新しい公

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「新しい公」はイギリスでつくられたコンセプトで、官の専管領域へ民、社会起業などの非営利活動、を導入し、社会問題を解決するやり方です。


民を導入するのは、官にはもうカネがない民間の資金を使おう、官はアイディア不足、スピード不足。。。官が劣っているからです。このブログでも何回か話題にしました。


この「新しい公」を鳩山首相はくちぐせのように使ってます。


昨日の参議院の国会答弁を聞いたましたら、自民党議員の民主党はバラ撒きをやっていると非難されたのに対し、鳩山首相は新しい公のコンセプトで切り替えしてました。マスコミのインタビューでも使ってました。よほどそおう思っているのです。


鳩山さんの説明は、公の領域に民、例えばNPOを呼び込み、両者共助の関係をつくり問題を解決する、税金をただばらまく昔の社会民主主義とは一線を画している、だから非難されるようなバラ撒きでないというものでした。


まだ理念を述べている段階で、民の導入を具体的にすすめてるわけではありません。例えば、中学生以下には児童手当を支給しますが、世田谷和田中学校のように、中学校に地域の市民が入り、先生とともに教育をやるとはなっていません。


鳩山首相はまだ理念を言っているだけで、具体的な政策はこれからですが、「いい発想」で、このコンセプトでずっと先に行けばいいのにと思います。

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民主党の雇用対策

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23日に決まった鳩山政権の雇用対策は


・「介護」「グリーン」「地域社会」の3分野での雇用創出
・2010年3月末までに10万人創出
・介護は、施設で研修勤務しながら介護士の資格を取るとき実習を免除
・農林、環境、観光の「グリーン」分野で、建設業などからの転職支援や人材育成
・地域社会分野で、若者やフリーターの雇用支援を行うNPOなどを活用
となっている。


失業率は5.5%、2ケタ近い他の先進国に比べると深刻なほどの失業率ではないが、昨年末、生活困窮者のテント村ができ、社会問題だと大騒ぎになったが、今年はそうさせないぞと今から準備しておく、そのためハローワークで職業あっせんのほか、生活保護手続き(社会福祉法人がやっている)ができ、住宅も斡旋する(自治体がやっている)「ワンストップサービス」を打ち出し、こういうのがセットになった雇用対策になっている。


新年への年越しのためのとりあえずの雇用対策で、感心するほどのものでない。


それより長妻厚労相が提唱している年金照合のための雇用の方がずっと面白い。これは11年度までの2年間に記録照合のために1万数千人を投入するアイディアである。


記録訂正、原簿(8億5000万件、紙台帳、マイクロフィルム)とオンライン記録の照合、原簿を画像システム化し全国から照合できるようにするなどが仕事で、どうせやらなくてはいけないので、今一気にやってしまおうと10年度の概算要求に2000億円計上した。


これに必要な人材はホワイトカラーの事務職で、派遣切りにあった事務職の仕事も足りないので、社会保険庁が雇用対策もかねて年金照合をやってしまうのは、こちらの方かいいアイディアである。


私がおやっ、と思ったのは、若者やフリーターの雇用支援をNPOにやらせることである。このやり方は90年代にイギリスでやりうまくいったので、日本だって本格的にNPOを使えばいい成果を上げると思う。


また、今日の国会の質疑で、自民党の西村さん(この間総裁選挙に立候補した人)が、民主党が子育ての政策をつくるなら、地域で活動しているNPOを活用したらどうかと提案していた。質問された福島大臣は沖縄の普天間基地の県外移転の論旨を述べるので熱心でNPOまで返答がいかなかったが、NPOへ期待し、政治の場でNPOが急に表に出てきた。


社会起業が政治の場の表へ顔を出してきたのはいい兆候である。

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近ごろ、社会の思潮が市場から非市場的なものへ変ってきたように感じるが、その例です。


今年のノーベル経済学賞はインディアナ大学のエリノー・オストロム教授とカリフォルニア大学バークレイ校のオリバー・ウィリアムソン教授でした。オストロム教授に対しては "for her analysis of economic governance, especially the commons"(経済的な統治、特に共同体、の彼女の分析) の貢献です。


オストロム教授はアメリカの共有地をたくさん調べ、共有地から利益を受けている利用者は、受益が長く続くような自主ルールをつくっており、共有地が存続し続けてることを発見しました。


