裁判員制度の違憲性が争われた刑事裁判の控訴審判決で、東京高裁(小西秀宣裁判長)は22日、「憲法は裁判官以外の者を下級裁判所の構成員とすることを禁じておらず、国民の参加した裁判を許容している」と合憲判断を示した。そのうえで、殺人罪に問われた中国籍の整体師、付佳男(ふかなん)被告(26)を懲役18年とした裁判員裁判の1審・宇都宮地裁判決(09年12月)を支持し、被告側の控訴を棄却した。高裁が裁判員制度の憲法判断を示すのは初めて。

 控訴審で弁護側は裁判員制度について「くじで選ばれる裁判員は裁判官のような身分保障がなく、マスコミ情報で予断を持つ危険性がある」などと述べ、憲法32条が保障する「裁判所で裁判を受ける権利」や37条の「公平な裁判所の公開裁判を受ける権利」を侵害して違憲と主張し、1審判決の破棄を求めた。

 これに対し検察側は「裁判員の不選任請求など公平性は担保されており、裁判官が評議に加わるため適正な判断が期待できる」として、憲法上の問題はないと反論した。

 裁判員制度に反対する学者からは「一般人である裁判員が加わった裁判所は、憲法の『公平な裁判所』とは言えない」との見解が示されている。

 高裁判決によると、付被告は09年3月9日、千葉県御宿町の知人の中国人男性(当時30歳)方で男性の胸を包丁で刺し殺害、遺体を栃木県那須塩原市に遺棄した。1審の弁護人は制度の違憲性を主張していなかった。【伊藤直孝】

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