6章「最強のライバル」

俺はホストになった頃、
自分の店のナンバーワンや店長のことを凄いとは思ったが、
目標にしたいと思ったことはありません。
俺の中でのライバルは、常に業界のナンバーワンと言われるホスト達でした。

今のホスト業界のトップと言えば、
新宿歌舞伎町の「愛・本店」ナンバーワンの城咲仁さんと誰もが言いますが、
当時のKINGは、「トップダンディ」頼朝さんや、
「club ROMANCE」香咲真也さんでした。

もちろん、物事には何でもステップというものがありますが、
ハイレベルな方々を最大のライバルにすることによって、
目標地点が他と違う訳ですから、急速な成長ができるんじゃないでしょうか。

今までを見ても、そうでした。
1ヶ月でベスト6に入り、2ヵ月目にはナンバーに入ることができました。

ボクシングをやっていた頃も、最初からライバルを世界チャンピオンの畑山隆則さんと定めることで、以前は殴り倒されていた相手を3ヶ月後には、ほとんどパンチを受けることもなく、倒せるようになったのです。

もちろん、意識するだけで何も行動しなければ、ただのナルシストです。
ですが、目標を高くもつことでマイナスに作用することは無いと思います。

2005年3月現在、
来月から新社会人として社会に旅立つ中学生、高校生、専門学生、短大生、大学生の方、もし良かったらこの考え方を何らかの道標にしていただけると幸いです。

繰り返しますが、最大のライバルは、
組織のトップではなく、業界のトップです。

ミッドナイト・ロード~ホストの物語~ 6章 おわり
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5章「生き金」

世の中には、生き金死に金というものが存在します。

ホストの俺の場合、稼いだお金や給料の中から、お客様とのアフター代(食事、映画等)や自分のお客様が働く店に行ったり、顧客獲得の為にキャバクラやヘルスなどに営業に行ったりと、そういった生き金の使い方をします。
(※風俗に営業に行く場合、抜いてもらうと下に見られるので喋るだけです。)

又、女性誌などを買って、知識や会話のネタを得ることや、身にまとう物を買うことも、
自己投資なので生き金に入るんじゃないでしょうか。

お水の世界の生き金のノウハウは、恋愛にも言えることで、
男性の場合、食事や遊園地、映画などのデート代を割り勘でケチって魅力を半減させるくらいなら、たった数千円くらい笑顔で出しましょう。
好きな女に好いてもらえるなら、大特価ですよ。
たまには、相手に奢ってもらうのもいいですけどね^^

生き金を使うことによって、最終的に回収できるものはお金じゃない場合もあるかもしれない、しかしそれは、一瞬の満足の為に使われた死に金よりも、
確実に意義のあるものだと思います。
「金が金を生む」これが俺の哲学です。
その生まれてくる「金」というのは、マネーだけの意味じゃありませんからね。

皆様は、どのように生き金を使っていますか?

ミッドナイトロード~ホストの物語~ 5章 おわり
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4章「恋人のいる相手を奪うには」

恋人がいるからという理由だけで、簡単に諦めてしまう人がいます。
でも、イイ女、イイ男には恋人がいるのは当然のことだし、
逆にいない方が不思議なくらいです。

典型的な失敗例として、
相手の恋人に対しての愚痴や相談を聞くふりして、
俺は違うぞ?ということさり気なくアピールしたり、恋人の欠点を中傷していきながら
相手を自分のものにしようとする人は結構多いですが、
その戦術はあまり有効だとは思いません。

何故なら、特に女性の場合、
友達や異性などに彼氏の愚痴を簡単に言いますが、
だけど本当はまだ好きってことが多いのです。
まだ恋人のことが好きなのにも関わらず、
友達や異性などに恋人のことをメチャクチャ言われたら、怒れるのは当然です。
自分では恋人のことをメチャメチャ言うけど、
人に言われたらあまり良く思わないってこと、しょっちゅうですよね。

これまでの作戦を実行して、恋人にしようと思って近づいたら、
逆になんとなく嫌われたような気がするって思う人は結構いますし、
実際に俺の友達にも何人かいました。

では、どうしたら良いのか?
俺の場合、「彼氏がいようがいまいが俺は俺だ。」というスタイルのもとに、
相手の恋人のことは自分からはあまり聞かないようにしてます。
そんなことよりも、もっと自分を相手にアプローチできるように心がけます。

