アオサのかりんとう

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新聞に出てましたが、NPOが破棄物になっていたアオサを健康食品に変えて売った話ですが、これこそNPOがつくった社会価値だと思ったので話題にします。


福岡市の博多湾では富栄養化でアオサが異常繁殖し海を汚染している。市は毎年3000万円かけて船で回収して埋立地に捨てている。


昔はみそ汁の具やふりかけで人気があったが、今は使い道がない。そこでNPO循環生活研究所は再活用策を考えて、アオサかりんとうを開発した。


アオサとかりんとうはミスマッチで、ここが面白い。


このNPOはフリーマーケットと生ゴミ堆肥づくりが始まりで、シンプルでかっこよい環境生活を提案することを事業にしている。サイトはここ


小麦粉にアオサを入れ練り油で揚げ、水で溶かした砂糖をからめて完成、うっすら緑色で磯の香りが口の中に広がる。商品名は「博多発6丁目のあおさぼう」、岩田屋和菓子売り場や市役所売店などで販売、なつかしい味だと中高年に人気があり売れている。


アオサはミネラル分が豊富で、鉄やマンガンはワカメより多く含まれており、添加物を使っていないので、子どもたちにもすすめている。


開発したNPOは「自然の恵みを無駄にしたくなかった、環境問題を考える契機になってもらえれば」と話している。


自治体はアオサを健康食品にしようとは思わなかったので捨てていた、企業もこれで健康食品を開発しようと思わなかった、NPOだけが開発できた事業で、こうしたところにNPOの価値がある。


環境と健康というキーワードもあるので人びとの心をつかみやすい。ネーミングがよくないが、マーケティングのプロが知恵を出しネーミングをやりなおし、売り方を洗練させれば売れる商品になるだろう。


このあたりが改善点である。


似たような事業の種は全国のいたるところにあるはず、ありふれた材料でも古い固定観念で目がふさがれて事業に取りもれしてるのはずいぶんあるので、これを見つければよい。NPOならでの事業なのでNPOはこうしたことにトライするのがおすすめである。


こうすればNPOの競争力が出てきて、隆々とするのにと思う。

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「いま 社会起業家に注目しよう !」が見出しで、私が「いまなぜ社会起業家なのか」を書き、渋沢健さん(シブサワ・アンド・カンパニー代表)がソーシャル・ファンドについて、飯島博さん(アサザ基金代表)、駒崎弘樹さん(フローレンス代表)、谷津倉智子さん(ファニビー代表)がそれぞれ創業した社会起業につい語ってます。


さらに田辺大さん(フォレスト・プラクティス代表)が社会起業の経営の要点を、服部篤子さん(CAC代表)が社会起業の中間支援組織の役割について書いてますが、社会起業では中間支援組織が大切で、ここが社会起業の特色ですが、日本ではここが遅れてます。


特集の編集者の話では社会起業に関心のある人への入門が狙いで、社会起業がどんなものか知るにはいい内容になってます。


最近は社会起業家を雑誌の特集で扱うことが増えており、ときどき問い合わせがありますが、編集者の感覚では雑誌に取り上げる時期だと考えてるからでしょう。社会起業が日本の社会に広がってきた証拠です。


飯島さん、駒崎さん、谷津倉さんの三人は事業を開発した人ですが、話には迫力があります。


アサザ基金は霞ヶ浦の汚染された水を浄化するためにアサザという水草を増やす活動をやってます。湖岸の3県28市町村の小学校170校を結集してアサザを栽培して湖に放ち、アオコに代わってアサザを昔のように増やして汚水を浄化するのが事業です。


浄化できるのはアサザが水中の窒素やリンを取り入れてのびるためで、成長のおわったアサザを水中から取り出し農産物の肥料にします。


水中の窒素とリンの量とアサザが吸収する量の差で浄化速度が決まりすぐに減ることはありませんが、自然の浄化力を使うのが今流のやり方で人びとの心を引きつけるのです。


飯島さんはピラミッド型の古い組織でなく「中心のないネットワーク」こそこれからの組織で、社会起業家はネットワーク型の思考ができることが必須の条件で、ネットワークのはじまりには具体的な「モノの力」がありこの力が人びとの心をひきつけるといいます。


