「松下電器がホワイトカラー3万人に在宅勤務」や「ソフトバンクが出産祝い、5人目500万円」などをみると、企業はいよいよ人手確保に窮してきた様子が伝わってきます。


すでに新卒採用は大学生の売手市場になり、団塊世代の退職で技術の継承ができないと企業は困ってますが、今年は企業が人手確保のためにいろんな手を打ってきます。


この10年は資本の論理がいばってましたが、これからは働く人がいばれる時代になるのはいいことです。


最近はウィークデーの日中に、年寄りだけでなく若い人を住宅地でみかけます。サービス業で働いてる人が多くなり、ウィークデーが休日なってるからです。また都心勤務をやめて、自宅近くで事業をやっていたり、在宅勤務の人も混ざってる感じがします。


毎日都心に出ていると気づかないことですが、都心で働くというライフスタイルが変ってきているのです。


松下の在宅勤務制度は、1000人の実験を経て在宅勤務ができるとホワイトカラーのほぼ全員を対象に踏み切ったのですが英断です。名目は育児、介護のためで週1日から2日が目途で、始業と就業を自己申告するなど意味のないことをやるようですが、こんなことから始まり、1年やってみれば快適なライフスタイルだと気づきますので、数年で定着し当たり前のことになっている感じがします。


ソフトバンクの「出産祝い金制度」は、人材確保のためにマスコミ受けを狙った派手なやり方ですが、同時に発表した
・小学校生のいる家庭では携帯電話端末を無料で配り、基本料金を無料にする
・妊娠から出産前まで勤務時間を最大2時間短縮できる
・入学式や授業参観のような学校行事を理由に取れる「キッズ休暇」(年5日、小学校卒業時まで)
のほうが実戦力があるでしょう。


この二つは3月に目にしたニュースですが、良質な人材を確保するという企業の必死さが伝わってきました。

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子供を増やす政策をとると、女性の労働力率が下がってしまう、それでは労働力不足経済、デフレを終わり現在それへの突入が始まってますが、となり日本経済にとっては都合が悪い、さあどうするかですが、この問題について厚生労働省はこんな試算をしてます。


・女性の労働力率は、30~34歳の未婚者は90%だが、既婚者は48%、子供のいる家庭は母親が子育てに専念するため
・30~34歳の女性の未婚率が現在の30%から15%まで下がると、女性の労働力率は63%から56%に下がってしまう
・未婚率を下げつつ30代前半の女性全体の労働力率を80%に上げるには、既婚女性の労働力率を78%に引き上げなくてはならない


既婚者の女性労働力率を48%から78%まで30%も上げなくてはいけないというところがこの計算の見所です。


子供を増やし(未来の労働力を確保する)、しかも女性の労働力率を高く維持する(現在の労働力を確保する)には、働きながら子育てできる社会にしなくてはいけないのです。


未来の労働力をつくるのは国の仕事です。欧州ではこれに成功したので日本だってできないことはない、2010年ごろには出生率が上昇したとなるんでしょう。


現在の労働力を確保するのは企業の仕事で国がそれを側面から支援する関係です。日本では女性労働力はM字カーブをしており、30才代の真ん中がへこんでますが、このV字型のへこみがフラット化しなくてはいけませんが、このために企業はいろんな知恵を出し、女性労働力を確保することになります。


今まではこれをそれほどやらなくても済みましたが、もうそういうわけにはいかず、数年もすれば多様な働き方が当たり前のことになっていると思います。


労働力不足経済が少子化問題を解決するのです。

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社会起業コンサルタントの田辺大さんが3月4日にあったハーバード大学「2007 Social Enterprise Conference」 に参加したときの感想をブログに書いてます。
http://fp.cocolog-nifty.com/se/2007/03/20734_0f9d.html


この会議で論じられたテーマは「持続的な農業」「マイクロファイナンス・イノベーション」「社会責任投資」「企業の社会責任」「ソーシャル・ベンチャー・キャピタル」「社会起業インキュベータ」「社会企業でのキャリアパス」「財団」「天候異変」で、これをみれば狙いはなんとなくわかります。彼らの関心はこんなところにあり、ハーバード大学らしく大変広く大きなテーマを扱ってます。