これまでの経済学の考え方は「共有地の悲劇、コモンズの悲劇」で、共有地は生き残れないというものでした。


例えば、放牧の場合、1頭でも多く放牧すると儲かるのでそうします。そうなると共有地を利用してる人が皆同じことをするので草がなくなり放牧地に適さなくなります。そんなわけで共有地でなくなり、結局共有地を個人へ分けて個人所有にしますが、こうなると無理な頭数を増やすことをしなくなり、そうすると自滅するので、放牧地として成り立ちます。この個人へ分けることを近代化といっていたのです。


これが市場経済の考え方です。ところが実際は共有地解体の原因が資源の過剰利用によって自壊したのでなく、人々が共有地を離れたのであって、農村から都市に人口が移った、都市で工場労働者になった、それで共有地の利用者が少なくなり個人の所有になったのです。


しかし存在を続けたところもありました。そこは資源の利用に厳しいルールを設けることで、共有地は維持され「共有地の悲劇」は予想されほど起こらなかったのです。


数年前までの市場経済万能の時代には、非市場的なものを排除し市場的なものに授与してきましたが、それが様変わりになり、オストロム教授のような研究が授賞したのは時代が180度変ったからです。


自民党から民主党に変ったのも同じ思潮に乗った話です。したがって、ノーベル経済学賞についてジャーナリストや経済学者の論評がもっとあってもいいと思ってましたが、ほとんど見かけないのは変なことだと思っていたところ、浜矩子同志社大教授が、毎日新聞(10月25日)のコラム「時代の風」で珍しいことに取り上げてました。こんな論旨です。


「両氏のテーマは極めて今日的、いずれも非市場的なるものの効用を説いている」
「近江商人の三方良し(売り手良し、買い手良し、世間良し)のイメージが頭に浮かんだ」
「利用者による共有地の共同管理の論理は、まさに三方良しの論理だと思う」
「ウィリアムソン氏が唱える組織の効用も、三方良しに通じる。市場の中で解決しようとすると、自分さえ良ければの方向へ走る、その結果誰にとっても最適でない解答に達してしまう、そこで売り手も買い手も同じ組織に取り込んでしまった方が正解、全体感共有しながら、三方丸く収まる解答を探り当てる」
「談合の薦めのように聞こえるが、市場的なるものへのアレルギーが、非市場的なるものへの全肯定につながってはまずい」
「何事にもバランスが必要だ。市場と非市場との間の微妙なバランスをどう見出すか」


これがノーベル経済学賞の今日的評価です。市場経済へ偏りするたことに対する贖罪意識から行われたことでしょう。


地球環境問題解決も非市場的なアプローチに価値を認めたから議論が進んでるんだと思います。


「市場でもない、政府でもない、その間に解答を探ろう」です。社会起業もこれです。そういう点で社会起業は今日的なものです

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iLEAP

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このブログの読者であるiLEAPの岩澤さんからメールでイベント紹介の話があった。


イベントは「自分が変われば、世界も変わる/ソーシャル・イノベーション in シアトル」のプログラム説明会である。
・11月7日(土)10:15~
・地球環境パートナーシップオフィス会議室、渋谷区神宮前5-53-67コスモス青山B2F


iLEAPはシアトルにある人材育成NPOで、日本語サイトはここ

iLEAP代表は山本ブリットさん、社会変革理論の研究者で実践家、アンティオック大学教授(シアトルにある学生1000人ぐらいの大学らしい)、日系4世アメリカ人(立川に米軍がいたときそこで生まれた、父は軍の歯科医)。


ここが来春に社会起業家養成プログラムをやる。
・2010年2月22日(月)~3月19日(金)(26日間)
・於:ワシントン州シアトル市
・定員: 18名
・対象者:社会起業家に興味のある大学生・大学院生・社会人
・申込金:$300、参加費:$2,850(費用に含まれないもの 往復航空券、滞在費)
11月7日の会はこのプログラムの事前説明会。


へぇ、アメリカでは3000ドル、30万円近くとって、NPOがこんな教育をやってるんだと改めて思ったが、日本でこれだけ出す大学生がいるかどうか、春休み短期留学するつもりなら、こういうプログラムは昔からたくさんあります、出すのか。


教育関連の事業は日本でも社会起業家の仕事であると思う。民主党政権がフリーターの再教育をNPOがやるプログラムを政策にしようとしている(自民党もやっていたがもっと大規模にやるのだと思う)ので、そう思うが、これはいい方向だ。