アサザ基金の場合、モノはアサザです。「モノ」が具体的に提示されないと動かないのはその通りで目から鱗です。


また縦割りの壁、これは自治体ごとの壁だったり古い組織にはいたるところにありますが、この壁を壊すのでなく「溶かす」ことが必要で、溶かすと膜になって壁の通りがよくなり付加価値の連鎖が起こるようになるというのです。


アサザの場合、170校の小学校区が透明になった膜で結ばれ95年の事業開始いらい13万人もの人がネットワークをつくりました。


飯島さんの話は、飯島流の社会起業原論です。


谷津倉さんの話は、横浜寿町のドヤ街(大阪のあいりん、東京の山谷とならび三大ドヤ街の一つ)で8000室ある簡易宿泊所のなかで空き室になっているものを改修して、世界中から来るバックパッカーなどのために貸すヨコハマ・ホステル・ビレッジを2年前にはじめました。


シングル3000円、ツイン4500円と格安なので外国人の旅行者だけでなく、横浜の湾岸へイベントを見に来た人などの日本人も泊まるようになり2年間で5000人の宿泊者があった。


ドヤ街ですからやくざや日雇い労働者だけが集まっていた街ですが、宿泊のためにいろんな人が訪れるようになり街の雰囲気は変わってきたそうです。


寿町は横浜の湾岸にあるいろんな施設や中華街に隣接した山の手側にあり旅行者には好立地にあります。だいぶん前ですが谷津倉さんと会ったとき、こんど空き室を安い宿泊所にする事業をはじめたいと考えてるがどう思いますかと聞かれたので、空き室を埋めることだけを考えていてはだめだ、寿町の面全体で考え面の再開発をするようなアイディアが必要で、横浜市と一緒に事業をやるといいですねと返答したことがありましたが、ヨコハマ・ホステル・ビレッジは寿町をリニューアルするための引き金になってきた感じがしました。


地域を変えるには
・縦割りを透明なものにしてフラットなネットワークをつくり
・一番はじめの「モノ」を置き
・これで人びとの連鎖を起こしてつぎの「モノ」をつくり
・こうして付加価値の連鎖を作ってゆく
が社会起業の原論だとすると、ヨコハマ・ホステル・ビレッジは最初の「モノ」になっており、あとは自動的に起こる価値の連鎖、社会起業の連鎖ですが、これが期待できるのです。


このやり方、日本中の衰退した地域に応用できるビジネスモデルです。


経済セミナーの特集を読んで考え、私の街のリバイタリゼーションを起こすビジネスプランをデザインしてみたらどうでしょうか

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内閣府が三菱総研に委託した「仕事と育児と両立効果試算」調査によると、両立すると06年から10年にかけて経済成長を0.4ポイント押し上げると分析してます。


育児で女性が働くことをやめなければ雇用は44万人維持されて、成長率を押し上げるというのです。


ワーク・ライフ・バランス政策を推進するための根拠にしたい調査のつもりでしょうが、成長率を上げる論理が荒っぽく雑な調査です。


ワーク・ライフ・バランスのとれたライフスタイルが広がれば、成長率が高まることは直感的にそう思っている人が多いと思いますので、それらしいシナリオをいくつかあげ細かく分析すれば説得力があったのにと思います。


例えば、にワーク・ライフ・バランスがとくだと考え、個人も企業もそれをサポートするサービスへの支出を増やし、これが総生産額を増やし成長率を上げる、新しい需要が生まれて成長する話ですが、あるいはキャリアのある生産性の高い女性労働力が撤退しないことで生産性の高い労働力が確保でき、ソフト産業やクリエイティブ産業への転換が進み女性労働力が活躍できる経済になってきましたので、女性は生産性を上げるには不可欠なものになってきているとか、子育てで在宅勤務が広がればここでも新需要が生まれます。シナリオはいくらでも考えられるのでそれを記述すればよかったのではないのか。


