不安な童話 | 雑読日記

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読んだ本の感想など

凝ったつくりのミステリでした、恩田陸「不安な童話」です。

主人公は、もともと不思議な能力を持っていて、
ひょんなことから25年前に殺された画家の
生まれ変わりかもしれない、と思わせる女性。

という設定からすでにブッ飛んでいますが、
じゃあオカルトチックに物語が進むのかと思うと、さにあらず。

むしろ、主人公の特殊能力は小道具で…
と言ったら半分ぐらいネタバレになってしまいますので、
これ以上は止めておきましょう。

謎を引きずらずにテンポよく話が進んでゆきますし、
登場人物は誰も死なない(25年前の事件以外は)という
筋立ても、非ミステリ読みにはうれしい作品でした。

不安な童話 (新潮文庫)/恩田 陸
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