TerraPass customers

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このブログの07.3.19で、TerraPass について書きました。この会社はビジネススクールの卒業生が始めたベンチャービジネスで、排出権取引を個人向けに販売している会社です。


通常排出権取引は国家や企業間で行う卸取引ですが、担当教授から個人間取引もあってよい、ビジネスモデルを考えてみよといわれてはじめた事業です。


排出権取引の世界第一号だと思いブログで紹介しましたが、その後どうなってるだろうかと1年数ヶ月ぶりにサイトを見てみましたが、いろんなことをはじめてるので驚きました。


個人の消費活動で自動車、航空機、家庭の電気などカーボンを排出している消費がありますが、その量を個人毎に試算して、それを打ち消す排出権を個人が購入する仕掛ができてました。


サイトには carbon footprint calculator(炭酸ガスを排出した足跡を計算する計算器ぐらいの意味) があり、ドライブ、飛行機旅行、家庭、イベントなどの個人の活動をインプットすると排出した量が出てきます。


次にそれを相殺するカーボン・オフセットのページに移り、ドライブでこのくらい走ったら30ドルで相殺できる、このカネは風力発電、ソーラー発電のようなクリーンエネルギーに投資されて相殺する、となります。


自動車走行なら消費者は30ドルから50ドルぐらいを支出すれば相殺できる勘定になってます。カリキュレーターのサイトはここ


さらにグリーン・ストアがあります。


省水シャワーヘッド、リチャージャブル・バッテリー、スマート・ストリップ(電気のコンセントでPCをつけっぱなしにしてると自動的に電気を切ってくれるコンセント)などですが、日本では出会わない商品なのでよくわからない商品も並んでます。


テラパス社の顧客は TerraPass customers と呼んでいるようですが、こんな顧客が登場しているのです。


地球温暖化防止策では炭素税がありますが、排出権取引を個人間に広げるのもありです。あまり議論されていない問題ですが、日本でもきっと議論されるときが来て、いろんなビジネスモデルが開発される時代が訪れるのではないかと思います。

グリーンプロダクトの販売サイト です。
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価値創造型CSR

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経済同友会の07年度社会的責任経営委員会(委員長高橋温住友信託銀行会長)の報告書の題名が「価値創造型CSRによる社会変革」です。報告書のサイトはここ


報告書にはこうあります。
「最近続出する偽装問題をはじめとする企業不祥事を、我々は決して看過できない」


「M.ポーター教授は、健全な企業は健全な社会を必要としていると説いた。。。。健全な企業が、健全な市場を創出し、健全な社会を実現するという目標を掲げ、企業が能動的に行動することが社会との調和を図る上で、有力な手段であると確信する」


「これは社会変革(ソーシャル・イノベーション)を目指した企業経営者の挑戦である」


「企業は本来の事業活動の中で、すでに社会的価値を創造しているとも言えるが、これからはそこに留まるだけでなく、企業からの発想を超えて真正面から社会に目を見開き、よりよい社会を目指して価値を創造しようとする志を共有すべきである」


「今後、社会性を備えた人材を擁していることは、企業経営にとって重要な競争力の源泉になる可能性が大きい。。。。幅広い視野と感受性による他社との差異性(付加価値化)、柔軟性と即応性が重要な要素となるだろう。したがって、社会性を兼ね備えた人材が時代の要請に応える役割を担う可能性は極めて大きいと考える」


ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が06年12月に書いた「戦略と経営」の論文については、このブログの07年5月11日号で「”戦略と社会”がマッキンゼー賞金賞になったわけ」で既に書いてますが、同友会の価値創造CSRはそれに習ったものだろうと思います。


価値創造型CSRとは企業価値と社会価値を同時に実現するCSRのことで、次世代型のCSR活動ですが、受動的なCSRを能動的ものに変えるべきだという提言は画期的なものです。


ポーター教授の提唱から1年半がたっており、ちょっと遅い感じがしますが、日本企業は新しいところへ移動するのに普通3年ぐらい満を持しているのに比べ半分の時間ですから、がんばってるほうなんでしょう。


最近起こる企業の不祥事事件をみていると、企業は社会から遠くに離れてしまったことを実感します。


こうしたことは簡単には治らない。産地偽装の利益よりも損失の方を大きくする、罰則の強化は次の国会で通過しそうですが、企業社会の精神を根っこから変えないと絶滅というわけにはいきません。


