廃れる漫画雑誌、廃れない漫画雑誌 | テレビゲームのソムリエになりたい - yzxのつぶやき

廃れる漫画雑誌、廃れない漫画雑誌

半年ほど前にエニックス出版-ドラゴンクエストがあたえた影響 というエントリーを書きました。推敲などはしていないエントリーなので、誤字・脱字はそのままで、読みにくいエントリーです。

それを要約した上で、私が伝えたかったことは、
「エニックスはドラゴンクエストのネームバリューを最大限活用することによって、出版事業を軌道に乗せることに成功した」
と、いうことです。

直前のエントリーで少年ジャンプに関することを書いたので、今回はそれらが密接に関係しているのではないかというエントリーです。

さて、最近の週間少年ジャンプで私と同様の世代が口にするのは「面白くなくなった」というのがほとんど。とはいえ、連載している漫画自体が本当につまらないワケでもないので、あえて反論するなら「漫画に慣れたため、新鮮感がなくなった」とか、「購読者が減った影響で、話題の共有性がなくなったため」と言いたいところ。

しかしながら、「漫画に慣れた…」という理由はともかく、「購読者が…」という理由は「漫画が面白くなく、雑誌を購読する理由がなくなった」という、単に「漫画が面白くなくなった=購読者数が減った」という前提の理由があるので、あんまり論理的とは言えません。

反論するには“面白くなくなる”という理由を論理的に述べた上で、その論理に当て嵌まらないことを証明する必要があるんですが、そもそも「面白い」を文字で説明することが難しいですし、私自身が「ジャンプは昔より面白くなくなった」ことは事実だと捉えているので、反論する気はありません。

ただ、「面白くなくなる」という理由では、某所で「アンケート至上主義のため」「編集者が無能だから」とよく書かれているのですが、私はそれは違うと思うのです。そもそも、「面白くなくなった」というのは、今でも面白い漫画はあるわけですから、少年ジャンプが「漫画雑誌」であることを踏まえると、正しくは「面白い漫画が少なくなった」という見方をするべきだと思うのです。

この「面白い漫画が少なくなった」ということを前提にし、週間少年ジャンプが「面白くなくなった」私なりの理由を書きたいと思います。

まず、「面白い漫画が少なくなった」という言葉は「面白い漫画が登場しなくなった」と言い換えることができると思います。単に、面白い漫画が書ける作家が減っただけであると。では、なんで面白い漫画が書ける作家が減ったのか?

ようやく、ここで冒頭に書いた以前のエントリーが関係します。
それは、ガンガンなどの登場によってジャンプでデビューする作家が減少したことです。
この作家数の減少=アイデアの減少であり、ジャンプ内における「新しいアイデア」が生まれにくくなったことが、「少年ジャンプが面白くなくなった」真の理由なのではないだろうかと。

実際に、ジャンプに応募する作家が少なくなったかどうかは実数を知らないので単なる妄想で終わるかも知れませんが、現在発行されている少年漫画雑誌数を見る限り、集英社へ応募する新人漫画家は10年前と比べて明らかに減少していることは間違いないかと思われます。

しかし、今回のエントリーはあくまでも「廃れる漫画雑誌、廃れない漫画雑誌」です。
このままでは「廃れる週間少年ジャンプ」になってしまいます。
ハッキリと断言しますが、週間少年ジャンプは廃れません。
何せ、漫画家デビューでジャンプを選択する作家は相変わらず多いのです。

ですから、新人の応募数が少ない雑誌こそが「本当に廃れる雑誌」なのです。

ここ数年にかけて新創刊された少年漫画誌は非常に多く、中には少年漫画誌なのに青年層の購読が多いという「ターゲットを誤っている雑誌」がいくつか見受けられます。そして、新創刊された雑誌というものは、既存の雑誌と比べると、まだ読者が固定化されていないため、年内から近い将来にかけて休刊、または廃刊する雑誌が出てくるのではないのかと思います。

で、ここで名前を挙げるのもアレですが、妄想で書いているwということで1つ名前を挙げちまいます。

それは…

「少年ブラッド」!

ではなく、
(すでにwebに移行したし)

「コミックRUSH」です。

現状、この雑誌を支えているのは「となグラ!」と「学園革命伝ミツルギ」の2本。
気持ち「なおざりダンジョン」と書いときます(『おざなりダンジョン』の続きモノ)。
ただし、ミツルギの連載はすでに中だるみの状態。

そして、ヤヴァイ理由。
コマ割りが悪いせいか、どの漫画も読みにくく、面白くなかったりする(但し、つまらないという感覚とは少し違う)。せめて、「となグラ!」の筧秀隆先生並みに読みやすい作家があと、2・3人は欲しいところ。

そして、致命的なのが、漫画のネタが古いこと。
こればかりは、読んで体感しなきゃ分りませんが、執筆する人のせいかどの漫画も引用するネタが古かったり、ストーリーが最近見たことにある展開に近いモノばかりだったりします。

故に雑誌としての魅力が少ないですし、漫画賞は設けていますがそういった雑誌に応募する作家は少ないと思うのです。また、出版社のジャイブは玩具大手のタカラ系の会社であり、もともと「ラグナロクオンライン」のアンソロ本で集めた作家が多く、自前の作家があまりいません。すでにROは終わった感が否めず、今後の新人作家を集める手法は発行している雑誌次第と言わざるを得ない上に、その雑誌の発行部数都内が中心であることも欠点です。

ですから、今後新しいアイデアを持った力のある新人が生まれにくく、このままの執筆陣ではそのうち息切れしてしまうのではないかと思えます。

ただし、こういったマイナー雑誌は一度ブレイクすると「Gファンタジー 1冊5000円事件 」なんてこともあるので、私のような人間は今後もその経過を見守っていきたいところです。


…しっかし、もっともなことを書くと、コミックRUSHの廃刊はありえナス。
ようやく集めた作家を手放すようなことはせんだろう。多分。