CAC-社会起業家ネットワークを主催してる服部篤子さんが社会起業スクールを開校します。今度が3回目でカリキュラムは磨かれてきました。


こういう所で新しいことを学び、受講生どうしで知り合いになることが大切です。社会を変えたいと思ってる同じ志の人が集まりますので、個人間で「化学反応」が起こり、人のネットワークが広がって行きます。


おすすめです。

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CAC社会起業家研究ネットワークでは、2004年より、【社会起業家人材育成プログラム】の開発に取り組んでいます。今年も、第3回丸の内「ビジネスイノベーションシリーズ」社会起業家ワークショップと題しまして、講座を開講しますのでご案内いたします。

「ビジネス・イノベーション」とは、「社会的ミッションを事業化し、ビジネスの土壌で継続的に取り組むことを通じて、社会に変革(イノベーション)を起こす」ことを意味します。

講師陣に、自ら起業されている方を迎え、5ヶ月間にわたる充実したプログラムを用意することができました。既に起業している方の研修としても応えられるよう設計しています。

「社会」を変える理念を!「起業」するアクションを!このメッセージが広がることを祈っています。

講座の概要は、以下の通りです。詳細は、CACサイトをご覧下さい。
http://cacnet.org


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■開催期間:2007年6月7日(木)~10月20日(土)全10回
(全日程はhttp://cacnet.org/archives/MW070414_0.02.html へ)
平日 19時~21時、土曜13時半~16時半

■会場:大手町ビル内、三菱地所会議室670区-A
(千代田区大手町1-6-1、最寄駅大手町)
■受講料:50,000円(*全10回通しのみ)
※5月15日までにお申し込みの場合:40,000円

■ 対象:社会起業家を目指す方。社会起業家としてのスキルを身につけたい方。年齢・性別を問いません。特にシニアの方、女性の参加を歓迎します。
(これまでの参加者)フードコーディネーター、自治体職員、ファンドマネジャー、NPO/NGO代表、環境事業担当、一級建築士、コンサルタント会社勤務、IT企業勤務、大学教員など。
■ 定員:20名(書類審査を行います。)

■ 主催:CAC-社会起業家研究ネットワーク、三菱地所グループ:メック情報開発㈱
■協力:NPO法人 共生型事業協力機構(SECA)

■申し込み方法
①ご氏名、
②ご所属、ご連絡先(住所・電話番号・メールアドレス)、
③参加理由(1000文字前後が目安)、を明記のうえ、メールまたはファックスにてお申し込みください。
<申し込み、お問い合わせ先>
メック情報開発㈱ 担当:山形
Email: innov@mjk.co.jp
FAX: 03-3214-9305


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講師陣
■中多広志
㈱ベルロックメディア・代表取締役、㈱ファンダンゴ・取締役、吉本興業㈱・経営・財務戦略本部長(米国公認会計士)日本で初めてコンテンツファンドを立ち上げる。新しいメディアの開発に取り組んでいる。

■山中唯義
㈱ベンチャーラボ・代表取締役
特許・技術評価のプロとして著名。自らも起業する一方、ベンチャー企業及び人材を育成。

■半谷栄寿
環境NPOオフィス町内会・事務局代表、(東京電力㈱・事業開発部長)公共企業では新規事業を立ち上げ、NPO活動では、全国のリサイクル事業のモデル
となる。

■松林博文
マーケティングコンサルタント、グロービス大学院・講師、USENパーソナリティ、海外企業との豊富なビジネス交渉経験を持つ。豊富な表現力と、トーイック満点の英語力で多彩な活動を展開。

■佐藤靖
青学コンサルティンググループ㈱・代表取締役、青山学院大学教授、会社を興し(青学も出資)、複数の会社経営に参画する。

■大塚由紀子
中小企業診断士、㈱福祉ベンチャーパートナーズ・代表取締役、「福祉起業家」の普及に取り組む。

この他、参加者と「協働する」メンターは、CACサイトをご覧ください。
http://cacnet.org/archives/MW070414_0.04.html

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営利・非営利 ?

