厚生労働省が4月12日に実施した省内事業仕分けでは、大手企業の社員が加入する健康保険組合などの診療報酬について審査、支払いを行う特別民間法人「社会保険診療報酬支払基金」(支払基金)が仕分け対象となった。支払基金の中村秀一理事長は、人員削減や余剰資産の売却などの改革案を提示したが、仕分け人の民間有識者からは「説明責任が足りない」「政策提案が必要だ」など厳しい声が上がった。各都道府県支部の審査委員会が行うレセプト(診療報酬明細書)審査で、保険診療のルールに適合していない「査定」の割合が支部間で異なる点について、長妻昭厚労相は「どういう理由でこれだけ離れているのか。それを是正するためにはどういう手法が必要なのか。サンプル調査も含めてきちんと現状把握をしていきたい」と述べ、実態調査に乗り出す意向を示した。

 事業仕分けで中村理事長は、▽国からの財政支出の削減▽2015年度までに少なくとも525人の職員を減らす「組織のスリム化」▽宿舎などの余剰財産の売却▽審査の充実や業務の効率化―の4項目から成る改革案を説明。
 仕分け人の河北博文氏(河北総合病院理事長)は、「もしかすると、一部の業務は民間の保険会社に委ねることも可能かもしれない」と民間企業参入の可能性について言及。一方、大久保和孝氏(新日本有限責任監査法人パートナー)は「競争原理の導入は不可避だ」と強調し、支払基金のガバナンスの在り方を提言した。

■支払基金の手数料、「歯止め掛ける仕組み考えたい」―長妻厚労相

 仕分け人の評価結果を受け、長妻厚労相は「コストが上がるから(保険者からの)手数料も上げるとなると、コストの削減努力をしなければ、お金が入ってくるということにもなりかねないので、それに歯止めを掛けるような仕組みを考えていきたい」と発言。また、「レセプトデータは宝の山」とした上で、「中医協(中央社会保険医療協議会)などでもこれまで以上に分析を進め、効果の上がる医療に取り組んでいくので、効果の高いレセプトのチェックをお願いしたい」と支払基金側に求めた。

■国保連との統合、「現段階では発言控えたい」―中村理事長

 事業仕分け終了後、中村理事長は記者団に対し、国民健康保険団体連合会との統合問題について、「厚労省の方に投げられている問題だと思うので、支払基金としての思いはあるが、現段階では発言を控えたい」と述べ、具体的なコメントを避けた。


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