相手と親密になればなるほど、聞き出さなくったって自ら恋人の不満や愚痴を言うようになるはずです。
だけど、そこで「そんな男と別れろ」と言ってしまったらアウトです。
相手を怒らせたり、不安にさせたりするだけだと思います。

そこで、先程の「彼氏がいようがいまいが俺は俺だ」スタイルを本格的にあらわにし、テキトーに相づちを打ちつつ、
「どう思う?」と聞かれたときだけ、それらしい返事をします。
それ以外は何も聞き出そうとはしません。

女性の場合は、愚痴や相談をして相手の意見を求めるよりも、
聞いてもらいたがりなトコロも少しありますので、無効ではありません。
相手がノロケ話をしだした時は、嫌な顔でもしてやればいいんじゃないでしょうか。

さらに親密になると、
相手が恋人との関係が低迷してる時期が大体、わかってきます。
恋人同士には必ず、低迷する時期が多少なりともあると俺は思っています。
そこが最大の仕掛け時です。
自分の持っているものをMAXに相手にぶつけます。

よくあるミスが、「今度でいいや」とか「今日はいいや」と
なんとなくチャンスとわかっていながら逃げ腰になることです。
しかし、光陰矢のごとしとはよく言ったもので、
その「今度」は無いのです。

相手が恋人と低迷したその時こそが、最大のチャンスだったのにも関わらず
それを見送ったために、相手と恋人の関係が戻り、チャンスは無くなってしまいます。

後になって振り返ると、
「逃げ腰になってしまっていたあの時、実はチャンスだったんじゃないか?」
や、「あの時ならイケた。」なんて見に覚えがある人いませんか。

結論としては、相手の恋人を否定したり、中傷する手にでるよりも、
自分を相手にアプローチさせることを最優先させるべきだと、俺は思います。
答えは1つじゃないですけどね。

ミッドナイト・ロード~ホストの物語~ 4章 おわり
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3章「テクニック」
前にフリーで店に来た、高級クラブのママさん(経営者)が俺を指名で
店に飲みに来てくれました。

ママ「あいくん何飲みたい?一番好きなの言って。」

ここでドンペリ!っと言えば多分、卸してくれるし、
その日の売上げは大いに助かるけど、
それでは所詮、普通のホスト。
ドンペリを好きと言ってしまえばそれ以上の価格の酒は頼みづらくなる。

あい「ん?鏡月でいいよ。割り物も頼まなくていいから、水割りで。」

私は金持ち!と言わんばかりの全身ブランド品の身なりや、口調の
ママさんにとっては、それではママさん自身が格好悪いし不満なのは、
俺もわかっている。

そこで登場するのが、俺の派閥の最高のヘルプ・聖夜(仮名)さんである。
彼は年齢こそ、俺より年上だが、俺のお客様の席でのヘルプを徹底してくれて、俺も信頼している最高のパートナーである。

俺がママさんの席を離れると、

聖夜「実はあいさんって、優しいから自分で高いお酒お願いできないんですよ」

ママ「そうなの?じゃあ遠慮して鏡月って言ったんだ・・・」

聖夜「そうですね・・、鏡月は嫌いって言ってたのに優しいなと思って。」

ママ「じゃあ何が好きなの?こっそり教えて!」

聖夜「知ってるの俺だけですから、教えたってバレるから駄目っすよー。」

ママ「だって、嫌いなの無理して飲んだって面白くないじゃん。お願い!」

聖夜「あぁーあ、墓穴掘っちゃったな。。ルイ13世です。絶対に秘密っすよ?」

帰り際、エレベーターの中でママさんが俺に言った。

ママ「ねえ、私ルイかブックが好きだから今度それ卸してあげるね。」

あい「無理すんなって。俺は鏡月が好きだから鏡月でいいよ^^」

ママ「・・・そっか♪」

来週、ルイ13世が卸されることでしょう。
1本30万円ナリ。

ミッドナイト・ロード~ホストの物語~ 3章 おわり
2章「タイムイズマネー」

俺のホストの成績は、№2~6の間を行ったりきたりと
微妙な成績なのですが、一度だけ、ナンバーワンになったことがあります。

その時は、学校などの私生活と、お客様との時間に追われ、
自分の時間が殆ど無かったのですが、俺なりの時間の使い方を2章のテーマ
にしたいと思います。

人は、自分が暇と思われるのを嫌い、
人に忙しくみせたいという人が多いです。
それだけならまだ良いのですが、本当に忙しくてしょうがないと、
思い込んでる人がいます。