テーマ:

「ニューレーバー(新しい労働党)は国民の健康や福祉サービス、半官半民の組織に資金を投入し、サービスを改善した」

これはアンソニー・ギデンズが毎日新聞のインタビュー(4月26日紙面)でブレア政権10年を総括したときのものです。


社会起業を「半官半民」といってるのが面白いと思いました。


ギデンズはロンドン・スクール・オブ・エコノミックス教授のとき「第三の道」を提唱しブレアの政策の骨格をつくりました。伝統的な福祉国家の社会民主主義(第一の道)でもなく、サッチャー元首相の市場一辺至政策(第二の道)でもない中道左派の新しいコンセプトを提唱したのです。


保守党はブレア10年の間4人も党首が交代し、キャメロン現党首になってニューレーバーの土俵に立って(この場合は中道右派でしょう)初めて信任を得たともいい、第三の道は保守党をも変えてしまうほどだったのだぞとギデンズは自信満々です。


ギデンズは学長になったあと、現在は上院議員をやってるらしい、コンセプトメーカーに与えられた論功行賞です。


「半官・半民」「非営利・営利」ともに社会起業を表現するときに使う言葉です。前者が第一の道、後者が第二の道のことで合成してそういってるのですが、社会起業を表現するのにぴったりとはこない。新しい現象に古い言葉を使ってるからそうなってしまう。


社会起業は、まだ新しい現象のためにぴったりとした言葉がない、で今のところ言葉の定義などやらない方がよい、現象として感覚で感じるのがいいのです。


人間は昔から「真ん中に真理がある」と思う感性がありました。よってたつ左右がだめになったときそう考えるクセがあったのですが、今がそういうときです。競争的協調なんてのもこれです。


こうなると見える風景はぼんやりとして面白くない、でも朧月夜とか春霞とかぼんやりしたものに美があるという感性が日本にはあるんですから、それにひたってればいいんじゃないかと思います。


ところで、ギデンズは英国の欠点についても延べてます。
・階級社会が弊害となり労働生産性は米独仏の後塵をを拝する
・人口の2割が技術を持たず獲得しようともしないので貧困層は経済成長の恩恵をうけられない
・日本と同じ高齢化問題をかかえてる、解決策はフィンランドのように60才をすぎても過半の人が働くことで一定年令で退職を強いるべきでない
・国民の2割が肥満で北欧のように予防重視の健康システムをつくるべき


日本では2番目の問題がニート問題、格差解消問題、3番目の高齢者問題も同じです。1番目の生産性上昇と4番目の予防健康システムは安部政権が熱心に進めようとしてるので、日本の方が先に行っている感じです。


「労働生産性上昇」「格差解消(所得の再配分などともう言わないのが現代です)」「高齢者も働く」「医療は治療じゃなく予防」が先進国の合言葉になってきてるんですね

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この間の県議・市議の地方選挙を見ていて表題のような現象があり、日本社会が変わり始めているいい兆候だと思ったのであるが、例示しよう。


・宮崎県議選で当選した若い4人の議員は東国原会派を立ち上げた
・夕張市長選では、元経営者が当選したが、税金への依存がこんな結果にしたので、今度は市民が自立して事業を起こし夕張を再建しようとうったえた候補者が当選した
・新聞はパソナ社員浜田浩樹さん(29)が渋谷区議選で当選したことを記事にしてたが、同社には「立候補休職制度:国会議員、都道府県会議員等の公職に就任したとき、その在任期間を休職とする」という規定があったからだが、こんなのが増えてきそう
・京都市議選では無所属現職の村山祥栄氏(29)が前回当選した9人のうち8番目だったが今回はトップ当選
・私は国分寺に住んでるが、30才代後半の木村さんが市議選挙で2位を大きく離してトップ当選、彼は市議→市長選挙に立候補し落選のあと今度の国分寺市議選に出たが、政策は国分寺市役所は人員過剰、200人カットするだった、有権者はこれを支持した
・滋賀県議選で環境派の嘉田知事派の議員が過半数を超え、新幹線新駅凍結、脱ダム政策がすすむ
・今度の地方選挙の前半戦で大学や大学院に在学している候補者が30人おり、男性13人、女性2人の計15人が当選した


こんなことが各地で起こってるのだろうと想像する。建設業・農協、商工会の年寄り、税金にたかる利権派がついこの間まで地方議会を支配してたが様変わりである。毎年選挙があれば変化ははっきりと見えるはずだが、4年毎としかないので見えずらいがもう戻ることのない変化であると思いたい。


