失敗したら高崎一人に詰め腹斬らせて、返す刀で口車に乗ってきた会津も都から叩き出す心底であったと思われます。薩摩の外交はエグ過ぎる。ここは高崎佐太郎という人物は如何にポッと出であったかをきちんと描いておくべきでした。そのほうが会津も薄氷を踏む思いであったことが伝わったと思います。


②大和行幸


劇中では一気に倒幕みたいな流れになっていましたが、現実的にはもっと形而上の意味があったと思います。この大和行幸は簡単にいうと孝明天皇が親征軍を率いて攘夷を行うと宣言するものでした。これ単体だと『はぁ、そうですか』なんですが、そうした武張ったことは本来、将軍の役目なのですよ。それを天皇自ら行うのは、要するに、


「もう、幕府なんていらねぇよ」


と満天下に宣言するに等しいんですね。実質的な倒幕の意図は勿論ですが、それよりも形而上での幕府の存在意義を消す目途が、この大和行幸にはあったと思われます。この辺の狙いを桂、真木、三条の密議の場面とかで描いて欲しかった。


③孝明天皇&中川宮


長州派追い落としの勅諚を下す孝明天皇……ですが、アッサリし過ぎじゃあないのか? これ、かーなーり、手間取ったんですよね。帝と宮の都合があわずに上奏の機会を逃すなど、会津をヤキモキさせる事態が何度も頻出したのですが、そうした過程が一切排除。それはアカンですよ。多少、事実に色をつけてでも詔勅が下るか下らないか、長州に露見するか否かで視聴者をハラハラさせないと。それが物語の面白さに繋がるのですからね。この点、日テレ版『白虎隊』は面白かったなぁ。

詔勅が降りるのに手間取った理由としては、まず、中川宮が誰にも見られずに帝に拝謁する契機がなかなか訪れなかったこと。宮中は噂の温床ですからね。誰と誰が会っていたなんて話はすぐに伝わります。そこから密議が漏れては全てが終わる。

あとは帝の思惑ですね。孝明天皇が個人的に容保を気に入っていたのは確かだと思いますし、過激な攘夷思想に辟易していたのも事実でしょう。しかし、帝も貴人。ギリギリの場面では保身が優先します。大和行幸もイヤだけど、長州派公家追い落としという過激な手段もどうよ? イザって時に責任取らされるのは勘弁してほしーぜ? みたいな迷いはあったと思います。この点で会津藩は孝明天皇を責められません。翌年の池田屋事件の際には新選組に似たような対応をしていますしね。こうした帝の宸襟の機微を描いてくれたら最高でした。


④芹沢鴨


八・十八政変の会津と壬生浪士組の関係を語るうえで欠かせない人物でしょう。これに関しましては『新選組!』の描写は完璧でした。佐藤浩市さん演じる芹沢が壬生浪士組のゆく手を阻む会津藩兵を鉄扇で脅す場面はゾクッとしましたね。こうしたイキな小ネタを挟む姿勢が今年の大河には見られない。物語のアクセントが欠乏気味です。まぁ、大筋が通っているので大きな声で批判する気になれないんですが。


これらの記述から判るように、今回の八・十八政変はストーリーは概ね史実通りなんですが、それを物語化する描写が殆どなかったのが残念でした。一言でいうとハラハラドキドキ感。史実と史実の間を補う虚構や創作。これが皆無でしたね。安定感も大事ですが、物語の山場になる場面では多少の冒険心も必要なんじゃないかと。去年みたいに冒険、冒険、また冒険というのもちょっとアレですが。


・はまり役


そんな中で唯一、光彩を放っていたのが綾野剛さん演じる松平容保。この人のテンパッた演技が最高にはまっているのな。


松平容保「精鋭二千の会津兵が守護し奉るうえは、一兵たりとも門内には入れませぬ!」


こんな勇ましい台詞を口にしているのに目は常にウルウルしているんだぜ。めっちゃ、可愛いじゃん。そりゃあ、孝明天皇でなくても贔屓にしたくなるわなぁ。御製が詠まれる場面では列席するどの家臣よりもフカブカーと頭を下げていたしさぁ。額が床に着いてるじゃん。こーゆー細かい演技&演出は嬉しいよね。そんな容保と共に感涙に咽ぶ会津藩士たち。先回の西郷頼母の上洛は丁度この時期の筈ですが、そりゃあ、こんな状況で『金銭がないから戻ってくれ』とかいわれても『答えはNoだ!』になるよなぁ。嗚呼、すれ違い。あとはほとがらの容保の肖像があまりにも酷似していた。これは照姫さまでなくても見惚れるレベル。つーか、劇中の照姫さまと容保って、マジでプラトニックなフォーリン・ラヴ状態っぽいのね。


