山本洋一ブログ とことん正論

元日経新聞記者が政治、経済問題の裏側を解説!


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 複数の新聞を読み比べていると、時々「あれっ」と思うことがある。真逆のことが、どちらも「事実」として書かれているのだ。まさに今朝の新聞もそう。天皇陛下の退位問題を巡り、日経と毎日に真逆の記事が掲載されている。


 「天皇退位後『上皇』に 政府検討」。日本経済新聞は12日付朝刊の一面に、こんな記事を載せた。有識者会議が専門家に聞いたところ「太上天皇」や「上皇」が望ましいとの声が多く、より国民になじみ深い「上皇」とする案が有力となっている、というのだ。

 

http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170112&ng=DGKKASFS11H2W_R10C17A1MM8000

 

どちらかというと「上皇」という称号にはマイナスイメージを持っていたので、少し驚いた。小中学校の日本史で「二重権力の象徴」のように習ったし、孝謙天皇のように自らの後任を廃位させて再び天皇に返り咲いた例もあるからだ。

 

ところが、毎日新聞は今日の朝刊でこう報じている。「退位後称号 「上皇」使わず 政府、『前天皇』など検討」。「上皇が天皇より上位にあるとして政治に関与した歴史があり、皇位の安定性に懸念を抱かせる恐れがあると判断。代わりに天皇より上位とみなされにくい「前天皇」や「元天皇」とすることを検討している」としている。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170112-00000006-mai-pol

 

 記事を読む限り、毎日は政府内でこの問題を検討しているラインの高官から「ファクト(事実)」をつかんで書き、日経は有識者会議の経緯から結論を「想像」して書いたように見える。「恐らくこうなるだろう」という結論を予測し、正式なライン以外の高官に「当てて」みて、否定されなきゃ書く、というのはよくあることだ。

 

 特にこの問題のように各紙が注目し、取材合戦になっている場合、他紙に「書き負け」ないように未確定の情報を書き飛ばすというのは珍しくない。もしかしたら日経がファクトをつかみ、毎日が「飛ばし」たのかもしれないが、いずれにしても新聞報道など「そんな程度のもの」。頭からすべてを信じるべきではない。

 

どちらの報道が正しいか、近く結論ははっきりする。どちらかの報道は誤報となるわけだが、「訂正」や「お詫び」は出さず、「こういう方針だったが、こういう理由により、こういう方針に転換した」という言い訳原稿を書くだろう。

 

この問題にしばらく注目していただき、マスコミの「言い訳体質」をぜひ、その目でご覧いただきたい。

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