ワーク・ライフ・バランスを促進するサービス業は社会起業なので、社会起業が成長率を上げると仮説を設定すれば面白い調査になったのにと思います。

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独法整理・廃止論

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独立行政法人は小泉政権が2001年から国の機関を独法に移行してから数が増え、101法人、13万3000人、国からの財政支出は年3兆5000億円にもなります。


独法は国が直接やるほどのことでなく、しかしも民間にも向かない公と民の境界域の事業で理工と文系の研究所が多い、101の内訳はここ


独法に移行してまもないが今度はその存否が問われてます。


独法を所管する省庁は8月末までに整理合理化案をつくり、有識者会議がそれを審議し、12月末までに政府は整理合理化計画をつくることになってます。


整理合理化の基準は「真に必要なもの」以外は整理するです。真に必要は見方によりますが、ほとんどいらないとなっても不思議ではない。


管轄する省庁は整理に抵抗するでしょうが、緑資源機構の官製談合事件のように独法は天下り機関で、税金の無駄の象徴のようになってますので、民主党は廃止論に積極的でここで財源を捻出し、零細農家への補助金、育児手当の財源にすると息巻くでしょう。


参議院選挙の結果、昔のように抵抗すれば通る時代ではなくなってます。


国立大学は大学の独法(今度の整理統合の対象外)になってますが、研究開発は競争的なものに変っており、独法の研究所もこのくらいの経営に変れば残ることができるかもしれません。


公でもない民でもない、社会起業の領域なので、生き残るには社会起業のコンセプトで経営をデザインしなおせばよく、これも出口の一つです。


整理統合し身を身を削り事業規模を縮小するのはさけがたい。民主党ががんばれば3分の1の1兆円が捻出されて、民主党がいっている零細農家へ使えそうな感じもします。


これから半年どうなるのか見つめたい。

アジアの留学生の関心

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あるところのアジア留学生奨学金の審査員をやってますが、今年も夏に約70ぐらいの論文の審査をしました。


留学生は1年間日本語学校で学び、その後大学、専門学校へ進みますが、この審査は日本語学校生が対象で、10年後の私、日本の好きなところ嫌いなところ、国際交流などがテーマですが、長くやっていると留学生の日本への関心が変ってきているのがわかります。


今年関心が向いたのは東京の電車網、ゴミの分別収集、日本料理の三つで日本がすばらしいと感じたところです。日本にきて日本料理のすばらしさを発見し帰国後それを仕事にしたいと料理専門学校へ転進する人も何人かいました。


環境問題、健康などが彼ら彼女らの関心事項になってきており、もう日本への関心はマンガ、アニメ、TVドラマ、ファッションだけではない、東京の公園がすばらしい、よく憩いに行くというのもありました。日本人は昔欧米の都市に行って公園のすばらしさを絶賛したことがありましたが、今ではアジア人が東京の公園のすばらしさをいう時代になってます。


私の10年後の定番は、日本がアジアで先進国になった理由を体感し日本の先進技術、製造技術だったり経営技術ですが、これを学び帰国して貿易会社や観光会社をつくる、観光ガイドになるでしたが、どれも日本との橋となることでしたが、このあたりが変り、別な日本に関心が向いてきたようです。


留学先はアメリカでもいいんですが、日本を選んだのは東洋的なもの、親切、安全などのためですが、東京の電車網、ゴミ処理、日本料理などどれも日本のもので、それにひかれるというという傾向はいいことです。


アジアからの留学生の関心が急速に変ってきたのは、それぞれの国の発展が急だからでしょう。それだけ経済や社会の発展がはやいのです。


受け入れる私たちの認識がおいついていない感じがしました。

地域力再生機構

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地方の中堅・中小企業と第三セクターの再生をやる地方版産業再生機構で、この間の経済財政諮問会議で提示され、08年度につくるようです。


安倍首相の指示で内閣府が構想をつくり、秋の臨時国会に関連法案を提出する予定。旧再生機構と同様の仕組みで、預金保険機構から500億円程度出資し、地方銀行が持つ債権を買い取ったり、企業再生の専門家を経営陣に派遣する。 存続期間は5年。


