アフリカ開発会議

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TICAD4が横浜で開催されており、来日したユニセフ(国際連合児童基金)のアン・マーガレット・ヴェネマン(前アメリカ農務長官)がNHKのインタビューに登場し、


・5才未満の子供950万人が感染症で死んでいいる(うちアフリカは500万人)
・先行したプロジェクトではワクチンや薬を戦略的に投与すると40%減らせることがわかった
・投資を集中的に行い、システマティックに進めればいい


というようなことを発言してました。


2000年代に入り、ゲイツ財団などが実際に起業家の手法で感染症撲滅事業をやってきましたが、撲滅の道筋が見えてきたのでユニセフはそれをやるというのす。


ゲイツの先端的な挑戦が問題解決の手法を発見し、国連機関にも影響を及ぼし大規模な事業が始まるんだと思ったです。


社会起業家が創造した問題解決策が世界の制度になる一番初めての例ではないのでしょうか

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社会起業の勉強法

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前回、Ashokaのビル・ドレイトンのインタビューを話題にしましたが、toshippe さんからこんなコメントをいただきました。


「今は会社員ですが将来社会起業家として独立したい意向をもっております。
というものの’社会起業家’の定義がきちんと理解できておりません。定義を理
解するために参考になるような情報があればお教えください(本、ブログなど)」


こういう人が増えてきましたが、いい傾向です。定義がわからないと動けないのではいけませんので、雰囲気を感じとり、近い現象によってみるのがおすすめです。


本はこんなところ。
「社会起業家」町田洋次(PHP新書、660円)
「社会起業家」斉藤槇(岩波新書)
「チェンジメーカー、社会起業家が世の中を変える」渡邊奈々(日経BP社、1680円)
「社会を変えるを仕事にする」駒崎弘樹(英治出版、1400円)
「世界を変える人たち」デービット・ボーンステイン(ダイヤモンド社、1800円)
「マイクロソフトでは出会えなかった転職」ジョン・ウッド(ランダムハウス講談社、1600円)
「世界を変える80人」シルヴァン・ダルニル、マチュー・ルルー「日経BP、1600円)
「ムハマド・ユヌス自伝」(早川書房)
「グラミフォンという奇跡」ニコラス・サリバン(英治出版)


最近は社会起業についていい本が出る時代になりラッキーです。


HPとブログは、グーグルで「社会起業家」で検索するとたくさんのページが出てきます。ちらちらとサイトをながめ、自分のあったものをお気に入りに登録し、ときどき読むといいでしょう。


それよりもおすすめは、これ 、と、これ


前者はAshokaの紹介ビデオで「パブリックのイノベーター」11分、創業者のビル・ドレイトンも登場します。


後者はスコール財団の「2007スコール・ワールドフォーラム、スコール賞授与式」のビデオで約10分、スコールが社会起業家についてスピーチしてます。スコールの英語はきれいでわかりやすい。


実は、ユーチュブには社会起業に関するビデオがたくさんアップロードされており、私はこれを使いアメリカの様子を探索してます。昔ならアメリカ旅行ですが今はそんな必要は全くない、ネットでほとんどたります。


今年1月末にあったダボス会議の社会起業に関する討論会の様子もありました。人間の尊厳をたもつためにチャイティではだめだ、自立させるようなことが必要と熱く議論してます。


これは日本ではこれがなく残念、活動を世間に知ってもらうにはいいのですが、ネット社会はまだ熟してないんです。そのうち増えると思いますが。


そんなわけで今のところ英語のビデオしかありませんが、英語が下手でも雰囲気は伝わってきます。英語の勉強にもなりますから、ユーチュブを使い、事業名や個人名を打って検索し、勉強を重ねてください。

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先週土曜日の夜、NHKBS1の未来をひらくシリーズで金子郁容慶大教授がワシントンンD.Cのアショカオフィスを訪問し、ドレイトンにインタビューする番組をやってました。