数年前に公民起業家(起業家精神のある役人のこと)を提唱しているとき、市役所内起業家の悩みは旧来の議会が新しいことをやるとき壁になると訴えたので、改革派の若手の区会議員と市会議員と縁ができて会合を持ったことがある。このとき議会も新勢力に刷新されつつあるのだなと実感したが、今度の選挙でこれが加速してきた感じである。


社会起業家型の若い地方政治家が増えてきたのは心強い。


「必要は発明の母」ということわざがあるが、それに習うと「自立しか道がないのが社会起業家の母だ」といいかえたい。いい傾向、変化は加速度をつけて暴れまわる時代になったんだぞと思う。

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今回はちょっと長いブログだが、先週土曜日の午後、慶応大三田校舎で東京SVPの例会があり出かけてみた。テーマは表題のNPO学校設立資金集めの会合だった。


学校設立とはNPO龍の子学園が、来春学校法人明晴学園に改組し、新ツールによるろう学校をつくるが、そのための設立資金を夏までに4500万円集めなくてはいけないがその会合だった。資金は三分の二までめどがたち、あともうひと息である。


龍の子学園のサイト にはこう書かれている。
『自分たちの手で、夢の学校をつくる!

日本で初めて「手話」と「書記日本語」の「バイリンガルろう教育」を行うNPOろう学校が東京都内に誕生しようとしています。

「私たちろう者の言葉は日本手話!クチパクや身振りではなく、手話で授業をして欲しい」 こんな当たり前の希望が、日本では70年以上もの間、かなえられることはありませんでした。

そしてついに、ろうの青年たちとろう児の親たちが「自分たちの手で学校を創る!」と立ち上がりました。

全国に先駆けて「構造改革特区:研究開発学校」の制度を利用したNPO設置の私立ろう学校設立がようやく現実のものになろうとしているのです。まず、7月末までに4500万円の寄附が必要です。 どうか、みなさん「ぼくたちの未来を応援してください!』


私はこの活動には縁があった。4~5年前に東京財団でやった社会起業セミナーのあとの立食パーティでこの活動を主導している玉田夫妻と会った。


玉田さんは新しい手法のろう教育を広げるために龍の子学園をつくり任意で活動をやっていたが、その先に進むために東京財団の会長をやっていた日下公人さんに相談したが、「町田さんが社会起業の研究をやっているよ、彼に相談したら」とすすめられて相談したいといってきた。


そのとき何が問題か聞いたところ、任意活動をNPOにしたらいいのか、それとも別のやり方があるのかどうかあった。当時は社会起業を提唱して数年たったときだったので、似た質問をいろんなところで何度も受けたことがある。


どれにも共通していたことは、本人たちは気づいていないが社会起業の活動を自然にやっており、関係者の間だけに潜行してるので他人は気づかない、そのために支援の手が広がって行かない、社会は待望してるのに速やかに広がって行かないという欠点がある点だった。そこで「速やかに見える姿にすることです」と回答した。


玉田夫妻はすぐNPOの申請をしNPOを設立したが、といって学校法人までみるまに進んだのではない。以後数年、「新しいろう教育」というコンセプトを広げるためにいろんな所でうったえてきたが、この冬東京都の教育特区に認証されて、来春に学校設立のめどが見えてきた。


玉田夫妻は構造改革の教育特区に何度もチャレンジしたが、校舎や校庭がないなどナングセをつけられて跳ね返させられてきた。それにもめげずにうったえ続けててきたが、あるとき都庁の市民公聴会が品川であり石原知事が出席していたが、ここでうったえたところ知事の関心を引き行政のレールに乗っかって特区が認証になった。


前例のない斬新なことがたどらなければいけないコースをたどったのだが、そんな暗闇をなんとか突破したのである。


私はろう教育の専門家でないので今もってわからないところがあるが、玉田夫妻に習った「新しいろう教育」とは私流にいうとこうである。ろう教育は明治時代に古河太四郎が開発したもので以後70年以上続いている。この話は私の「社会起業家」(PHP新書)に書いてあるが、京都の有名な家塾の子供に生まれ、東京遷都のあと衰退した京都の再興を教育産業を起こすことによって果たそうと考えた「行動派のつっぱり青年」で、やりすぎて投獄されたこともあったが、古河が開発したろう教育が現在でも主流を占めている「口話法」である。