4年前からやっている経済産業省の中小企業再生支援協議会(07年4月現在、相談が11,400件、終了したのが1,400、支援中が414)で同じようなことをやってるのでいらない、自治体や地銀が設立した地域再生ファンドが相次ぎ誕生しているのでいらないと批判されてますが、狙いを第三セクターの再生・閉鎖につければダブルことはないのでいい仕事ができます。


三セクについては05年3月の総務省調査があります。三セクを3分類し、1,商法による会社、2,民法による社団法人と財団法人、3,住宅、道路、土地開発の公社です。


三セクの数は、04年3月末で会社、社団・財団、公社の順に、都道府県653、1772、138、指定都市248、318、590、市区町村2922、2444、6794、合計3823、4534、1590、総計9947もあります。


事業の分野は地域・都市開発21%、観光レジャー15%、農林水産14%、教育文化13%、商工8%、社会福祉・保険医療6%、運輸・道路5%となっており、最近の関心領域である環境、健康、安全などは少なく、昔の関心領域でつくったものが残っており、ほんとは用済みのところが多いので閉鎖しても困らないのが実情でしょう。


今年の6月に地方自治体健全化法が成立し、自治体が25%以上出資してる三セクを連結に入れて決算することになってますが、この対象になるのは前記の分類の会社で71%、社団と財団では92%にもなります。


三セクは赤字だったり債務超過だったりするところが多いので、これが連結になるといい決算ができずに市場からの資金調達が困難になります。ここからも三セク整理のプレッシャーがかかり、地域力再生機構が三セクに切り込む適時です。


三セクは地方政治とのしがらみがあり、関係の近い人には整理ができない、そこで縁のうす地域力再生機構のようなところが再建整理するのがよいやり方です。


三セクのうち社団と財団の公益法人は来年度からはじまる公益法人改革でかなりの数が整理されるでしょうから、地域力再生機構は三セクのうち会社だけでも対象にすればよい、都道府県で653、指定都市で248、合わせて1000もあるんですから仕事量は多い。


こんなわけで地域力再生機構は三セクの再建整理で期待したいと思います。

自治体に外資が進出

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8月14日の朝日新聞一面に出ていた「地方債、外資が熱視線」がいい視点の記事でした。


来年1月から外資が保有する地方債の利子が非課税になる、地方債は国債よりも高利、過去に自治体のデフォルトがほとんどないなどの理由で外資が自治体に融資したり市場から地方債を買ってるというのです。


さすがは外資、自治体を有利な投資対象だと見抜いたのはさすがです。


フランスのデクシア・クレディ・ローカル銀行が昨年末日本に進出し、既に1800億円を融資、市場から4300億円の地方債を購入したそうです。この銀行、世界の自治体を顧客にした専門金融機関、それが日本を狙いはじめたのです。


進出1号がうまいことやってるんですからあとに続くところが出てきます。


横浜市は昨年10月A&Pの格付けをとりAA-、投資適格ランクでした。3月に発行した30年債は予定の100億円をこえる応募があり150億円に増額して発行した。東京都と福岡県、京都市はムーディーズでAa2と横浜市よりいいランクの格付けになり、外資からの調達ができます。


郵政民営化で財投資金がもう使えない、都銀や地銀が昔のように自治体のいいなりで資金を貸してくれないなど、自治体が外資に頼らざるをえない事情があるのです。


こんなところから資金を導入すると、財政再建を厳しく迫られる、情報公開を迫られるなど、ようしゃのない改革プレッシャーがかかり、待ったなしの改革を迫られます。


日本の銀行も自治体にたくさん貸してますので、遠慮がちな姿勢をかえて自治体に改革を迫ることも考えられます。


外圧によるリストラや改革、これは改革のいい旗印になりもう抵抗運動はできない、いいことです。


今年は政府の三位一体改革で地方交付金や補助金が減りはじめ、どの自治体も一層のリストラを迫られてまが、加えてこういう市場を通じた改革プレッシャーがかかり、自治体の改革は自ずから加速します。


