OKRの効果
社内でOKRを導入してみました。目標管理をどうするか悩んでいるスタートアップも多いのではと思い経験をシェアします。前提これまでは3ヶ月ごとに方向性を決めて、担当者で目標を決めて分担していました。(運用はWBSのような形でマイルストーンやタスクに切って管理していました)現状も3ヶ月ごとのサイクルは変わりません。pros①ムーンショットを目指す文化これまでは評価・査定に目標達成度が直接結びついていたため、達成したいがゆえに社員が目標を「置きに行く」ことも多くなっていました。つまり100%達成が事実上20%ぐらい頑張れば達成できてしまうような状態が発生してしまっていたのです。なので、OKR導入とともに評価を切り離しました。給与や評価は、あくまでも"会社が社員にどうあってほしいか"を体現しているべきと思うんですよね。そして会社としても個人としても、達成すべき目標が個人の現在の能力に左右されるのは両者の成長が止まってしまいます。そのため、OKRのOには本当に達成が難しいものを設定し、評価・査定は振り返りの面談を行ってOKRの達成度を参考値に使うようにしました。実際に、3ヶ月前には考えられなかったような結果を出すことができました。②一枚岩これまでのやり方だとできることから話が始まるため上段の目標がバラバラになることも多く、個人事業主の集まりのようになることがありました。OKRにしてからは誰の得意不得意という話からではなく「会社としてこれを達成する必要がある」というところから話が始まるため責任者は置くものの、横の連携が増えたように思います。cons①運用が難しく慣れるまで大変目標設定が非常に難しいです。もちろんどんな方法でも目標の建て方にセンスは必須ですが、OKRだと本当に高すぎる目標を置いてしまいがち。OとKRの関係がMECEじゃないようなこともしばしばありました。ここは毎週目標自体の振り返りを全体で行うことでカバーしています。その際、目標自体を変える必要があれば、全体の承認を持って修正しています。このやり方が正しいかどうかは未だ不明ですが、一旦その運用という感じです。OKR導入を推進する担当者は、OKRに対して深く理解をした状態で導入すること、月ごと等の大きな振り返りや再設定のタイミングには必ず出席することが全体が迷いなくOKRに沿って走れる条件かなと思います。また、Oまでは全体で決めて、KRは次週までに各自が考えて持ち寄る、という形式がうまく行くような気がします。人数が多いMTGだと、月に届くようなアイデアは出にくい気がするためです。②兼務が辛くなるこれまでの方法だと割と2,3個の目標を持つことも普通だったのですが、OKRだとムーンショットを狙っているため、一つの目標が非常に重たいです。というかそうなっていないとOKRの意味がないのかもしれません。そのため兼務(目標2,3個持ち)は避けたほうが良さそうです。これは導入してみて初めてわかりました。③リソースが足りない(足りなくなる)これも②に近いことではあるのですが、スタートアップらしい課題だと思います。Oで目標整理するまでは良いとして「じゃぁKR誰やる?」となったときリソースが足りないためどうしても兼務せざるを得ない人が出てくるんですね。これに関してはTECHFUNDでは実験的に、本来担当者を置くべきところに「NEW」と入れることにしてみました。つまり、「これができる新たな人材を採用しようぜ!」という運用です。そしてOの一つに「必要な人材を調達する」という目標を入れて管理してみています。うまく行くかどうかは、また3ヶ月後に振り返ってみようと思います。全部はお見せできないので概要部分だけ。こんな感じでOKR管理しています。細かい説明はここでは取り上げないためわかりづらいと思いますが、ざっくりでも伝わるといいなと思います。OKRを導入して初めての3ヶ月間でしたが、今のところ割とうまくワークしているため、導入してみてよかったなと思います。上記青文字にした箇所と同じような課題を持っていて、consを乗り越えられそうな企業ならば、OKRを導入すべきと思います。ちなみにスプレッドシートで管理しています。元CA同期がやっているサービスでHR Brainという、OKRも使える目標管理SaaSがあるのでツールはそちらが良いかもしれませんね。