だけど俺は、それは時間の使い方が下手なのだと思います。

一日は24時間もあり、24時間全てを仕事したり、バイトしたり、学校いったり
する人は殆どいないと思います。

では、どうしたら時間を上手く使えるか?
答えは色々とあると思いますが、てっとりばやいのは・・
「睡眠時間の短縮」だと思います。
特に、今の若い世代の人は寝すぎの傾向にあります。
8時間~10時間も寝てしまう人は、スポーツ選手でもない限り、時間に急かされることになるんじゃないでしょうか。

例えば、8時間寝ているところを、6時間にすれば、2時間の空きがでます。
忙しくてテレビを見る暇が無い!
と言ってる人は、ビデオに撮ればいいだけの話です。
今まで8時間寝ていたところを6時間にし、空いた2時間でビデオを見れば良いのです。

又、俺はホストとして女性の流行やファッションに敏感になるために、
女性誌を読むことにしているのですが、その読書の時間だって電車の中や
タクシーの中などで読めば、自分の時間はあまり奪われないでしょう。

街を歩くときも、モタモタ歩かずに急いで歩くようにしています。
もし、急いで歩いて、いつもより3分家に早く帰ったとしたら、
10日で30分、100日で300分も自分の時間ができるんです。
地味ですが、これって凄いことだと思います。

ホストに300分の時間が与えられたら、
客回り(アフターサービス)をしたり、キャッチに出たりする人も
多いでしょう。
その300分の間に、バリバリの女社長をキャッチに成功したとしたら、
その後のホストロードは花道に変わるでしょう。
ビジネスや私生活においても、同じことが言えると思います。

時間を大切にしている人と、そうでない人の差は、
見えないところで確実に開いていると俺は思います。
1秒を笑う者は、1秒に泣く。

ミッドナイト・ロード~ホストの物語~ 2章 おわり
1章「もう1人の自分」

俺がホストを初めて経験したのは、高校3年の夏でした。
目的はお金。
お金に困ったという理由ではなく、
昔から、「固定給」や「時給」というものが嫌いでした。

どの業界も、バイトというのは時給がメインです。
求人誌では、「能力によっては時給がアップ!」
などと書いてありますが、上がっても100~1000円が限界です。
では、無限の可能性を求めるにはどうしたらよいか?と考えた結果、
夜の世界に辿り着きました。

ホストというものは、自分を商品に置き換え、
それを販売営業する、一種の営業マンだと思っています。
自分に値札を付けた時、はたしていくらになるか?
俺は顔が良いわけでも、背が高いわけでもありません。
しかし、だからこそ挑戦してみる価値があると思ったのです。

求人誌でホストクラブを見つけ、一日体験に行きました。
そこで、新人の教育担当だったホストに、
源氏名を付けろと言われました。
店での名前は、ここでは非公開ですが、この時、
もう1人の自分が産声をあげた瞬間でした。

当時は、こんなこと思いもしなかったのですが、
ホストの自分は、ロールプレイングゲームのキャラクターを育てているような感覚が、
最近芽生えてきました。

「あい」という人物に名前を付け、スーツという名の装備を付け、
靴やネクタイ、時計も装備品の1つです。
もちろん、性格もプライベートの自分と一緒では面白くないし、
売れそうにもないので、「店での自分」という、性格を作りました。

また、営業中にお客様から言われたことや、されたことを、
自分の感情で受け止めるのではなく、
ゲームの中で育てている自分が何かを言われている、されているという、
第三者的(客観的)に見るようにしています。
すると、お客様に何を言われても腹も立ちません。
(・・・さすがにブスにメチャクチャ言われると怒れますが・・)

源氏名やビジネスネームを持つということは、
プライベートの自分と、職場での自分が存在するわけで、
「人生を2倍生きる」ことだと思っています。
俺は、そんな状況や考え方が、とても楽しくて、、
好きです。

ミッドナイト・ロード~ホストの物語~ 1章 おわり