大きな第一歩!

ちょっと生々しい話になってしまうが、僕のように医学研究に携わっていると、人間の病気のメカニズムを解明するために細菌とか細胞とか動物などをモデルとして用いて実験を行う必要がある(こう言う研究を「基礎研究」と言う)。

 

 

しかしそのような基礎研究で見つかった発見は非常に価値のあるものではあるが、その結果と100%同じことが人間で起きるかと言うとそうではないことの方が多いのが現実。

 

 

かと言って人間を使って実験ができるかと言ったら、そんなことが倫理的に許されるわけもない。

 

 

最終的に薬の効果などをみるためには、人間に投与してみなければならない(これを臨床研究という)が、それは研究の中では相当先の話で、僕らのような基礎研究者がやっている研究がそこまで行くのには一般的には何十年とかかると言われている。

 

 

だからと言って、ちまちまとやっていればいいかと言うわけでもなく、基礎研究をなるべく早く臨床研究に持っていくにはどうしたらいいかを考えるのが、最近の研究の主流となっていて、患者さんの診断に使う検体(例えば血液など)を用いて基礎研究の結果が人間にも効果があるのかを検証することが推奨されている。

 

 

ここまでちょっと前置きが長くなってしまったが、

 

 

簡単に言うと「どっぷり基礎ではなく、なるべく人間に近いところで研究をしなさい」と言うのが最近の流れ。

 

 

と言うことで、ここ最近はあらゆる施設で患者さんの血液や診断に使った標本が保存されるようになってきた。もちろん、うちの施設でも保存する流れになっている。

 

 

それはいいことなのだが、僕の研究はとても特殊なので、僕の研究に有用な検体を手に入れることは非常に難しい。

 

 

しかし全く手に入らないかと言うとそういうわけでもなく、他の施設ではそのような検体を保存しているところもある。

 

 

うちの大学ではその検体を保存していないことはあらかじめわかっていたので、僕はこの大学に来た約2年前にその検体を集めようと動き出した。

 

 

確かに簡単じゃなかった。。。

 

 

まずそれを手伝ってくれる医師を見つけ出し、許可を取るための書類を一緒に作成し、どこでその検体が採取されてどこに運ばれているのかを探り出し、などなど、ここではとても書き切れないほど沢山のハードルを乗り越えて来た。

 

 

いろんな部署をたらい回しにされたことも数知れず。その度に「こんなことが簡単にできるはずはない」と否定されまくり、さらには、つい最近不採用になった研究費の申請書(こちら)にも「こんなことができるはずがない」と書かれていた。

 

 

しかし今日なんと、その検体の第一号がうちのラボに届けられたのだ。

 

 

やったー!!

 

 

ヒューヒュードンドン!!!

 

 

ここまで本当に長かった。でも、諦めずに続けてきて本当によかった。

 

 

まぁ他のラボメンバーは、僕が裏でどれだけやってきたかをあまり深くは知らないので、その検体が来たことにそこまで興奮していなかったけど、僕にとってはかなり感慨深い。

 

 

まだ一つしか手に入っていないので、そこまで大喜びするのはちょっと早い気もするが、これでかなり「大きな第一歩」を踏み出せたと思う。

 

 

さて次は「この貴重なサンプルをちゃんと活用してさらに研究を進めるべし」だな。

 

 

 

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