そこで企業と社会の新しい関係をつくりだすコンセプト、精神が必要になりますが、価値創造CSRがそれです。


まず大企業のCSRが在来の旧世代のものから価値創造型の新型に早く転換し、それがすそ広く中堅企業や中小企業にまで及んで欲しい、そのために大企業は今年から価値創造CSRを開始し、世に範をたれて欲しいと思います

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今日、橋下大阪府知事が自民党本部に呼ばれて、大阪府のリストラの話をしたことをTVニュースでやってました。「府の職員が自らリストラの範をたれなくては府民の同意は得られないと思い人件費のカットをやりました」と語ってました。


聞いた自民党幹部は「国でも全く同じで、徹底したリストラをやった後でないと消費税の引き上げなどできないと実感した」と感想を述べてました。


橋下知事の話は自民党議員の心を突いたようです。


6月中旬、大阪府の橋下知事と職員の話し合いで職員が人件費削減案に男性職員が知事に不満を訴えのに対し、橋下知事は「私のやり方があなたの意に沿わなければ、職を変えて下さって結構です」と反論しました。


これもテレビで放映されてましたが、見た人はその通りと思ったことでしょう。


橋下知事はテレビや新聞を使うのになれてますが、役人のリストラは皆賛成してることなので、報道を見れば誰でも賛成します。


市民が賛成しそうなことをマスコミで見せている、ここが巧みです。


橋下知事が始めたことは他の知事にも急速に広がるでしょう。橋下効果で地方自治は面白くなってきました。


企業の方が先にリストラが済んでますが、現在企業がやってることは新製品開発や市場の開発に投資を増やしてます。


自治体も同じです。数年リストラが続きますが、その後時代に合った市民サービスを創造するようになりますが、このときが社会起業家が活躍できるときです。


いいトレンドになってきました

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殺人予告サイト

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秋葉原の通り魔事件を受けて、政府はネットに投稿されている殺人予告メールを検索し、見つけたら警察に通報し、予防するソフトをつくるために来年度予算を計上して、2010年度からスタートすることを発表しました。


官僚はまだこんな感覚なのかあきれました。


これに関しテレビニュースで既に実験的に殺人予告サイトをつくった20才代のプログラマーの試みを紹介してました。


彼は殺人予告をしている記事を検索してそれを集めたサイトをつくりました。つくってみて驚いたのは同様なことをやっている人がいたことでした。


彼は、実験的な試みで完全なものではないが、まともなサイトをつくるには2ヶ月、開発費はゼロでできるといってます。


すでに殺人予告サイトを見つけて警察に届け出て、軽犯罪法でつかまった例が新聞に何件か報道されてましたが、こういうことをみると見つけることは容易にできることです。


こういうことは民間、NPOのような活動に任せておけばいいことで、政府のやることではありません。カネを使うならこうしたNPOの支援に使うことです。


なんでもかんでも官僚は自分でやらなくては気がすまないのはもう時代遅れです。この時代後れ感がまた噴出したことには驚いてしましました。


こんなことは官僚の中でもわかってる人はおり、それでも予算を取ってやるとうのは何は別の狙いがあるんだと勘ぐりたくなります。


アメリカには「Intellipedia」というサイトがあります。


CIA、FBIなどの情報機関が縦割りで情報が横につながらない、そこで情報分析者同士で情報を流通させることを狙って06年4月から運用してますが、情報機関版のウィキペディア版です。


入りこむには特別なパスワードがなくては入れませんが、利用してるのは若い世代らしく、思ったほどの効果はないようです


日本でもこんなことを狙ってるんでしょうか。


来年消費者庁ができる、それならいんちき商品の告発サイトをつくり、市民の力でいんちき商品を撲滅することをやったほうがよっぽどいい。


ネットや市民セクターの力を使い、解決がよういでない社会問題を解決する策を考えたらいいのにと思います。今はそんな時代です。

ボノの続き

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私は週に一度大学で社会起業を教えてますが、最近のトッピクスで先週のアフリカ会議に参加したボノを話題にしてビデオを見せました。


それが、これ 、と、あれ


両方ともにいい楽曲ですが、前者はボノがザ・コアーズのライブに参加したビデオで、When the Stars go blue を合唱してます。ボノは一輪の黄色のバラを持って登場し、コアーズにプレゼントしてから歌いはじめます。しゃれてます。