・壬生の狼


土方歳三「御所での我らの働きが認められ、新たな隊名を賜った! これより、新選組と名乗る!」


まぁ、その間に芹沢さんが粛清されているんですがね。次回は池田屋事件なのですが、斎藤が獅子奮迅の働きをしているっぽい。アイツ、途中参戦の土方班の筈だよな? 『牙突』とかを見せてくれたら評価する。斎藤は『るろ剣』で一番好きなんだよなー。キャラが『男塾』の伊達臣人に被るけど。


・会津は会津で……


照姫様のお国入りに沸きたつ会津の子女。この辺は孝明天皇と容保の関係を意識していますね。共に憧憬、尊崇の対象に認められたいという思い。こうした形で京~会津をリンクさせる手法はうまい。更に照姫さまの『皆、仲よく』という台詞で孝明天皇の海外の情勢を見据えない内向きの公武合体論を、頼母の妻である千恵子を登場させることで会津藩内部のイザコザをも重ねあわせる。実にソツがない。その千恵子。


西郷千恵子「夫は『天地に恥じることは何一つない』と申し、私共にも普段通りに暮らすよう命じておりやする」


先回の感想で触れた頼母の言葉を嫁がいうとは……これは想定外。でも、頼母の言葉は史実なのでしゃーない。旦那が主の勘気に触れて蟄居を命じられた妻の心境って、実際はどうなんでしょうねぇ。特に千恵子は会津のロンゲスト・ディで【禁則事項です】と共に【禁則事項です】しちゃうのですが、この壮烈さは亭主の恥を雪ぐという動機なくしては考えられないんですよね。表面上は普通でも、絶対に胸中は穏やかでなかった筈です。


・サクラチル


照姫さまの祐筆にヒロインが選ばれるというデマが実しやかに会津に蔓延する。どう考えても有り得ん。ヒロインは全然就活していなかったじゃん。何故、採用されると考えたのか? 頼みのコネ(頼母)も謹慎中だしね。案の定、ヒロインの家に届いたのは、



~ Literacy Bar ~-例文


当然の結果です。地道に手に職つけていた時尾さんの勝ち。就活舐めんなよ。以下は不採用者の弁。


山本八重「私、自惚れていました。私なら照姫さまのお役にたてる、と」


どういう分野で?


山本八重「でも、よく考えたら時尾さんみてぇに慎ましくて気が利いて優しい女子でなければ、お城では務まらねぇ」


落ちる前に気づけ。


うむ、久々に突っ込む記事が書けたぞ。実にスッキリした。

どうも、この場面はシックリこなかったんですが、一つには京都と会津の対比が狙いかと。孝明天皇に認められて有頂天の容保。その容保に認められて有頂天の覚馬。一方、容保に謹慎を命じられている頼母&リューク。容保の義姉に採用されなかったヒロイン。片方がググッとあがる一方で、もう片方がガクーンと下がる。そういう対比かと。で、対比する以上は将来的に両者の関係は逆転するんでしょうね。でも、ヒロインは兎も角、容保と頼母の関係はなぁ。逆転つう展開でもないしなぁ。

もう一つはヒロインと尚之助のフォーリン・ラヴフラグ。こっちのほうがメインっぽい。


川崎尚之助「……勝手ながら、私は少しホッとしています。八重さんがお城にあがってしまったら、此処で一緒に銃を造ってくれる人がいなくなる。八重さんの代わりはいない。これは貴女にしかできぬ仕事です」


あくまでも銃と役目が介在した関係。これは好感度高いです。ヒロインと尚之助のアレは何時かやらなくちゃいけないイベントですが、何となーく流されるようにフォーリン・ラヴではアレかなーと思っていたので、こういう形で片付けてくれたのはありがたいです。あんまりラヴラヴイチャイチャされるのは苦手なんで。いや、ラブコメは大好きなんですが、大河ドラマでされると萎えるんですよね。

でも、無理にイベントとかフラグとかつくらないで、覚馬パートを時間的にも内容的にも重点的にやった回のラストで恋仲になっている二人が登場とかいう展開でもよかったんじゃないかと思います。まぁ、これは好き嫌いの話なので意見は別れるでしょうが、少なくとも八・十八政変の詳細を省いてまでやるこっちゃねーよなと。やるなら単独の回でミッチリとヒロインと尚之助の関係性を描くくらいの思い切りが欲しかったです。思い切りのよさは物語に起伏を生みますし、それがストーリーにワクワクハラハラドキドキ感をもたらす要素でもあるのですからね。そんな感じで今回は色々と慎重を期し過ぎたなぁと思いました。通常の場面は兎も角、重要シーンでは冒険心と思い切りのよさが見たいですね。


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