市場を通じた自治体の改革なんて数年前には予想外のことですが、来るべきものが来ました。


こうなると自治体から落ちた事業で社会起業の出番になります。自治体が社会起業家を育成して地域のサービスをになってもらう時代はもう始まっているのです。


社会起業家にとってはいい時代になってきました。

地産地消→地産外消

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これが最近起こっている変化です。


特産品の販路のために自治体が、大手商社やコンビニと提携し、大都市への販売を拡大しはじめました。沖縄県がローソンと提携したのがそうです。


ローソンはこれに熱心で10県と提携、伊藤忠は9道県1市と特産品の発掘で連携。自治体が有名シェフと組み、地産外消向け特産品の開発に乗り出す動きも始まってるらしい。


格差拡大で沈みこんでる地方が公共投資に頼るのでなく、自分で立ち上がる気運が出てきたのはいいことです。


東国原知事効果でしょう。彼の活躍は知事の新しいイメージを創造しましたが、自治体の働きをも変えてしまうなんて驚きです。


これが今の「風」です。


前回民主党の農業補助金1兆円はバラ撒きにならないようにと書きましたが、個性ある小規模農家の生産を勢いのあるものにするには「地産外消」でなくてはいけません。


地産外消問題は農産物の流通問題なのです。地域にはすでにいい商品がありますが、ないのはそれを運ぶ流通です。


東国原知事がテレビでスーパーの特売イベントに登場して宮崎産品を宣伝する画面が何度もありましたが、効果は一過性で継続しないというのはおしいことです。


地方の特産品を売る大規模な販売網があるといいんですがそれがありません。


インターネット販売がその一つです。テレビ、新聞、雑誌のマスコミで宣伝し、あとはインターネットで注文をとり、決済して配送する、このパイプは将来太くなって行くでしょが、今のところ農家の経営を支えるほと太くないのが問題です。始まったばかりですから仕方ないのですが。


10日ぐらい前にオイシックスを創業した高島宏平さんの話を聞きました。この会社、無農薬の有機栽培野菜をネット販売してる会社で売上高が30億円をこえ一層の規模拡大を目指してます。


高島社長は有機野菜販売はこじんまりとやっている所が多いが、わが社は違い大規模流通を目指すと頼もしいことをいってました。


2000年にできた会社ですが、とうざは農家に行っても売ってくれず仕入れるのに大変だったらしい。仕組みを動かすのに余計な時間がかかってしまったのです。


社会起業の会での話しで、わが社はここで登場した他社と比べてそんなに社会性がつよいわけでないがと遠慮して話してましたが、企業価値と社会価値のバリューチェーンをつくっているので社会起業です。


でもネット販売のほかに何本も新流通ルートがあったほうがよい。大手スーパー、生協、中小の食品スーパーも期待できますが、量産品を大量に安く供給するのが狙いなので地域農産物に力を入れるかどうかは疑問、片手間仕事でしょう。


前回はアメリカのホールフーズマーケットのことを書きましたが、有機農産物やその加工品を世界中から仕入れて躍進している大規模な流通会社です。


こういうのが現在アメリカの流通業のスターです。


紀伊国屋が何十倍、何百倍になったような企業ですが、これが日本にはない。


ホールフーズマーケットはテキサスのオースチンにあった小規模な食品雑貨商でしたが、それがここまでになったのです。こういう会社日本でも現れるはずです。


こんな何本かの流通ルートが整ったとき、地域の農産物が都会で広く消費されるようになりますが、それはずっと先のことで残念です。

Non-Purposeの会

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首都圏の自治体改革派の若手職員がやっている会の名前です。


1週間前の会合で東京都の向本圭太郎さんに会ったとき、こんな会をやってますと教えてくれました。

Non-Purpose ~首都圏のWA」のサイトはここ。


都庁と埼玉県庁の若手公務員の勉強会として始まり、最近では月例会をオープンにして誰でも参加できるようにし、ゲストスピーカーを招き社会起業のベストプラクティスを研究しており、毎回50名ぐらい集まっている様子です。