日本でもこんな高い費用のプログラムがNPOでも行われるようになるんでしょうか。そうかも知れませんね。

社会貢献が大ブレイク

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来年、社会貢献ブームになるという説がある。マーケティングの専門家竹井善昭さん(株式会社ソーシャルプランニング代表)がダイヤモンド誌のデジタル版に『来年、大ブレイクの予感も!? 「社会貢献ブーム」を裏付けるこれだけの理由』を書いている。そのサイトはここ

根拠はこうである。ボストン・コンサルティング・グループは、今年、寄付に関する調査をやり、結果はこうなった。

・特定の団体やプログラムに寄付している: 約4%
・近いうちに寄付しようと思っている: 約6%
・良いところがあれば寄付したい: 約40%
・まったく興味がない: 約50%


竹井さんはこれをマーケティング理論の古典「イノベーター理論」にあてはめる。この理論はアメリカのロジャーズ博士がつくったロジャーズの理論として有名である。


モノゴトの流行は、イノベーター>アーリー・アダプター>フォロアー>レイト・フォロアーの順番で伝播していく。新しいモノゴトに真っ先に飛びつくのがイノベーター層、その後、アーリー・アダプター層が受け入れ、フォロアー、レイト・フォロアーと続く。それぞれの層の割合は、
・イノベーター:5%
・アーリー・アダプター:15%
・フォロアー:40%
・レイト・フォロアー:40%
となっている。


「寄付してる」「近いうち寄付する」「良いところがあると寄付したい」の順が、「イノベーター」「アーリー・アダプター」「フォロアー」の順に対応してるというアイディアにより、来年あたり寄付する人の割合が爆発的に増える(寄付フォロアー全盛時代になる)と予想している。


ロジャーズの理論の原典は
・イノベーター(革新者):2.5%
・アーリー・アダプター(オピニオン・リーダー、初期少数採用者):13.5%
・フォロアー(アーリー・マジョリティ、初期多数採用者):34%
・レイト・フォロアー(後期多数採用者):34%
・ラガード(採用遅滞者):16%
の5つに分かれてるが、竹井さんが日本の実情に合わせた数字にしてあり、日本のほうが流行の進みぐあいがはやい。


なるほど、ロジャーズの理論に当てはめるやり方もあるのかと、この着眼点には感心した。


しかしアーリー・アダプターからフォロアーまで行かないで途中で消えてしまった現象もたくさんある。最後まで流行の法則に乗っていた勝者が振り返るとこうなるというのがロジャーズの理論である。


しかし、私も竹井さんがいうように社会貢献活動が大ブレイクするのではないかと思っている。なお、竹井さんは大ブレイクの論拠をロジャーズの理論からだけでなく別の角度からも説いているので上記のサイトで確かめられたし。


そう思うのは、社会起業コンセプトを2000年ごろ発し、以後、日本社会でどう受け入れらるかをみて来たが、予想外に早く社会に浸透してきたことを実感してる。さらに、小泉・竹中流の市場至上主義の思潮から、市場と社会の両方を大事にする社会の思潮に世の流れが変ってきているからである。市場と社会の両立の方がはるかに難しく、挑戦のしがいがあるのだが。


政治的には中道右派から中道左派への転換であるが、昔の左派のように単純に税金をばら蒔くのでなく、創造的なやり方で社会化を進めるので(ゲイツ財団のビルゲイツのように)、政府の役割が小さくなったまま、企業や個人の社会貢献活動が進化し、社会のいろんな問題を解く時代になると思っているからである。


「社会貢献が大ブレイク」という発想には賛成である。

みずほの村市場

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前回、農業で社会起業らしい企業の話しをしたが、今回もそれである。


みずほの村市場は、㈱農業法人みずほがつくば市で経営している農産物直売所で、会社のサイトはここ (素人がつくった素人ぽいサイト、要改善)。

産直の野菜市場は各地にあり、不況にもかかわらず売り上げが伸びてるので、マスコミにはしばしば登場する売れっ子である。産直市場の優等生といったところである。


農家は自分がつくった野菜を市場に持ち込み、自分で値段をつけて並べる。売上げの15%が市場の会社に行き、85%が農家の取り分になるが、市場の年間売上は5億円にもなる。(市場会社が15%も取るとはずいぶん取るもんだと思う。直売所経営はいい商売である)


私が感心したのは、こうした市場は産地直売なので安さを売りにしやすいが、高品質と安全(出店する農家の顔が見える)、新鮮(早朝取ったのを今日売る)を売りにして農協へ売るよりも高く売っている。


