【法廷から】

 「事件を起こしているときから『早く捕まってほしい』と思っていました。でも、明日の生活をどうしようと思っていて…」

 大手出版社の社長を名乗り、モデル志望の女性から現金やブランド品をだまし取ったとして、詐欺の罪に問われた男性被告(41)の初公判が26日、東京地裁で開かれた。法廷では、人気モデルの実名をあげて誕生日プレゼントをおねだりするという巧妙な手口が明らかになる一方、うそを塗り重ねて首が回らなくなった見栄っ張り男の悲しい“性”も垣間見えた。

 被告は今年2月、女子大生=当時(19)=から現金21万円とルイ・ヴィトンの財布を詐取したとして警視庁に逮捕された。

 検察側の冒頭陳述などによると、被告は東京都渋谷区の路上で「小学館の社長のタカハシ」を名乗って女性らに「モデルをやらないか」と声をかけていた。

 「僕はこの業界じゃカリスマ的なんだよ」「山田優も僕が世話した」「僕がスカウトした子は僕が言えば何とでもなるから将来はテレビにも出られる」…。

 人気モデルの名前を出して自分の影響力を強調。相手が話に興味を示すと、「山田優はネックレスをくれたから、君には数珠を買ってほしい」「僕の誕生日のプレゼント代として25万円下ろしてきて」などと言葉巧みに持ちかけ、現金やブランド品などをだまし取っていたという。最終的に、被告は3人の女性から現金約37万円と48万円相当の物品をだまし取ったとして起訴された。

 なぜ被告はこのような犯行に及んだのか。検察側は被告の“自転車操業”ぶりを指摘した。

 冒頭陳述などによると、被告は平成19年から「交際していた娘ぐらいの年齢の女性」(弁護側)とホテルを渡り歩く生活を始める。やがてホテル暮らしには女性の母親も加わり、かさむ宿泊費を調達するために被告は「スカウト詐欺」を思いついたという。被告は交際女性らにも身分を偽り、だまし取ったブランド品の一部は女性にプレゼントしていた。

 「(交際女性と)知り合ったときに自分を大きく見せてどんどんうその上塗りをし、事件を起こしてしまった」

 うそをつき続け、自らの首をしめた被告。被害女性らとの示談金のほとんどは、4年前から音信不通となっていた故郷の両親が借金をして支払っていた。前妻との間にできた18歳の長女は、経済的理由で高校進学をあきらめたという。

 「あなたが遊び歩いていた間のことですよ。家族に対してどう思うのか」と弁護人に問われると、「言葉になりません」とうなだれた被告。最後には涙まじりに「本当にここで立ち直らなければいけないと深く思いました」と故郷での再起を誓った。

 検察側は「巧妙かつ卑劣な犯行」として懲役2年を求刑。判決は5月11日に言い渡される。(滝口亜希)

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