口話法は口の動きで言葉を理解し、それを模して発音する。しかし、口の動きが見えない遠いところとはできず、無理なことを強いるので伝達力や表現力がいまいちである。


対して龍の子学園が広めようとしてるのが「手話法」である。手話はずいぶん広がってきているが、これを教育のツールにする。数年前に東大の脳科学の先生が「手話」は脳の言語野を使っていることを発見し、今では「これは言語だ」となってるが、英語教育と同じように手話言語で教育をやるのが新しい学校のコアコンセプトである。


ところが難題がある。長く口話法でやってきたのでその関係者が多く、手話法の教育が普及すると陳腐化してしまう。私は玉田さんに誘われて何度かろう教育の会合に出たことがあるが、既存勢力が陳腐化する大問題、これは現在の日本のいたる所で観察できることであるが、があることに気づき、玉田夫妻はえらいことに乗り出しているんだ、社会にイノベーションを起こそうとしてるんだ、ほんものの社会起業だと思ったのである。


来年度から新公益法人法が施行されるがこれは明治民法を変える話(公益国家独占をやめて市民に開放すること)で、今問題になっている離婚後300日内に生まれた子供は。。。も明治民法を変える話である。明治以来の慣行を刷新する点では同じ流れの話である。イノベーションと聞くと、アマゾン、eベイ、グーグル、ユーチュブ、トロン。。。を思い出すが、手話法教育も同格のイノベーションである。


トロンを開発した坂村健東大教授はソーシャル・イノベーションを唱えてるが、トロンが普及するには社会の制度が変らなくては実現しない、そこで技術革新とパラレルに制度が変ることをさしている。坂村教授はその必要性を叫んでいるが、法律や制度が変ることもイノベーションである。


私は手話教育法の話を知るにつれ、これはソーシャル・イノベーションの好例だと考えた。そんなわけで玉田夫妻が始めた龍の子学園に注目して欲しいと思う。


さらに資金に余裕がある人は寄付をし、それ以外でもいろんな支援をして欲しいと願っている。ファンドレイズ、学校経営、マーケティング、会計。。。企業経営では当たり前のことになっている分野の専門家が龍の子学園に結集できたらいいと思う。


その第一歩としてまず龍の子学園のサイトにアプローチし、知ることからはじめて欲しい。見えないところで、希望のある変化がいろんな所で起こりはじめているんだから。

安定志向願望の復活 ?

テーマ:

リクルートの就職人気ランキング調査で1位から10位まではこんな順位になってます。


みずほFG、全日本空輸、三菱東京UFJ銀行、トヨタ自動車、日立製作所、電通、JR東海、JTB、博報堂、松下電器産業


給与がよい、雇用が安定してる、社会に影響力がある、見栄えがよいところが人気ベスト10です。


大前研一さんは自分のニュースレター「大前研一ニュースの視点」でこれを批判し、「志が低い」「20年後を見据えてない」「自分のやりたい仕事をやるのじゃなかったのか」「成果主義の会社で仕事が正当に評価されるところを望んでいたのではないのか」と批判し、これじゃ若者に期待はできないといってます。


第一感はそんな感じですが、批判はちょっとステレオタイプで、私は学生の心境は単なる寄らば大樹の陰だけでなく、もっと複雑なものだろうとこのランキングを見たとき思いました。


私だって20年後にこのうち何社がベスト10に入ってるのか考えてみても銀行ぐらいしかないのではと思います。そのぐらいのことは学生だってわかってるのにです。


それでは複雑な心境とは何でしょうか。マイクロソフト、アップル、グーグル、マッキンゼー。。。のような会社が日本にない、未来に向かって間違いなく成長力があり、企業文化が柔らかく、社会を変える力がある、しかもクールな感じがする、というような大企業がまだないんです。


これは企業人の責任で、あればこれがベスト10でしょうが、ないので次善の選択になっているんでは。NTTがベスト10に入ってないのは意外なことですが、まだ固いままの文化が嫌われてるんでしょう。