狙いは、「学習機会の提供」と「行動のための仲間づくり」です。


名前のノン・パーパスの意味がよくわかりませんが日常業務から離れてなのか、WAは「輪」なのでしょう。


私は「公民起業家」を提唱してますが、これはイギリスのシビック・アントレプレナー、イギリスでは起業家精神で公務員の仕事をやっている人のことですが、仕事を民間に渡す民営化でなく公務員自らが仕事を改革し、自治体を変える人のことです。


日本でも同様の人はいるだろう、ただ民営化を叫ぶだけではだめだ、自治体の中を改革しなくてはと思い、「シビック」を「公民」と訳し、「公民起業家」の言葉をつくり提唱してるのです。


3年ぐらい前に公民起業家の集まりをつくり議論したことがありましたが、そこでわかったことは公民起業家らしい人は自治体の中にたくさんいるということでした。


はじめる前は、いるのかな、いないのかなと不安のままはじめましたが、やってみると自治体の若手職員は優秀な人が多く、しかも自分の頭で考えるたちの人たちがけっこういて、日本の自治体は公民起業家の宝庫だと発見し、いいぞと思ったことがあります。


これが私の体験ですが似たようなことをやっている集まりがあり嬉しくなりました。


サイトを見ると、毎月ゲストスピーカーを招きベストプラクティスの研究をしてますが、みなさん自治体の現場で問題に直面してるので、それを摘出して問題を設定し、その解決策のビジネスプランをつくったらいいのにと思うのです。


私は社会問題を聞くとその場で反射的に解決策は何かを考えるクセがあります。その問題は成功したどのビジネスモデルに似てるのか、革新的な解決のアイディアは何か、仮想のビジネスモデルにはどんな問題が起こりそうか、机上のプランになりはしないか。。。


この会に集まった人の利点は自治体の現場にいて現場感覚があることです。その実体験から発想すればリアリティーのあるプランができると思うのです。


アイディア段階でまだビジネスプランまで熟してなくてもつくった解決策をサイトで提案すれば、その先プランは進化して行きます。自治体の問題はどこの地域でも同じなんですから。


ノン・パーパスの会の活躍に期待してますが、同じ志の人はこの会に参加して人のネットワークを広げることをすすめます

民主党の新政策、農家への所得補償1兆円は昔のバラマキ政策と同じだ、財源はどうするんだと評判が悪い。


ちょっと長くなりますがこれを考えてみます。


価格差補給農家戸別所得補償といいますが、農産物の輸入自由化で安い農産物が入ってきたとき、国内産物との差を農家へ直接支払う制度です。国内価格15,000円、輸入品5000円なら1万円を補助しますが、途中経由で払うのでなく直接農家に払うのでカネを抜かれる心配がなく効率が高い。


菅さんはテレビで
・欧米でもやっていること、WTOルールに反しない
・補助金は20兆円もあるので1兆円の財源は天下りなどで使った無駄使いから捻出
・若手を農業に参入させて農業従事者を増やす
・環境保全
・農産物の自給率を上げる
と正当性を主張してました。


農業の土地改良事業は年1兆円、建設業には恩恵ですが、農家は自分の負担金も合わせて出さなくてはいけないので、もういい加減にしろいらないとなっており、菅さんの言うとおり無駄使いから予算を振り向けることは理のあることです。


でも、零細農家にただ配るだけではバラマキです。配る基準に理がなければいけません。民主党にはまだこれがない。


農家所得補償のアイディアは、農水省の大規模農家への新政策「品目横断的経営安定対策」で、補助金は大規模に限りそうででない農家への補助が削減され、適応対象外の農家が困るからです。


農水省の集計では大規模化の新政策の申請数は7万2431件、作付面積に占める割合はコメ26%、ムギ93%、ダイズ77%になったそうです。


コメ農家の大規模化はいろんな事情で難しくこんなに低いありさまです。野菜や果物農家はどうなっちゃってるんでしょうか。これだけみても大規模化政策だけでは農業の再成長に十分ではありません。