ドレイトンが語っていたことで、私が、おゃ、そうなのかと驚いたのはつぎの点です。

「アショカ30年の経験から(アショカは80年に設立)、市民セクターが成長し新しい発想で社会問題を解決する方法によって、社会が変るという大変化はまもなく雪崩をつって起こる」

現在は社会起業家が起こす大変化目前にいるという感覚は共感できますが、アメリカはもうそんな先に行ってしまったのかと驚きました。

「アショカフェロー62カ国2000人の半分は5年後立法する力をもつ」

これも自信満々の発言ですが、アショカは前からアショカフェローが起こした事業がそれぞれの国で制度になる願いを持っており、それが実現しそうだという頼もしい発言です。

「ハーバード大Bスクールで一番多く学生が集まるのは今や社会起業家講座だ」
「市民セイクターの事業では給料が上がってきたので就職希望者が多くなった」

就職する大学生の希望ベスト10の就職先に社会起業をやっている事業が最近入ったと番組でコメントしてましたが、社会起業に勢いが出てきたことを思わせます。

ドレイトンがお手本としてあげていたのが次の4つです。

・David Green の Aurolab社
インドで1000万人の白内障失明者の手術をするために安いレンズ(300ドルが4ドル、原価1ドル)を開発して失明をなくし、働く力を取り戻す事業。

・J.B.Schraum、College Sumitt、ワシントンDC
アメリカ国内で最初にアショカフェローになった(2000年)、親が大学に行っていない家庭の子供を大学へ行かせる事業、教育はアショカフェローの一大分野ですがその中でも代表的な事例なのです。

・Rodrigo Baggio
CDI-Committee for Democracy in Information Technology
http://www.ashoka.org/node/3396


ブラジルで低所得地域の子供にPC教室を開いてPCを教えて働く力を身につける。ブラジルにはアショカフェローがたくさんいますがその代表です。

・Mary Gordon、Roots of Empathy
小学校に赤ん坊をつれてきて、一緒に遊ぶことで情緒を育てる事業、暴力を受けた子供が大人になって暴力をふるうことをなくす。

ドレイトンは社会起業家の条件として4つ上げてました。
1、問題解決の創造性
2,アイディアのある起業家精神
3,影響力、真似される、チェンジメーカーのお手本になる
4,道徳性、人をひきつける、協力したい気持ちを起こさせる

1から3はその通りですが、4,が意外です。

ドレイトンは道徳性の例として上記の3番目にあるロドリコ・バッジョ(写真の人)の例を上げてました。

彼は90年代の半ばにワシントンD.Cに来たとき、おぼつかない英語を話し、国際開発銀行を訪れ余ってるPCをくれと申し出て銀行は快諾、ブラジル空軍にそれを運んでくれと頼みこれも実現、彼はそのくらい会った人に道徳性を感じさせることができる人物で、社会起業家には必須だというのです。

ロドリコ・バッジョはリオデジャネイロに生まれ、父が情報会社の幹部をやってたので11才からPCに親しみ13才のときに自分のPCを持っていた。同じ時期地域の教会の活動に加わり、ストリート・チルドレンをサポートする活動を他の地域の教会と連携してやってました。高校と大学、リオデジャネイロ連邦大学で社会科学を学んでましたが、では組織運営術を磨き、公正な社会とPCを結びつけることに興味を集中しました。

こんな10代のキャリアだったので、現在の社会起業を起こすことは自然だったのです。


ドレイトンがあげている道徳性とは、普通使っているのとは違い人を共感させる力のことです。これなら社会起業家に必要な資質です。

最後の方で金子教授は、日本では大学生は豊かなのでなかなか社会起業に向かわないと話したところ、ドレイトンはそれでは社会を変えることはできない、日本は次の社会に行けないと答えてましたが、寂しくなる答えです。