高く売るのは農家が再生産できる価格が必要で、その理念を実現している。


農家が売り場に並べた野菜は、長谷川久夫社長みずからチェックし、問題のあるものは撤去し、農家を指導する。こうすることで高品質を維持する。長谷川社長によると、直売所に参加することで「農業生産者から農業経営者へ」変われるという。


農家がじかに消費者の趣向を知り、生産をそれに適応するのも経営者の行動である。


農協に出してると450万円の農家の年収が、この市場を通すと+200万円、650万円になるそうだ。値段が高いことと、中間排除、農協、都市の青果市場、卸、スーパーへ行っていた利益を農家と村市場が取るからである。


この直売所は10年以上もやっており、事業として成り立つ市場はどんなものか考えてきた。最近好調なのは時代の精神がこうしたところを求めてるからで、農業で伸びてるのは社会起業のにおいがする事業である。

株式会社マイファーム の話しであるが、サイトはここ 。京都市中京区にあり、京大農学部を卒業した20才代半ばの 西辻一真さんが07年9月に設立した。本人はソーシャル・ベンチャーを名乗っている。


08年には「 Eticビジネス・コンテスト入賞」「京都ビジネスコンテスト優勝」「 GMOインターネット・ビジネスブラン・グランプリ 特別賞(社会貢献賞)」を授賞し、目下売り出し中、テレビにも時々登場するようになった。


06年ごろ、京都でソーシャル・コミュニティ・ネットワークサイトを運営してる人が来て、アメリカのKivaのようなソーシャル・ビジネスに投資するサイトを作ろうと思うがと相談があった。


そのときはこうしたらとアドバイスしたが、彼はこの話とは別に、京都の南にある耕作放棄農地を対象にして、貸し農園をやる事業の話があり、支援しようと思っていると話していた。


自治体がやっているありふれた市民農園とどう違うか疑問だったが、それがマイファームだった。マイファームのサイトがいかにもプロらしい雰囲気がするのはにはこんなわけがあった。設立間もないが、農業で斬新な事業モデルを開発中で、マスコミの注目をひいた。こういう事業を社会は待っている感じである。


事業モデルは、耕作放棄地をリメイクし(5年もたっていると農地には適さなくなるので、耕しなおし農地化する)、市民農園として貸し出すのが事業である。市がやってる(全国どこでもやっており、それだけでは珍しくない)貸し農園よりも高い賃料だが、それでも顧客がいるのは「畑の管理人」(プロの農民)が指導や管理(休日でないウィークデイの管理)をしているからで、素人に貸しっぱなしにしないで丁寧にめんどうを見るのがここの特色である。


耕作放棄農地は都市近郊に多く、借り手も都市にいるが、それを結びつけた。この二つはこれから増える。そこへ農業指導という付加価値をつけ、素人に農園をやらせたのがミソである。


マイファームは3つの行動指針を掲げており、「安全」(農産物の安全)「自然」(自然との調和)「利他」(社会全体の利益を優先)、これに従い、まず耕作放棄農地を稼動させる事業モデルを始めた。


耕作放棄地問題のほか、農業には限界集落問題、農家経営圧迫問題を、土壌汚染問題、スローライフ・安心安全な作物などたくさんの問題があり、これを解決する事業を開発する。


まさに社会起業のモデル開発である。


貸し農園は2年目で50件を見込んでいたが、半分の実績(6ha)にとどまった。そうなったのは地元の農業委員会で賃借する許可を取らなくてはいけないが、農村に入ってくる人が共同体ルールを守るかどうかを気にして、賃貸をなかなか許可しない。だから事業拡大のスピードは遅い。


農業委員会はそこの農民で構成するが、荒れ果てた耕地を活用したい気持ちがあっても、共同体のルールが乱される心配から、なかなか許可しないのは自然なことで、農村社会は保守的で時代適応していないと簡単に非難はできない。


今年のノーベル経済学賞はインディアナ大学のエリノー・オストロム教授だった。私は教授の論文を読んだことがないが(アマゾンで教授の翻訳本を検索すると、ありませんと出てくる)、解説によると、共同体には「共有地の悲劇」(共有地の牧草地で羊を飼うと、個人は出来るだけおおくの羊を放牧するので、食べる草がなくなり放牧できなくなること、市場の失敗に近いことが起こる)が起こり、資源枯渇を防ぐために政府が関与しなくてはいけない常識があったが、エリノー・オストロム教授は、利得者はコモンの独自ルールをつくりこれでうまくやっている例がたくさなあることを発見した。


