民主党の新産業戦略批判

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正月のテレビで政治討論を見てましたら、民主党の「環境」と「健康」を新成長産業にする戦略について、出席していた政治家、大学教授、会社社長ーなど10人ぐらいの人々がほとんど賛成していたのには驚きました。


否定的な意見をいっていたひとも、具体的な実現策がない、企業の役割が書いていない、民主党のマニフェストに書いてある電力固定価格買取制度をつぎの国会で法律にする決意がないなどで賛成しけねるというもので、アイディア自身には賛成でした。


かっては、家電と自動車、半導体、コンピューター、情報通信などが成長産業になっていたのと比べ、環境と健康を新成長産業にするには違和感があると思ってましたが、そうでなくあっさりと肯定し、そこが成長分野だと認識してるんだなと思いました。そんな時代になってしまってます。


そこで「環境」と「健康」が新産業になるために何が必要なのか、二つの点を指摘しておきます。


第一は環境税と福祉目的の消費税です。
新産業が起こるのに、増税、消費者の直接負担が増えることはこれまでありませんでした。ところが今度は違い、そこが新しい点です。


太陽光発電や風力発電などの余剰電力を電力会社が買い取る「固定価格買い取り制度」、これがあるから太陽光発電の投資を行いますが、高く買い取った分電力料金が上がり、電力の利用者が負担します。あるいは環境税で税を徴収し、電気自動車の普及などに使います。


健康でも医療保険や介護保険で国の支出を増やしたり、企業や被保険者の保険料負担が増えたりします。


こうした負担や増税が財源になって需要が増え成長します。


来年度予算で環境税が議論されましたが、ガソリン税の暫定税率をこれに当てれば実現します。実際には要検討事項になってしまいましたが、すでに財源があるので再来年度には実現するのではと思います。


消費税についても民主党は4年間は上げないといってますが、これでは健康分野を成長産業にすることはできません。方針を変え、成長産業に使うので上げると国民を説得する必要があります。やってみると国民は納得するのでは。


第二は新産業の社会性と倫理性です。
環境も健康も社会性の強い事業で、経営には社会性と倫理性が必要です。それには最低限法令を遵守する経営でなくてはいけません。


アメリカのビジネススクールで倫理を教えてることを知り変に思ったことがありますが、事業に社会性豊富なら経営に倫理が必要になり、ビジネススクールで教えても当然です。


食品産業では内部告発で食品偽装が摘発され企業は倒産に至りますが、こんな経営精神では新成長産業に挑戦するなんてできません。


この辺りもがらっと変ってしまうことを予想させます。社会性と倫理性豊富な経営学は実際にそういう経営を10年もやったあとにできるもので、現在のところまだ判然としませんが、社会起業などはその好例ではないかと思います。


こんなわけで、民主党の新成長産業戦略は日本経済にとって大きな挑戦になるのではないかと思うのです。

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