アメリカに比べて日本の社会起業はまだ起こったばかりで社会に大きな影響力を与えるところまで行っておらずに、社会の主役になるのはもっと先のことです。

私は2000年ごろから日本で起った社会起業のトレンドを見てきましたが、一過性に終わって消えるのでなく、いい線行っている、このまま進めばいいぞ、と思ってます。

日本だってドレイトンが言うような大きな変化は起こります。



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今日の新聞にこれがでてます。新聞では財務省が認めるわけがないだろうという論調ですがそうでしょう。


この数を教育振興基本計画に盛り込み、2011年度から始まる小学校英語の専門教師に約2400人、理数系を中心とした少人数指導の要員に約8800人をあてるそうです。


新指導要領で授業時間が増えることに対応するためですが相変わらずに昔のやり方であきれました。


5月7日にタイム誌08年世界を変える100人に選定されたTeach for America のウエンディ・コップを話題にしましたが、この事業は低所得地域の子供1300万人をしっかりと教育しカレッジに送るための若手教師部隊を送る非営利です。


この関連のビデオをユーチュブで検索すると3500以上ものサイトが出てきて、全米で活発な活動をやっていることがわかります。


見ると教師も子供も楽しそう、なかにはこんなに成果をあげてるんだと強調した宣伝くさいものもありますが、盛り上がった事業なのは実感できました。


教員が足りない、でも財源もない、知恵を出して突破策を考えよ、が文科省が今突きつけられている問題ですが、タイム誌で顕彰されたばかりの先端事例が目の前にあるんですから、同じようにできないかとなぜ考えないんだろうかと不思議です。


官僚も審議会の委員も知恵なし、世のトレンドの先端を見てないんです。


財務省がタイム誌の100人に学べぐらいのことを逆提案して、一緒に新しいやり方の開発に挑戦したらどうでしょうか。


そうすればジャーナリストも世論も盛り上がり面白くなるのにと思います。

タイム誌「世界に影響を与える100人」のうち社会起業家 Larry Brilliant(グーグルオルグのエグゼクティブ・ディレクター)と Wendy Kopp(Teach for America の創設者)の2人はこのブログの5月3日と7日に話題にしましたが、2人をユーチュブで検索しビデオが投稿されてないか探してみました。


ありました。Larry Brilliant のサイトはここで 137件のビデオが出てきました。Wendy Kopp のサイトはここで 6件のビデオがあります。Teach for America のビデオサイトは3500もあり、全米各地でこの事業が広がっていることを思わせすごい。

ビデオはTVのドギュメンタリー番組や講演会でのスピーチです。Larry Brilliant については昨年スコール財団がオックスフォード大学でやったフォーラムでの長い講演があります。Wendy Kopp については94年にハーバード大学でやったグレイマン財団の市民活動賞の授賞式の様子がありました。ずいぶん前ですがタイム誌の100人に選定されたので最近投稿されたものです。またグーグルの社員の女性集会に呼ばれて話しているところもあります。こんなことをやってるのでグーグルの社員が支援することになる。


投稿してるのは番組をつくったテレビのディレクターだったり、会合を主催した団体です。短いもので数分、長いのは数十分もあります。こういうのを見ると両人の思想や哲学がよくわかります。


グーグル・オルグについても検索してみましたが63件のビデオが出てきました。グーグルが投稿したものが多く、地球温暖化、AID撲滅、プラグイン車についての討論会やセミナーの様子です。グーグルの若い創業者ラリー・ペイジとサージェリー・ブリンが登壇し、地球温暖化について自説を述べてますが、宇宙から見た夜の地球儀で明るい所を示し、東京は特に明るく輝いているとエネルギーの無駄つかいを非難してます。


アメリカの社会起業ではこんなことが普通に行われてますが、日本ではまだこれがない。日本の例をユーチュブで検索しましたがほとんどない。


事業の始まりは社会起業にかぎらず小さく他の人には見えません。そのうち新聞、テレビ、雑誌に取り上げられて世間の人は知ることになりますが、こんな幸運はまれです。


ビジネスデザインがどんなに優れていても始まりはこうで無視される。


ホームページで告知してもそれだけではまだ弱い、そこで活動の様子をビデオにしてユーチュブに投稿する、ネットワークを使って攻撃的な広報作戦をやる、社会起業にかんする会合はずいぶん行われるようになってきてるんですから、ビデオにおさめてユーチュブに投稿するとよい、そうすれば思いは広がります。


