2009-08-19 19:57:05

獣の奏者 III 探求編

テーマ:☆☆☆
この記事の続きです。
→ 獣の奏者 II 王獣編

3年前に刊行された「獣の奏者」の続編となります、
上橋菜穂子「獣の奏者 III 探求編」です。

物語全体の評価は、「獣の奏者 IV 完結編」の読後エントリに
譲りたいと思いますので、ここでは簡単に。

まず、本巻「探求編」を読む限り、物語としての面白さは
前作以上ではないかと思います。詳しくは完結編で。

その一方で、本書264ページ、主人公・エリンが読んだ
「残った人々(カレンタ・ロゥ)の記」の文章に深い失望を覚えます。

 細き両脚をきちんとそろへて飛びたる、その白き姿は、
 まことに清々しい。偉い鳥なり。黒き脚環をなくすことなく、
 急峻なる山々を越えて、我らの谷に舞ひ来たる。
 (本書264ページより引用)

この文章は物語内における「過去」の人びとが書いたものであり、
それを表現するために、仮名遣いが歴史的仮名遣いとなっています。
また、「細き」「白き」「黒き」のように、形容詞の活用形も古語のそれです。

これらの表現と、「清々しい」および「偉い」の表記は明らかに矛盾しています。
私の感覚では、この文章は「素人臭い」文章です。

1680円を取って読ませる文章であるとは思えません。
これは作家一人の責任ではなく、講談社の編集のレベルを疑わせるものです。

この記事へ続きます。
→ 獣の奏者 IV 完結編

獣の奏者 (3)探求編/上橋 菜穂子
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