東京の国立に住んでますが、ここの駅前通りは桜の名所です。咲きぐあいをときどき見に行きますが、一橋大学(国立にあり桜並木道沿いにあります)が春休みにもかかわらずに人の出入りが結構あり、なぜだろうと見てましたら、新入生らしきものが下見にきているようでした。中には家族で来ており、校門の前で記念写真をとってました。


一橋大に入学できた喜びがにじみ出ている場面です。


こんな場面を見ながら、この新入生たちは2010年代の中ごろに社会人になりますが、どんな仕事を選択するんだろうか、そこで勝者になれるんだろうかと考えてしまいました。


官僚、金融、商社、多国籍企業、こんなところがこれまでの定番ですが、2010年代の中ごろには大組織に入りそこに依存する生き方でなく、今よりも一層個人の力を発揮して仕事をやるようになっているのではないかと思います。


社会起業をめざす人も今よりずっと増えてくるでしょう。


そうなると、一橋大学は個人として強く生きて行ける人材を育てなくてはいけませんが、そうなっているかどうか、ちょっと不安があります。これは他の一流大学についても言えるわけですが。


梅田望夫さんはウェブのインタビューで日米の大学教育を比較しこう言ってます。
「日本では優秀な人が隠れちゃっていることに、すごくもどかしさを感じる」


「勉強している人は勉強していると言わない。能力を持ってうまれついた人はそれを社会のために活かすべきだ、だからその人たちを徹底的に伸ばすんだ、というのが欧米のエリートの育て方ですが、日本社会はそういうことに対してすごく強い不快感を表明します」


「アメリカに上を伸ばすという発想の教育がある」


「精神的にも頭脳ももっと強くなれと僕は言いたい」


「僕の知り合いの東大の大学院生で2006年にスタンフォードのコンピュータサイエンス学部に行った人がいます。彼は一年で成績が上位5%に入ったんです。久しぶりに会ったら見違えるほど成長していて、自信に満ち溢れていた。まさに男子三日会わざればですよ。その彼が東大大学院時代の100倍勉強してますと話していた。いや100倍ってことはないだろうといったら、100倍ですと。課題は多いし、先生は本気だし、世界から集まった学生が競争しているからすごくやりがいがある、と」


梅田さんは上にいる学生がもっと上に行くような教育をやらないと、情報化社会では社会を変えるようなことはできないと強く主張してます。


シリコンバレーに住んでいると、そう感じるだろうことは想像できます。こんな連中と競争するんですから大変です。学生は大学が提供するカリキュラムを忠実にやるだけでなく、自分で道を切り開いて行かなくてはいけないんでしょうね。そんな時代になってしまっていると思います。