田辺さんは4年連続参加してますが、今年は登壇者の人ががらっと変わった印象を感じたようです。4年前はハーバード大学の先生が登壇しましたが、その後地方で事業をやっているおじさんやおばさんに変り(60年代の若いときヒッピーをやり、田舎にこもり地域活動をやっていた人たち)、今年はこの数年で社会起業に参入した若いトップタレントたちが登壇したというのです。


日本でもNPOなどの会合で「おじさんとおばさん」が登場することが多く、使命感だけ強くビジネスプランがないので、これじゃだめだと思って聞いてましたが、その後彼ら彼女らの事業が広がったかというと消えてしまったのが多い。また若く有能な人が社会起業に参入し始めた状況は日本でも同じです。


田辺さんは例としてフェルナンデ・レイン(Fernande Raine)を上げてます。彼女は、CAREER PATHS IN SOCIAL ENTERPRISE のパネルに登場しましたが、ここは社会起業が、今MBAのトップタレントを引き付けているわけ、キャリアを始めるには営利企業からか非営利から入ったほうがいいのかなどを論じあうパネルです。


彼女はニューヨーク生まれで多文化に親しみ、高校とカレッジのときからソーシャルチェンジに関心を持ち、授業のほかに学内・学外活動をいろいろやっていた人です。こんなわけで現在を変える仕事がしたいとマッキンゼーに入りましたが、勉強好きな人らしく2000年にエール大学から歴史学の博士号を取得したり、マッキンゼーを2年休職してハーバード大学で人権政策を研究したりした「長学歴」の人です。日本でもこんな感じの人が社会起業に関心を持っている。


マッキンゼーのあと2002年にアショカに入りドイツとフランスの支部を作る仕事をやりましたが、アショカドイツのお披露目パーティのとき、マッキンゼードイツの人々がずらりと一列に並び、そこで「アショカさん、どうぞ」と勧められて、「その中を私は一人、前に歩いていきました。もう、快感です!」とガッツポーズをとったそうです。


田辺さんはこれを見て、社会起業はアメリカで本物になってきたと直感したのですが、10代のときに正義派・利他主義者として育てられ、勉強ができたのでブランド大学へ行き、投資銀行やコンサル会社に入り、人がうらやむキャリアをスタートしたが、どうも場所が違う、この仕事では私の脳は燃焼できない、とやりがいを求めて社会起業へ転職するというのは今アメリカで起こっていることで、日本でもそうなりつつあります。


こうした一流の人材が社会起業へ参入したのは2000年代に入ってからのことですが、この現象はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本など先進国に共通して起こっていることです。


利己主義者でなく利他主義者による市場経済づくりです。アダムスミスが考えた市場経済はこれなんですから、資本主義経済は古典に戻るトレンドになってきました。

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三菱重工は、自社の風車35基(1基1000キロワット)を黒海沿岸のブルガリアで建設(現地企業との合弁事業、建設費59億円)、国際協力銀行とみずほコーポレートが協調融資する。この担保がCO2排出権、欧州で排出権取引所が開設されるので担保価値が出てきた。


排出権を担保にしたのは世界初で、日本企業グループがこうしたビジネスモデルを開発したのはすばらしく、古い大企業が社会起業へ進出したのもよい。


クリーンエネルギーは発電コストが高いのが悩み、そこで補助金を出してつじつまを合わせてるが補助金にも限界がある、それに代わって排出権売却収入が入れば普及にはずみがつく。いいビジネスモデルである。


次はアメリカの例で排出権を小売した例。
シリコンバレーにあるTerraPass Inc.は、自家用車の所有者を顧客にして、インターネット販売で年数十ドルでCO2排出権を売っている。
http://www.terrapass.com