こんなこともあります。一流大学の知り合いの先生が、ゼミの学生がトヨタに入ったとちょっと自慢したので、今がピークで20年後はどうかなといったところ、今の学生は10年だけ考えており、そこで力をつけて転職するライフスタイルを描いてる人が多く、彼の場合ほんとにやりたいのは財団事業だと話してました。


現在どこかの財団に入ってもたいした仕事はできません。日本ではまだ財団はそんな存在になってないんですから。それなら大企業で仕事のやり方を学んだほうが賢明です。


10年で仕事を身につけて、それから自分のやりたい仕事をみつけて転進する、そのための入り口ならこのベスト10はベストな選択です。


こう考えると、変化の多い時代で先が確かに読めないときに最適な選択をしているんじゃないかとも思えます。ジャーナリズム言葉で一刀両断するのは間違いだという感じがします。

生産性加速プログラム

テーマ:

内閣府は先進国の労働生産性を比較し、日本は米国の7割にとどまっている、この15年間はこんな状態だが、その理由は、製造業は米国なみの生産性だが非製造業の低い生産性のためだと発表しました。


非製造業が低いのは、製造業に比べ非製造業のリストラが遅れた、サービス分野の規制緩和が遅れていると分析してます。 そこで、「生産性加速プログラム」をつくり、非製造業に焦点を当てた規制緩和の推進方針を打ち出す考えのようです。


非製造業の生産性が低いのはずっと前からそうでしたが、それに手をつけるのは安部内閣が成長政策を打ち出しているためで、いよいよ手付かずだったところに切り込むのはいいことです。


安部内閣がこの難問に取り組まなくても労働力不足経済になっているので、サービス業の生産性の上昇は自然に進むはずです。そのトレンドに乗る政策なので成功します。


生産性上昇を実現するのがITとネット化です。そのためにIT投資はサービス産業に集中し、パラレルにIT・ネット産業も成長します。


でも、行政サービスの生産性上昇も必要です。内閣府の研究ではこれが抜けてますが、小さな政府になるだけでなく残ったところの生産性の上昇プログラムもなくてはいけない。このあたりがいまいちですが、自らの生産性を上げるなんて言いずらいんでしょうか。


行政サービスの生産性を上げるのは、ここもITとネット化ですが、加えて社会起業家精神です。生産性加速プログラムにそんなことを書けばいいのにと思います。

社会起業家が起こした革新のことをソーシャル・イノベーションとよぶが別の使い方をしいる例を紹介する。


トロンを開発した坂村健東大教授は「変れる国・日本」(アスキー新書)で制度イノベーションのことをこういっている。この本で坂村教授はイノベーションには三種あり、プロダクト、プロセス、ソーシャルである。


プロダクトは製品開発のことで、プロセスは生産工程の革新のことで、日本の産業はこの二種については強いが、三番目のソーシャルでは弱くこれから改めるべきことと主張している。


ソーシャルとは、制度、法律、慣行の革新(スクラップ・アンド・ビルド)のこのとで、技術革新期には前の時代の古い制度が邪魔して普及しないので、ゼロベースに戻し、新しい制度や法律を作る必要があることを強調している。明治維新のときに、江戸時代の武家諸法度や藩制度などがスクラップになり、代わって明治憲法・民法ができたようなことである。


ITやネット技術をすみやかに社会に普及させるためのソーシャル・イノベーションであるが、過去のやり方や慣行を抜本的に変える点では社会起業家が起こすソーシャル・イノベーションと同じである。


こんな時代なので、坂村教授は政府の政策は目標指向型(いついつまでにインターネット普及率を○○%にするようなやり方)ではだめで、環境整備型の政策(イノベーションが広がるような制度や仕組みを変える政策)にしなくてはいけないと考えてるが、政府の審議会や委員会では相変わらず過去の延長の目標指向型が強く、このこと自身のイノベーションが必要だというのはよい視点である。


ソーシャル・イノベーションはまだ少数の叫びであるが、きっと全国民の叫びになるときが来るのだろうと思う。

株式会社 バンタン(Vantan )は、農業ベンチャーを育成するセミナー を開催する。


日時:5月12日(土) 13:30~16:30
場所:丸ビル ホール&カンファレンススクウェア ROOM 1
主催:株式会社バンタン
共催:株式会社NOPPO

・基調講演:
「アグリビジネスの変革~これから先のアグリビジネス~」脇坂真吏(株式会社NOPPO 代表取締役)
・アグリビジネスパーソン講演:
「市民農園を経営する」下山博(有限会社ドミタス代表取締役)
「流通で差別化する」眞々田佐代子(眞々田農園)ほか
・講師によるパネルディスカッション:
「アグリビジネスの成長性」