市場でもない(自由競争)、政府(規制)でもないのどちらでもないモノが真理だという例で、ここは社会起業の精神に似ている。古く時代遅れと見えた農村社会のルールにも合理性があると発見した人を誉めるのは、いかにも09年の時代精神だと感心した。


こんなわけで事業モデルが広がるには時間がかかるが、明るい話もある。テレビのドキュメント番組で賃貸に反対していた農業委員会の委員長は、西辻一真さんを自宅に呼び話を聞き、反対してるばかりでなく、前に進んでみようと、自分の果樹園の管理を西辻さんに委託する話しで終わっていた。


これはレンタルファームというわけにはいかないので、西辻さんはまた新事業モデルを開発しなくてはいけないが、こういうのが楽しい仕事である。


農業では、今は事業モデルが開発しやすい状態(ITやネットよりもずっと容易だろう)にあるので、こんなことがマスコミでも話題になる。

今、社会には仕事がない。「教育投資をやれ、職業教育をやれ、再教育だ」と、経済学者、評論家、ジャーナリストは異口同音に言っているが、さて、具体的にどんな教育なのか、これがない。


実は、それに確たるものがないので、発言できない。これから伸びる職業はまだ世の中に存在せず見えないからである。


健康・医療・福祉、グリーン産業あたりがその場所であり、介護士、薬剤師、風力や太陽光のグリーン電力装置の製造とその設置工事、そのメインテナンスなどが浮かぶ。もうゲームソフト、アニメ、コンピュータ。。。ではないだろう。


そう思っていたところ、昨日、「卒業生が100%就職する学校」とテレビ番組にあったので見た。モード学園のことで、谷学長(創業者)が一代記を語ってたが、未来の職業をいち早く発見し教育してるのでなく、期待はずれだった。


モード学園は昨秋、新宿駅近くに斬新な卵形の高層校舎を建てて話題になったが(谷学長は借金でなく自己資金で建てたのであんな斬新なものが出来たと語っていたが、15,000人の生徒から一人年100数十万円もとり、年200億円近い授業料があるので出来る)、テレビが取り上げたのは、この就職難の時代に100%就職するなんて珍しいからだ。


モード学園は1966年に名古屋でファッション・デザイナー教育で始まった。この頃は既製服が欧米を真似た「安かろう、悪かろう」だったので、これを変えるために自分で考えるデザイナーの養成を始めた。


谷学長のお母さんが洋裁学校をやっていたので、大学卒業後そこを手伝ったが、そんな縁でデザイナー養成学校を思いついたのだが、友人などの周りの人の98%は事業が成功するとは思っておらず、賛成したのは母親と弟だけだった。


みんな成功しないと思っていたので、これならライバルの参入がないと思って始めたが、時代の変化にぴったりで挑戦は成功した。


以後、コンビュータ時代が到来する直前の84年にコンビュータ技術者の養成に乗り出し、2000年には看護士の教育(看護婦の学校でなく男の看護士や救命士づくり)に乗り出し、これが現在3本柱になっている。


モード学園は、時代の流れとしては必要だが、まだなかった職業人を誰よりも早く養成したので、社会が待ってましたとばかりに受け入れて、成長してきた。


ただ、現在就職率が100%なのは、「ファッション・デザイナー、コンピュータ技術者、看護士」は、今では時代が待っている職業人ではなく、なみの職業なので、これまでのような先見性ではなく、就職率が100%なのは、過去のブランド(即戦力ですぐ役立つと評判)のせいや、就社(ブランド企業)でなく、就職(自分に合った仕事)に徹して就職先を選ぶような丁寧な就職指導が行われているからである。


画面に現れた学生と就職指導部の会話を見ると、高望みをせず、身の丈にあった仕事を選ぶなら、今でも職はあることを思わせる。


この番組を見ていて、66年のファッション、84年のコンピュータ、2000年の看護士は、現在は何なんだろう、まだないが、社会が必要としている仕事は何なんだろうと考えた。


こういう問題は、成長産業は何か、そこにはどんな職業が予想されているのか、を考えることである。大雑把に言うと、初めのほうに書いた分野であるが、社会性の強い職業、高い倫理観が必要なの職業、社会起業が新しい職業を生むのではないかと思う。


社会起業をこういう観点から見ると、社会起業は今の時代、価値あるものだとわかる

マニフェスト印籠説

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印籠とは水戸黄門の印籠こと、これに金科玉条にして、マニフェストに書いてあることは文句なく実現できるという考え方、マニフェスト原理主義者、信奉者がそう考えている。