05年5月の設立から1年で6000人の顧客を獲得し、集まった金を風力、バイオマスなど9つのエネルギープロジェクトに投資し、1億200万ポンド相当のCO2排出と相殺させた。100万人、100億ポンドの温暖化排出ガスの削減を目標にしている。


事業化のきっかけは、ペンシルベニア大のウォートンスクールの授業で、排出権取引は卸売りしかなく小売がない、これでは自動車の所有者は温暖化ガス削減の闘いに参戦できない、排出権を小売する新しいビジネスモデルをつくろうと04年10月から設計を始め、ペンシルベニア大のベンチャーキャピタルから50万ドルのスタートアップ・キャピタルを出してもらって、ウォートンのMBAが集まって設立された。こんなわけで集まった金はペンシルバニア大学の関連プロジェクトへ投資されている。


独創的なビジネスモデルだったので、マスコミの評判はよく「個人が地球温暖化と闘う心を開いた」「フェアトレードコーヒーを買うのと同じファッション」と評価され、フォード、パタゴニア、スコール財団、スタンフォード大学。。。と支援者が続々とあらわれた。社会が待望していたモデルだったからだろう。


TerrapassのCEOトム・アーノルドはウォートンのMBAだが、大学で学ぶ前に非営利の低所得者向けベンチャーキャピタルやコンサル会社の職歴があり、非営利事業の方が入りやすかったが、社会起業を起こしたいと強く思っていた様子で営利にしたそうである。


社会起業にはこんなビジネスモデルがあるんだと感心したが、日本にもあってもよさそうなモデルである。

社会貢献ベスト10

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毎年恒例になっているフォーチュンの最も尊敬されている企業ランクがついこの間発表されました。そのうち「Social responsibilityベスト10社」がこれです。

1 CHS Cenex Harvest States 、食品製造卸の古い企業、コンビニチェーン
2 United Parcel Service
3 Whole Foods Market、テキサス、オースチンにある有機食品スーパー、ドラックストア
4 McDonald's
5 Alcan
6 YRC Worldwide 、トラック輸送の物流
7 Starbucks
8 International Paper
9 Vulcan Materials、建設資材
10 Walt Disney

今年の話題は、3年トップだったUPSがリーダーの座をCHSに譲ったことです。経営が「グリーン・イニシアティブ」になっているところが上位にきており、社会貢献といっても本業の横でやるのでなく、本業が地球環境にやさしい経営になってるところが高く評価されてます。


Social responsibilityは、本業の改革のことになってきているのが見所です。


総合順位のベスト10はこれです。
1. General Electric
2. Starbucks
3. Toyota Motor
4. Berkshire Hathaway
5. Southwest Airlines
6. FedEx
7. Apple
8. Google
9. Johnson & Johnson
10. Procter & Gamble


2位にスターバックスが入ってるのは仕入れをフェアトレードでやってるのと、コーヒーの栽培をグリーン・イニシアティブでやってるのが評価された、バークシャー・ハザウェイは、所有者のウォーレン・バフェット(資産をゲイツ財団へ寄付)の行動が評価された、フェデックスが入ってるのは、カトリーナ災害のとき支援物資を運んだことが評価されたからです。


総合順位では、読者投票をやってますが、3月16日現在18,321票投じられ、トヨタが26%のシェアで2位のバークシャー・ハザウェイの22%、GEの19%を抜きトップになってます。ハイブリッドカーのためでしょうか。


イノベーションベスト10社はこれです。
1 Apple
2 Google
3 FedEx
4 Genentech
5 Nike
6 Whole Foods Market
7 Procter & Gamble
8 Network Appliance
9 Herman Miller 、家具、インテリア
10 Starbucks


FedEx、Nike、Whole Foods Market、Herman Miller、Starbucks が意外、アメリカでイノベーションというとソフト産業でのそれだというのが当たり前のことになってきているからでしょう。


こういうのを見ると、アメリカの産業の方が日本よりずいぶん先に行ってしまってることを痛感します。安部政権は成長戦略政策を始めましたが、「ソフト産業立国」「グリーン・イニシアティブ」「社会起業」のようなコンセプトでなくては追いつきませんね、また先に行ったもにへのキャッチアップが起こります。