ザ・コアーズはアリルランド出身の世界的なヒットをとばしているフォーク・ロックバンドです。ボノもアイルランド出身なので同郷で、それで競演してるんでしょう。


終わりのほうで興奮した観客がアイルランドの国旗を振っている場面が出てきますが2人は郷土の誇りです。


アイルランドは70年代までは農業国で欧州の中で最貧国でしたが、80年代からソフト産業立国政策をすすめてここに投資を集中しました。農業投資をやめたのがえらい。


これが90年代に入り成果をあげ成長率は10%をこえ、現在では一人当たりGDPはEUの2位、世界で4位とEUの中で優等生になりました。


そのことと世界的なロック歌手が2人も出てきたのとは因果関係はありませんが、相関関係はありそうな感じです。経済が好調なら国民にはエネルギーが湧きます。また音楽はソフトビジネスなんですから。


後者はボノの貧困撲滅闘争キャンペーンのプロモーションビデオ Bono Fights Poverty ですが、大変よいできで見れば感動します。元気が出てきますので元気のない人におすすめです。


どちらのビデオでもボノはかっこよい、貧困撲滅闘争は暗い話しなので、このくらいかっこよくやらないといけません。


どちらもユーチュブで探したものですが、こうしたものを見せれば学生の脳に強烈な印象を焼き付けることができます。数年後ボノがノーベル平和賞をもらったとき ?、あぁ、あのとき大学の授業でビデオを見たなと思い出してくれるといいんですが。


私はアメリカの社会起業のケーススタディを教えるとき、創業者の社会起業家が語っている数分のビデオとHPサイトを探して見せます。この種のビデオはユーチュブにたくさん投稿されてますので探すのは容易です。


学生は英語がわかららず言ってることは理解できないかもしれませんが、顔つきとか雰囲気はわかる、映像が発信する情報で生徒の脳は刺激されてると思って続けてます。


ボノやほかの社会起業家を脳に焼き付け忘れないで気にし続けて欲しいと願ってのことです。


ネットの時代ですから大学の授業もネットをふんだんに使わなくてはいけないとやってるんです

ボノのアフリカ経済開発

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昨日、NHKBS1夜7:00~9:00まで横浜のアフリカ開発会議の参加者がNHKに場所を移し討論会をやってました。


出席者はJICAの緒方貞子さん、ボノ、ぜーリック世銀総裁、あとアフリカ連盟の議長、ナイジェリアのNPO代表などでした。


今回のアフリカ開発会議ではアフリカの経済成長がメインテーマで、アジアで成功したような経済開発をアフリカでもやりたい、政府援助で空港、港湾、道路などをつくり、地下資源が豊富なので民間から資金と技術を投資すれば加工産業が育ち、経済成長路線に乗せることができるというのは、過去の固定観念をこえ新しい世代の開発に入ったことを思わせます。


アジアの成功の跡を追うというのもそんな時代になっているんだと知りました。


この討論会ではボノの存在が際立ってみえました。彼はアフリカのことをよく知っていると評判ですがなるほどそうで、こんな発言をしてました。


・従来の支援の手はもういらない
・過去の支援は相手を間違えていた、支援してもスイスに口座を開くような指導者だったがこれではだめだ
・私はアイルランド出身だが、今やEUで最も所得に高い地域にかわった、このやり方はアフリカにも通じる、アフリカだって経済成長は可能だ


(70年代まではアイルランドは農業国でEUの最後進地域でお荷物だった、80年代から情報産業などへの投資を増やし経済成長に成功)


(番組では南アフリカの右上にあるレソト王国の縫製産業の成功を紹介、GAPの製品を縫製している場面があった)


・この縫製工場は私も支援しておりよく知っている、私の妻がデザインしたもの(ボノの奥さんはデザイナーなんだ)はここで生産している


(ゼーリック世銀総裁は、アメリカはレソトからの輸入品に優遇関税を課しアメリカからの縫製加工が増えているとコメント)


(この工場従業員の4割はエイズ患者、会社がNPOをつくりエイズにかかった従業員をケア)


・私はこのNPOにもかかわっている、一日2錠の薬を飲めば発症をおくらせることができる、必要なのは薬を買うカネだ


ボノの発言にはリアリティーがありました。日本側の商社から出席していた幹部が、ビジネスで投資するので利益がなくては投資は続かないと学者や評論家がいうような陳腐なことをいっていたのとくらべて、ロック歌手の方がよほど的を獲ていたのは奇妙な感じで主客逆転です。


ただ貧困撲滅を叫んでいるだけでなく具体的な事業にかかわってるからでしょう。


討論会の最後の総括はボノが締めくくりましたが、ボノの存在感が大きく見えました。