この説に疑問があり、マニフェストを鵜呑みにすると思わぬ反撃に合うのでは。


高速道無料化は世論調査で6割以上が反対している、民主党が選挙に勝ったのは自民党が失敗したせいで、民主党のマニフェストのせいでないと思われるからである。


マニフェストにはいろんなことが書いてあるので、それ全部について国民の過半が賛成していることなんてありえない。


そこで世論の動向(世論の動向でマニフェストをつくってない)や実現できるかどうか、のっけたが再考して先送りするもの、やめるものなど仕分けし、しっかりと説明することが必要である。


官僚政治を破壊するのは国民の多数が賛成だろうが、生活に関することは賛否両論、世論の動向を見極めて柔軟に対処しなくてはならない。


前政権の延長ではいけないし、間違ったやりすぎもだめ、この辺りの舵取りはそれぞれ大臣が取れあえずやるのだろうが、マニフェスト教条主義にならないのがいいのだろうと思う。

昨日、長妻厚生労働相が菅国家戦略担当大臣、直嶋経済産業相と会い、緊急雇用対策を話し合い、長期対策として社会保障分野、例えば介護には人手不足があるので、での雇用を増やす計画を年度内につくることで合意しました。


労働と医療・福祉の両方とも長妻さんの担当ですので不思議ないのですが、私はこの話を聞いたとき、「厚労相が成長産業戦略をつくるんだ、そんな時代になってるんだ」と思いました。


アメリカの経済学者クルーグマンは今春、アメリカの戦略産業は医療・福祉だといいました。もう金融、IT、ネットではない、これからは医療や福祉だと言うのです。公共サービスだったものを官民で新しく作り変える斬新な見方です。


またオバマ大統領は自然エネルギーを使うグリーン産業が戦略産業だといい、これも間違いではないのですが、いづれも過去の戦略産業と姿が違うのが共通してます。


自民党は今年の3月に成長産業戦略を経済産業省が中心となりつくりました。要点はこうですが古い臭いがし、ぼけて聞こえます。


・最大60兆円の需要創出、最大200万人の雇用創出を目標に3分野へ重点投資


・低炭素革命
低公害車へ補助金を出したり、省エネ家電への補助(すでに実施済み)、公立小中高校の約3万7000校に3年間で太陽光発電を完備(ここへの投資は民主党政権で児童手当や教育費無料化にばけてしまいました)


・健康長寿
駅のバリアフリー化、新生児集中治療室、救命救急センターの拡充


・底力発揮
コンテンツ産業の輸出額を現在の10倍の2.5兆円に、海外からの観光客の利便性向上


自民党は、この成長戦略に、高速道路や新幹線の着工前倒しなど従来型の公共工事などを加えた追加経済対策を考えてましたが旧来の考え方です。


私は医療・福祉もグリーン産業も、社会起業だと認識を新たにして参入しないとうまくいかないと思ってますが、この辺りでもこれからの成長企業の姿が過去とは変ってきます。


社会起業になる理由は、公共サービスだったり公益サービスだったりしたものが、税収がない、問題解決の知恵がない、スピードがないなど、産業の置き場所を公共経済から市場経済に置き変え、民間の資金や知恵を使い、市場経済の速いスピードに乗って進めるからです。この場合、これまでよりも経営者の倫理が一層必要になりますが、そうした感覚は事業をやって行けば自然に身に付いてくるものです。そうならなければ、うまく行かないんですから。


また経済産業相が成長産業ビジョンをつくらず厚労相がつくるのも、日本もそんな時代になってるんだと思います。長妻さんは、雇用の場をつくってるので、成長産業戦略をつくってるんだという感覚は希薄なんだろうと思いますが、長期の視点で雇用をつくることを考えるのは成長産業戦略を考えることなのです。


2000年ごろイギリスでは文化省の閣外相が委員長になり、クリエイティブ産業をイギリスの主力産業にする産業ビジョンを策定する委員会をつくりました。イギリスが21世紀にはEUで知識産業では先端をはしり、そこでリーダーになるんだという思いがありました。


想定した産業は、コンピューターソフト、映像、マスコミ、デザイン(ファッション、工業製品、建築、経営。。。)どれもソフトな産業なので、テレビ・プロデューサーとして有名で、そのために文化担当大臣となった人が委員長となって成長産業ビジョンをつくったのです。


こんな例があるので長妻さんが成長産業戦略をつくるのは不思議なことではありません。ここに新政権の新しさがあります