団塊の世代をNPOへ

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大川新人編「団塊世代のミッションビジネス」(日本地域社会研究所)が出版されました。団塊の世代が退職後事業型NPOに参入することをすすめている本です。下記サイトから著者割引(送料無料)で買えます。
http://ameblo.jp/aaaokawa


大川さんは、クリーブランドにあるケース・ウェスタン・リザーブ大学院で非営利組織論を学びその修士号を取得してます。現在は多摩大と明治学院大学講師をしており、コミュニティビジネスやNPO論を教えてます。


この本は昨年7月から8月にかけて多摩市の委託事業としてやった5回の団塊シニア起業講座に講師として登場したNPOイー・エルダーの鈴木政孝理事長はじめ経営陣が語った講演録をもとにして作られているために、大変読みやすい本になってます。


NPOは数だけ増えましたが、ボランティア活動の先に設立されたところが多く、使命はしっかりしてますが、経営力がなく経営不在で事業が永続できない欠点があります。


永続できないもう一つの理由が、自治体の下請型で、自治体が予算をカットしているため委託が打ち切られてる事情もあります。これを打開するには財源を企業や個人に変えなくてはいけませんが、それにはサービスの開発が必要です。


そこで企業で経験をつんだ専門職がNPOの経営にかかわれば、この欠点が克服されるというのがこの本がいいたいことです。


鈴木さんは日本IBMで社会貢献担当部長のあと定年退職し、リユースPCをNPOや学校に寄贈し、さらにIT講座を開講し障害者がIT技術を身につけて仕事につけるようにする活動をやってます。この5年間で4000団体に15,000台のリユースPCを寄贈した実績があり、事業型NPOとして高名です。鈴木さんのほか、イー・エルダーの事務局長、事業推進担当理事、プログラム担当理事などが語っており、事業型NPOのさきがけであるイー・エルダーのことを知ることができます。


一方で経営力や専門力が欠如しているNPOがあり、他方で死蔵され行き場のない専門力がある、このミスマッチを埋めるために、団塊の世代で事業型NPOをつくり、社会問題を解決する提案は無理のないもので理にかなったものです。団塊の世代の次のライフスタイルの出口として増えて行きそうな感じがします。

家具のイケアの株を持ってるのはオランダ・ライデンにある財団スティヒティング・インカ・ファウデーションで、これがイケアを統治してます。財団が持ち株会社の役割をやってるなんて初めて聞きました。


創業者のイングヴァル・カンプラードは、株式を公開し株主に経営を左右されることを嫌い公開してませんが、さらに三人の男の子へ株式を譲ることも嫌い持ち株を財団に凍結しました。


ビル・ゲイツ、ヒューレッド・パッカードの2人など一代で成功した起業家は持ち株を財団に譲り、財団で社会貢献活動をする例はたくさんありますが、イケア財団の場合、企業統治のための財団で、こんなのは例がありません。


The Economistは、06年5月13日号で Flat-Pack Accounting イケアの不思議な企業統治方式を記事にしてます。エコノミストの記事はさんざん調べたが構造は複雑すぎて解明できなかった、コーポレート・ガバナンスには問題ありという調子の記事になってます。


これは欧州のジャーナリストの間では不思議なことに思われているようで、ドイツの若いジャーナリスト、リュディガー・ユングブルート(シュテルン誌やシュピーゲル誌で経済記事を担当)が昨年6月に「イケア:超巨大小売業、成功の秘訣」(07年2月、日経新聞)を書きこの問題に切り込んでます。


イケアはスェーデンで創業し、ドイツに展開して成功したのが世界企業の始まりで、ドイツが今でも最大のマーケットになってます。それだけドイツのジャーナリストはイケアに関心を持ちイケアの研究をしているようです。


この本によると、創業者のカンプラードは、徹底した節税主義者でスェーデンからスイスに経済亡命し、現在もスイスに住んでます。70年代の半ばにスイスの弁護士軍団を雇いイケアを難攻不落の城にする研究を行い、オランダに財団を設立して自分の持ち株をここに移しました。オランダでは財団は国家の監視がなく、公共目的に役立たなくてはいけないという規定もありません。