ビデオは普及してるので足りないのは撮影技術の初歩とか編集術ですが、これは少し学べばよい、ユーチュブに投稿するのは簡単、ないのは活動をビデオにしてユーチュブに投稿するという発想です。


社会起業の中心にいる経営者、テレビの番組制作者、会合の主催者が心得るべきことで、日本でもさっそくやって欲しい、そうすればネットワーク時代なんですからコンセプトや思想は広がり支援者はあらわれます。


難しいことでないので明日からでもやって欲しいことです。

夕張市の再建

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夕張市が財政破綻し、こうした所では社会起業が起こると注目してみてますが、夕張市立総合病院を引継いだ医療法人財団夕張希望の杜(市立病院の一部を借りて19床の夕張市立診療所と40名の老人介護施設を公設民営で経営している)の活動を医療法人の関係者が書いているメルマガがあります。


登録サイトはここ 、まぐまぐのメルマガですが、登録した人に送られてくる広告サイト付きのメルマガでわずらわしい感じがしますが、広告費の一部がこの病院のものになるので、そこは我慢して読んでます。


最近の状況をこんなぐあいです。


市との病院支援の会合に出た女性の理学療法士の感想は、
・夕張市はリハビリテーションに乗れずにいる人のようで、失ったものをいつまでも忘れることができず、昔はこうだったんだ!と、そのために立ち直るきっかけをつかめない。


・そうこうしているうちに時が過ぎて、状態はさらに悪くなり、このままでは生きて行けないところまで落ちてしまう。


まだ市役所はそんな状態のようです。有能な人から先に転職し、市に残ったのは改革などできない連中なのかなという感じです。


彼女のように再建しようと思っている人には腹立たしいことです。


佐藤事務局長の感想はちょっと明るく、
・住民に地域医療・地域福祉の問題を自分の問題として捉え、積極的に関与しようとする動きが出てきた。


・わがセンターを支える後援会組織が設立準備段階にあり、地域の資源としてセンターを守ろうという署名活動が自然発生的に生まれている。


・藤倉夕張市長も高橋北海道知事も支援を公言するようになった。


・医療資源の浪費を抑えるために、救急車の適正使用を繰り返し住民に訴えたら、時間外の軽症患者の受診(コンビニ受診)が激減し、救急車の出動回数は以前は年間800-900回だったが、1年間で100件以上減少した。


・インターネットで医師を募集したら、募集2名に対して13名もの応募があり、10名以上の医師を断る結果となった。


・近隣の商店が廃業したので、院内売店をコンビニエンスストア化し、地域の高齢者が買い物できるようにした。


市役所よりも住民の方が早く再建に動き出しているようです。これなら社会起業は成り立ちます。


この病院の理事長村上智彦さんは地域医療ではマスコミでは有名ですが、日本を代表するような誇れる社会起業家になって欲しいと願ってます。

オープンソースの精神

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インターネットには「オープンソースプログラム」がありますが、この精神が社会起業家に似ているとかねてから考えてました。


そんなとき、Rubbyを開発した松本ゆきひろさん(日本発の唯一といってよいオープンソースプログラムの主催者)と梅田望夫さん(ネット進化論)がネットでオープンソースの精神について対談してるのを読み一層そう感じました。


こんな調子です。梅田さんは
「中央に人生を埋めるようなリーダーがいて,その周囲に右腕になるような人がいて,そのまわりに気軽に参加してくるような人たちがいる。この3層構造が作れたときに,ネットの向こう側にいる人たちのエネルギーを何かに結集することができる。」