大規模化も農家所得補償も古い昔のコンセプトで今流ではない、そこで1兆円を使うなら何に使ったらいいかを新しいコンセプトで考えて見ます。


ポイントは
・農業を情報産業に転換する
・社会起業
・クラスターをつくる
です。


まず情報産業へ変る話。


80年代の後半に農業の大規模化の議論が主流だったときに、この論に反旗をひるがえしたのは文化人類学者の梅棹忠夫さんです。梅棹先生は当時やがて来る情報化社会に思いをめぐらしてましたが、農業は情報産業に変る論を展開しました。


高所得になり消費者の関心は「おいしい」、「健康によい」、「安全だ」、「エスニックで新奇」へと変り、農業はこうした需要にこたえる産業、情報産業に変るべきだというのです。


梅棹先生は情報化社会になると農業が粗雑産業から精密産業へ変るんだといってますが、なるほどそういう見方もあるのかと当時感心しました。


大規模化で価格が安くなるだけでなく、農業にはもっと別の力が働くという提案は新鮮でした。


梅棹先生の提案は当たりで農業の情報産業化は現実に起こっていることです。


そこで1兆円の補助金を出すのなら農家の情報産業化促進投資、これコンピュータ化資金だけでなく、有機農産物へ転換する、地域物産品や加工食品を開発する、エコ。。。など、新産業育成資金の性格のものに変えて出せばいいんです。


こういうのは社会起業の農家を増やす国の投資です。昔通産省がやったような産業政策と同じ性格の投資で、社会起業家型農家を増やす投資です。


ただ別の問題もあります。


大規模生産農家なら農協や大手スーパーなど買い手があり流通できますが、特色と個性があるが生産規模が小さい農家には販路がないのが問題です。


精密化した農業にはそれにあった流通が必要なんですがこれがない、タマゴが先か鶏が先かの問題が出てきますが、精密化した農家が増えればそれに対応した流通企業も自然に現れると楽観的に考えてもいいと思います。


というのはアメリカにそれがあるからです。


アメリカに現在躍進中のホール・フーズ・マーケットがありサイトはここです 。フォーチュンの最も尊敬されている企業のベスト10に入ってます。この会社は社会起業のいい例だと私が注目してる会社ですが、これまでの会社と似てないので理解するのが難しい。


テキサスの食品小売店からスタートし、アメリカとイギリスで約200店舗を展開している高級食品スーパーですが、これが小売業の寵児になってるなんてピント理解できないことです。


全取り扱い商品が全部有機だ、これだけ大きくなってるのに全部有機だというのは驚きですが、そのほかおいしい、安全だという評判が立ち、この信用がブランドになって躍進しました。


成長理由は
・スターバックスでマーケティングをやっていたチームがここに転職し、エコ、オーガニック、デリシャスなどのブランドをつくった、ブランド作りが上手
・働く人の自主性が尊重されており働き易い企業ランクでは上位にきている
・マニュアル経営でなくサービス重視経営
・利益の5%を店舗のある地域社会に投じている
・仕入れている途上国でマイクロクレジットで農家をやっている人たちに経営指導する財団をつくり、今流行の貧困撲滅活動に熱心


農業が情報産業化した社会起業のいい例がこの会社ではないのかと私は思ってます。


1兆円はホール・フーズ・マーケットのようなものへの投資でもいいんです。


アイディアはまだあります。


10年以上も前に戦略経営論で有名なマイケル・ポーターがクラスター論を打ち出したことがありました。


世界には地域的に成長している地域がある、例えばオランダの花、こうした所には共通した特色がある、協調と競争戦略が混在しており、企業はお互いに競争してるだけでなく産地内で協調もしている、オランダでいうと協調の場所は品種・栽培法の研究開発、取引市場の設置、物流などですが、この競争と協調がうまく混在してるのをクラスターと呼び、成長したければクラスターを作ればいいんです。


この論を応用すると、1兆円はクラスター建設投資になります。


クラスターに似たものに農協がありますが、そこが革新してクラスターになってもいいんですが、難しそうなので新たなクラスターをつくるのが現実的です。


などなど、アイディアはまだまだあるでしょう。1兆円を使うなら政治家と官僚はこのくらいのことを考えないとずっと先に行っている国民の心をつかまえることはできません。


政治家、官僚、ジャーナリストはこのくらいのことを論じて欲しいものです