イケアの経営を支配してるのはこれで、理事長はカンプラード夫人、理事は身内とスイスの弁護士です。一種の家族財団のようなものですが、この財団がインカ・ホールディング(各国に200の企業を展開しているイケア・グループを総括している親会社)の株を所有し、イケアを支配してます。


徹底的した合法的な節税で、税負担は40%が15%までに減っているというドイツの研究も紹介してますが、ドイツでは不透明な組織で外部の者にはとても理解できないともいわれてます。


オランダの財団を使えばこんなことができるのに追随する企業がないのはなぜなのか、ここが不思議ですが、イケアの特異なやり方なんでしょう。コーポレート・ガバナンスで問題がなげかけられている時代に、だいじょうぶなんでしょうか。こんなことをやってると、公権力に隙をつかれるのでは、権力はこうするのが好きですから。

第7回:3月19日(月)18:30スタート!


あなたの宝物、地域の宝物が “コンテンツ” に変わる~コンテンツファンドの可能性~


橘川栄作 茨城県教育庁生涯学習課社会教育主事、元映画波山製作委員会
山田耕平 ミュージシャン
猪尾愛隆 ミュージックセキュリティーズ(株)取締役


地域を活性化させ、人を明るく健康にするために、地域に埋まった宝物、人々の無意識にある共通の宝物を、映画や音楽という“コンテンツ”に変えて社会に表出する人々のWILLとSKILL。

その資金調達を含めたビジネスモデル:「コンテンツファンド」の可能性は今なお拡大中です。ぜひ、その手法を知るために、ご参加ください!

☆詳細・講師プロフィール・お申込はこちらから:
http://www.tkfd.or.jp/event/detail.php?id=20


第8回:3月22日(木)18:30スタート!


おらが町の身の丈ファンドで地域活性~「さわかみファンド」と「浪花おふくろファンド」の哲学と挑戦~
澤上篤人 さわかみ投信株式会社 代表取締役
石津史子 浪花おふくろ投信株式会社 代表取締役


ご存知、さわかみ投信の澤上社長と、その思いにビビッときて自らも「浪花おふくろ投信」を立ち上げた(認可申請準備中)石津さん のWILLとSKILL。

ファンドレイジングに困っているまちづくりNPOや商店街の皆さん、また、公的機関で景気対策や地域活性をご担当の方々、ぜひ、お二人のWILLとSKILLから、目からウロコの「おらが町活性法」のヒントを得て下さい!

☆詳細・講師プロフィール・お申込はこちらから:
http://www.tkfd.or.jp/event/detail.php?id=21


☆両日とも、以下情報をご確認ください。
■会 場: 日本財団ビル2F・大会議室(東京都港区赤坂1-2-2)
■定 員:  先着200名  
■参加費: 無料
■タイムスケジュール:
18:00 開場
18:30 開会・講演
19:30~20:00 パネルディスカッション
20:00~20:20 質疑応答
20:20~21:00 名刺交換会(軽食付・無料)
※ 名刺交換会のみ参加は不可です