これに対し松本さんはオープンソースプログラマーの世界をこう語ってます。

「右腕になってくれている人は何人かいます。例えば,僕がこんなことをしたい,と言いつつ何年かほったらかしていたものがあって,それを自分で実装して持ってきてくれた人がいて。結構複雑で中心的な部分なんですが,それがとてもいい出来だったので Rubyに取り込んだんですけど。その人とはそれ以来ずっと一緒にやってきていて,まさに右腕という感じですね。」


「メーリングリストでバグの報告とかあるじゃないですか。それを見て、そろそろ手をつけないといけないかな...、と考えていると,その人から、直しておきました、というメールが来るんです。見たら確かにきちっと直っていて。」


「プログラミングがすごく好きな人たちです。プログラミングが好きなんだけど,プロジェクトをゼロから作り上げるのはたいへんじゃないですか。腕だめしみたいな感じで,プログラミングのタスクがあるとうれしい人たちというのが,ある一定数いるんですよ。辻プログラマって呼んでいるんですけど。辻斬りじゃなくて,バグを斬るわけです。」


「あと,大量のテストを書いてくれる人がいて。こうあるべきだ,というテストを実行してみると,ここと,ここと,ここが失敗している。それを見て僕らが「こんなに失敗している,直さなきゃ」と(笑)。」


「新聞を開けたらそこにクロスワードパズルがあったというのと同じですね。枠組みから作るのはたいへんなんですけど,Rubyの場合はもう枠組みがあるから。Rubyコミュニティに参加しているひとたちにとっては,コミュニティというのは,ひとつの巨大なパズル製造機械であるわけです。」


社会起業家も同じです。


社会問題を解決する革新的なビジネスデザインをして、これが中心にくる人物であるが、そのまわりにデザインを実現する方途を考え、さらにその外側に実行するボランティアがいる三重構造になってます。


知的所有権を囲わないのも同じです。


こんなわけで社会起業はオープンソースなんです

アメリカではIT産業で金持ちになった若い創業者、マイクロソフト、イーベイ、グーグル。。。の創業者であるが、社会起業家を熱心に支援したために社会起業が成長した。


日本ではこれがなく社会起業が広がらない一因である。5月7日付けフォーブス誌が日本の長者ランク40を発表したがそれを見て一層それを感じた。


このランクは4月25日の株価と為替レートで計算しているが、円高のために前年の40人合計899億ドルから107億ドルも増えている。


トップは任天堂の山之内さんで78億ドル、40人の平均年令は66才、不動産、サラ金、パチンコで財を成した引退した創業者や子供に相続された財産である。額もアメリカの10分の一以下と寂しい大きさである。


IT産業を探すとソフトバンクの孫さん51億ドル、楽天の三木谷さん38億ドル、光通信とコールセンターの重田さん12億ドル、松井証券の松井さん7,8億ドル、ミクシーの熊谷さん7,4億ドルというぐあいで、ITが予想外に少ない。


これでは社会起業家を支援する金持ち不足である。経済と社会の停滞、起業家精神が眠っていた20年を反映している。


次の10年に期待。

Wendy Kopp

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タイム誌(5月3日号)「世界に影響をあたえる100人」に選ばれた2番目の人で、 Teach For America の創設者です。


低所得地域の学校へ良質な先生を送り教育をしっかりとやり、教育を受ける機会均等を実現し、貧困から脱出する事業をやってます。

1989年にプリンストン大学の学生だったときこのビッグアイディアを出したが教授にすっかりかき乱されて、それならと90年に23才のときに250万ドルを集めてこの事業をスタートしました。