私はバンタンとは縁がないが、このブログを読んでいる社長室広報の加賀谷さんからメールが来て、「こんなことをやっている、できることなら告知を」というので、面白そうなので紹介した。


「ソーシャル・アントレプレナーを農の分野で輩出することを目指す」スクールの開校セミナーである。食や農業、そして環境の問題に関心を持つビジネスマンで起業を目指している方や、農業経営を目指す若年層、また退職後の農業従事を考えている方を対象に、様々なアグリベンチャーの現状を紹介し、参入のキッカケを創出することを目的としているそうだ。


株式会社 バンタン(Vantan、恵比寿、売上高 06/3期、110億円)は、1965年に設立されたファッション・デザイナーを育成する古い専門学校だったが、2000年代になり「クリエイティブ産業の人材を養成する新スクールビジネスへ事業を拡大展開する新しい戦略」を打ち出し、映画・映像学院、アニメ・マンガ学院、料理教室、スポーツ・ンジャーナリスト・スクールなどを始めたが、今度はアグリベンチャー育成のスクールである。


これまでの教育事業のノウハウをアグリベンチャーに生かして、農業に優秀な人財が集まり、農業が「カッコイイ職業」になるように変えるためにこれを企画したそうだ。


このために、2000年代には学校法人でなく自由度の高い株式会社学校へ改組しているのも面白い。


「株式会社学校」「クリエイティブ産業の人材育成」「アグリベンチャー」のどれも新しいコンセプトで、「なかなかやるじゃないか」という感じで、「ソーシャル・アントレプレナー育成に新規参入」してきたのは嬉しい。


こういうのが時代の先端をはしっている好例である。日本経済の底流でこんなことが起こっていることを知ると、なんだか明るい気持ちになれる。

3月16日号のブログで書いた「フォーチュンの特集:最も尊敬されてる企業ランク」に出てくる「グリーン・イニシアティブ」、これは環境に配慮した事業のことですが、これが進んでいる企業が上位にランクされており今年のフォーチュンランクの特色になってます。総合順位の3位にトヨタがランクされてるのもハイブリッドカーのためです。


企業成長のもとに「グリーン・イニシアティブ」があるという視点は気にいってます。


企業成長のためには俊敏な経営にしろとか、デジタル化しろとか、消費者の視点で見よとかいろいろいわれてますが、同じ並びで「グリーンが主導しろ」なんてクールです。


3月19日号のブログではその代表的な事例として、シリコンバレーにあるTerraPass Incを書きました。ビジネススクールの若い卒業生たちが「炭酸ガス排出権取引の小売」のビジネスモデルを開発した話ですが、ウェブサイトには在来のビジネスモデルでもなく、非営利のモデルでもなく社会起業モデルでやったとわざわざ強調してます。


すでにアメリカ社会に広がっていた社会起業モデルという基盤に乗っけてやったというのが新鮮です。


グリーン・イニシアティブでは、在来の生産方法を改めリサイクル率を高める、汚水処理をおこなう、物流を効率化するなどいろいろと行われてますが、そういうのでなくこれまでとは全く非連続な新しいビジネスモデルが登場しはじめたと感じました。


こういうことは欧米の社会起業を調べていて感じることで、日本の事例からはそうはいきません。社会起業型グリーン・イニシアティブでは残念ながら欧米の方が独創性や先進性があり、学ぶべきことです。


昨日の統一地方選挙では、滋賀県の県議会で嘉田知事派が過半数を占めたと新聞に出てました。選挙前は嘉田知事は県議会で少数与党でしたが、選挙によって逆転しました。これで嘉田知事は新幹線新駅建設反対、脱ダムなどの政策がやりやすくなりました。


嘉田知事は環境学者で滋賀県は関西の水がめなんですからグリーン・イニシアティブ立県を打ち出し、TerraPass Incの滋賀県モデルを始めたらいいのにと思います。