■お問合せ先:
東京財団(担当:内田) TEL: 03-6229-5502
uchida@tkfd.or.jp

前々回に書いたこの本の面白さは、世界中にどんな社会起業モデルがあるのかでなく、著者の脳に宿っている考え方にある。著者は、「おわりに」でこう書いている。


「ここで紹介した人たちの探究心、根気、創造性、決意こそが”奇跡”なんだ」
「新しい起業家たちは、確固たる自分のポリシーをもち、人間の力、世界を良い方向に変えてゆく力を信じている」
「僕らの世代はイデオロギー的な議論に熱くなった経験をもたない。。。”何とか主義”という言葉は、”実践主義”以外、現代には通用しないのだ」
「僕らにとっての”実践主義”は、ライフスタイルでもある」
「現代に求められているのは、かってヘンリー・フォード、トーマス・エジソンがもっていた、今であればスティーブ・ジョブズがもつような躍動感、未来に続く革新的な発想に結びつける新しいタイプの起業家像だ」
「旅をし、多くの人にめぐり会ううちに、新しい世界がもうすぐそこにあるような気がしてきた。マスコミで取り上げられるのは、現状を批判し動こうとしない評論家ばかりなのが残念でならない、効果的な解決策を考え、実行しようとしている人たちがもっといるのに! 本当のヒーロー、ヒロインは彼らだ。彼らこそ、新聞の一面で取り上げられるべき人なんだ。。。口先だけの奴らは声を失って呆然とするだろうけどね」


著者たちは、440日間世界をめぐり、38ヶ国113件のインタビューを行ったが、この準備のためにブラジルからパリに戻って5ヶ月間訪問先を探した。その作業を手伝ったのがコンサルティング会社ビ・シチズン社長のマクシミリアン・ルエで、30才ぐらいの著者たちよりも5才ぐらい年長の兄貴分だった。


ルエは本の「解説」でこう書いている。
「過去のモデルに同化できな若者たちがあるれている。過去のモデルは、自分たちの現実にピンとこないのだ」
「彼らは、両親の経歴をなぞったり、大きく快適な車に乗って、大企業で出世したりする道を拒む」
「これまでだったら大企業に就職したであろう者たちが、センスのない大企業を見捨て、もしくは次の職へのステップアップのために踏み台程度にしか考えなくなっている」
「数ヶ国語に通じ、ネットワークをもった若者たちは、これまでの世代以上に世界を身近に感じている。旅費も安くなり、25歳にして、旧世代が一生のうちに経験する以上の海外旅行を経験し、世の中をみつめることができるようになった」
「新しいタイプの複雑な問題に関しては、上からの一方的な解決策だけでは無力だと確信し、複数の視点から結果を求める解決策を模索するようになった。新しい世代の者たちは、旧世代の者たちが自分たちの特権に固執し過ぎていたことを早々と見抜いた上で、問題に立ち向かう」


これがパリにいる若者たちの感性だが、日本とそっくり。フランスの社会起業についてはほとんど伝わってこないが、これでわかった、日本も、アメリカも、イギリスも、フランスも、起こり始めてることは同じである。社会起業のコンセプトは、先進国のどこでも湧き起こりつつある思潮の先端なんだ。

東京財団でやるイベントです。

【スピーカー】
木下斉(東京財団リサーチ・アソシエイト、株式会社商店街ネットワーク顧問)
【コメンテーター】
安井潤一郎(衆議院議員、「早稲田いのちのまちづくり実行委員会」の実行委員長)

保井美樹(法政大学人間社会研究科助教授)
【日 時】 2007年3月20日(木)18:30~20:30
【場 所】 日本財団ビル2F大会議室
【定 員】 80名(参加費:無料)

◇お申込・詳細はこちら
http://www.tkfd.or.jp/event/detail.php?id=16


木下さんは、早稲田大学の学生だったとき、㈱商店街ネットワークの社長をやっていた学生社長でマスコミにはしばしば登場していた有名人です。現在は一橋大学大学院で経営学を学んでいるので社長業をやめてます。


このイベントは、木下さんが東京財団の助成で商店街活性化策について1年間研究した成果を発表する会です。


商店街はどこでもシャッター街になっており、何をやってもいまくいかない、打つ手がないのが実情でしょう。一方、ずっと繁栄を続けている商店街もあり、珍しいせいかTV番組の定番になってます。


私はこんな実情を見ると、商人がいなくなった商店街が衰退し、商人が経営してる商店街が繁栄を続けてると感じます。サラリーマンをやめて父親の商店をついでもうまく行くわけはないんですから。こう考えると、商店街を活性化させるには商店の原点に帰り、商人を育てよとなります。それには中学生ぐらいのときから商人の道を教えなくてはいけません。21世紀の商人道は何かが考えどころなんですが。


木下さんは何を語るんでしょうか。