カレッジを出た若い教師をリクルートし貧困地域の学校へ送りますが、既に5000人以上派遣した実績があり、44万人の子供の教育をやりました。


加えて退職した教師12,000人がこうした学校でイニシアティブを取り、経験を発揮することもやってます。


05年の研究では校長の75%は派遣された教師はほかの教師よりも優秀だったと認めてます。


タイム誌の賛辞には「気が狂ったのか、そうでないのか、コップのアイディアは働き続け、多くの子供がこれで学んでいる」と書いてます。


低所得地域の子供数は1300万人もいるそうですから彼女の仕事はまだ始まったばかりです。


彼女の事業はケネディの平和部隊に擬せられており、一流大学のエリートたちがこれに参加しているので話題です。


資金も支援財団や大手企業、銀行が出すようになっており、理事にソニーのハワード・ストリンガー会長も入ってます。


アメリカでは高校までの教育で学校を再建する社会起業がさかんに行われてます。社会起業の定番分野の一つです。


自治体の教育委員会は日本と同じに問題を解決する決意もアイディアもない状況で、ここに若い英知が殴りこみをかけます。


最初に社会起業家は孤軍奮闘、しかし財団や企業などの支援勢力がすぐにかけつけて盛り上げます。この戦いの物語は面白い。ジャーナリストも応援し、タイム誌100人ランクに入ったのはそれです。


日本でも杉並の和田中学でやった藤原校長の改革が有名ですが、支援がなくぽつんとしたままで日本中に広がりません。人をつかむデザインになってないからなのか、相変わらず傍観してるだけで参加精神がないためなのか、問題はいろいろありますが、似たことが起こってもよさそうなものなのにと思います。


タイム誌に登場したんですから輸入されて、タイムラッグをともなって日本だって起こることなんですよ



グーグルの非営利法人 Google.org のトップである Larry Brilliant(写真)は、5月3日号のタイム誌「2008年世界に影響を与える100人」に選ばれている。


彼は06年2月にグーグル・オルグ の Executive Director に指名され、グーグルの創業者である Larry Page と Sergey Brin とともにグーグルのフィランソロピー活動を先導する。(同じLarryだが親戚ではないようだ)


グーグル・オルグは若い2人の創業者が04年にグーグルの株、利益、就業時間の1%を投入して5つのイニシアティブを進めると表明して設立された。それを実現するために05年にはグーグル財団、内国歳入法の501条(C)(3)の非営利法人、をつくり今年1月で7500万ドルの寄付金を集めたが、財団のマネジメントはグーグル・オルグが行う。
5つのイニシアティブ:解決策を探す
1、化石燃料に代わる再生可能エネルギー
2、プラグイン車(電気自動車)の商業化を加速
3、疫病を撲滅し温暖化防止策を見つける
4、情報技術で公共サービスを改善
5、途上国で小企業・中企業の成長を燃え上がらせる


ブリリアントは内科医で疫学者、64才、WHOで働いたり、インドに10年以上も住み天然痘撲滅活動をやったり、サンフランシスコにある The Seva Foundation(インドなどの医療支援活動に資金を提供している)を創設したりと途上国の感染症撲滅の専門家で起業家である。


タイム誌の紹介文では大統領であったジミー・カーターが賛辞を書き、
「leading social entrepreneurs の一人である。多くの企業がフィランソロピーへ投資するのは投資家と才能ある従業員を引き付け、ブランド・ロイヤリティを築き、名声を光らせことを知っているからだ。(彼の活動で)世界をポジティブに変え、グーグルをもきらきら輝かせる」と社会起業家としての働きに期待している。


100人ランクには、オバマ、クリントン、マケイン大統領候補、ダライラマ、胡中国主席などの政治家、サッカーのカカ、俳優のジョージ・クルーニー(将来の大統領候補と書いてあるのには驚いた)、ビジネスではアップルのジョブズ、マイクロソフトのバルマー、GEとゴールドマンサックスのCEOなどが入っており、日本人ではiPS細胞の山中京大教授、アーティストの村上隆の2人が入っているが、こうした並びでブリリアントが選ばれたのは、社会起業家がアメリカ社会で認知されてきた証拠である。(100人ランクを探したらもう一人の社会起業家がいた、これは次回に)


マイクロソフトのビルゲイツ、そしてグーグルも社会起業を本気ではじめるなんて面白くなってきた

タイム誌の100人のサイトはここ 、Scientists & Thinkers の42 of 100に出てくる。