似たことは東京の石原知事にもあり、当選の感想を話したなかに、「選挙の争点は何か」の事前調査で環境問題が上位に来ていたのを知り、世界の問題を東京の問題と考えている都民のレベルは高いと石原知事が驚いたことを話してましたが、東京だってグリーン・イニシアティブ政策をやればいいんです。


石原知事は、スギ花粉症を減らすために奥多摩のスギを細々だが伐採を始めた、60万本の街路樹を100万本にする、学校のグランドに芝を植え、1500面のサッカーグランドに相当する緑をつくるなんて話してましたが、もっと大胆にグリーン・イニシアティブ政策を打ち出し、欧米に比べて遅れた歯車を回転させればいいんです。


こんなのが進んでいる欧米の社会起業モデルが日本でも役立つ話です。

ソニーの出井伸之さんがテレビで「六本木ヒルズ族はアメリカのビジネスモデルを日本でやってるだけじゃないか、私はそれには関心がない、私は技術を源流にしてものづくりのビジネスモデルをつくっている若い起業家を支援する会社を立ち上げたが、技術を源流にすると日本でも独創的なことができるからだ」と話してました。


鉄鋼、自動車、家電、コンピュータ。。。どれも欧米から輸入したビジネスモデルを日本で磨いて世界的な競争力をつくった、ソニーだってそうじゃなかったのかと思って聞いてましたが、それはいじわるな見方で生産的なものではありません。出井さんの理念には一理あり、アメリカ生まれのネットビジネスに殺到している現在の風潮に水をさしており、なるほどそういう考え方もいいなと好感を持ちました。


社会起業だって英米生まれのコンセプトで、その事業モデルを日本に持ってきても日本は英米とは社会状況が違うんですからうまく行きません。そこで出井流に日本でうまく行きそうな社会起業モデルを考えてみました。


◆途上国の貧困撲滅
ユヌスのグラミン銀行、アショカフェロー。。。。みなこれです。英米の社会起業の半分以上はこのモデルです。


貧困脱出策の古いモデルは、先進国の途上国援助→強権的な政府が一から資本主義型の経済をつくり、途中で起こる貧富格差の混乱は強権的な政府が取り押さえる→そのうち資本主義が回転してきて、すみずみまで経済発展の恩恵が行き渡るプロセスを通るものです。


このやり方は生産性が低い(援助が途中で政治家や官僚に抜かれる)、時間がかかりすぎる、腐敗した政府になり社会が混乱するなどの問題があります。


そこで政府や国際機関を通すのでなく、ダイレクトに市場型の起業を増やすことによって企業を増やし、産業を起こし、経済を発展させるやり方が援助する方の先進国ではホット・イッシューになってきました。


これをやるのが先進国の社会起業です。途上国の悲惨な生活をよくしたいという思いからやるので(途上国に投資して収益を上げるのではない)、義憤から発した事業なので「ソーシャル」といってるのです。


このモデルならアジアには貧困国がたくさんあり日本だってできます。でも、開発経済を研究している学者はこんな研究をしておらず、政府、大企業、社会起業の連動も起こってません。政治家、官僚、企業の経営者、ジャーナリストもまだ気づいてません。


いまいちなんですが、日本の社会起業の先発隊としてはこれがおすすめです。残念ですがだんだん欧米に追いついて行くのでしょう。


欧米で進んでいる「グリーン・イニシアティブ・モデル」も日本で応用可能です。環境や健康に適応したライフスタイルを売る事業ですが、日本だって消費者の求めてるものは同じで成り立ちます。


極貧の人びとを悪い環境から救済する社会起業モデルは欧米の定番ですが、これは日本にはここまでひどい生活はないので役立ちません。


日本で独自に開発する必要のあるモデルもあります。「夕張型」(自治体倒産による社会起業での代替、夕張にはその前兆が出てきました)「疲弊した地方経済が活力を取り戻す事業」(政府、自治体、企業の力は無力だったことがわかったので代わるものの開発が必要です)「地域文化の再興」。。。です。


こうした事業の芽は日本でも出てきましたが、社会にインパクトを与えるようなベストプラクティスはまだ見えず、きっと現れるんでしょうがこれからのことです。次回からこんなことを考えてみます。