世界自然保護基金(WWF)インドネシアは、スマトラ島中部のジャングルで、絶滅が懸念される野生のスマトラトラの母子の撮影に初めて成功し、動画(http://www.vimeo.com/8351982)を公開した。1970年代に1000頭を数えたスマトラトラだが、森林伐採や密猟の影響で、現在では400頭を下回ると推定されている。

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 09年7月に森林内に赤外線を感じて作動する無人カメラを設置したところ、雌と子をとらえた。そこで、数を確認するため、9月にトラの通り道にビデオカメラを設置し、雌1頭と子2頭の姿をとらえた。映像にはカメラに近づき、においをかぐ様子が映っている。

 トラが生きるために必要な森林面積は雄で100平方キロとされている。しかし、スマトラ島では、製紙会社の原料調達やパーム油を採取する農園をつくるため森林伐採で生息地が失われている。

 WWFインドネシアの調査チームは「この環境で子どもたちが大人に成長するまで生き残ることができるだろうか。生息地の保護が急務だ」と訴える。

 また、02年からスマトラ島の森林保全に取り組むWWFジャパン(東京)は保護活動に必要な寄付を呼びかけている。【足立旬子】

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