話し合い

何だか昨日からイタリア人や日本人友人から人間関係の悩みをいっぱい聞いている。
イタリアでは、とことん話して、ときには喧嘩して、友達でも家族でも恋人でも、解決の道を探しているようだ。
ときにはそれが、自分の言いたいことだけ言ってるうちに、よけい興奮して、"何言っても、無駄"みたいなヒステリー状態になる人も見るけど。(男女問わず、でも女性の場合、そうじゃない人の方が少ないかも。たぶんローマだから皆、感情的なのかな?北の方は違うのかもしれないけど。)
恋人同士の喧嘩とか聞いていると、もう別れるんじゃないか、と聞こえるすさまじい喧嘩しておきながら、けろっとしてその日のうちに仲良くしているし。

よく「日本人は急にぷっつり絶交状態になるんだね。」と言われることもあるので、(男女間に関わらず、友達として)彼らは、もっと話し合って譲歩したがっているのに、とも感じることもあり、ちょっとしたことで人間関係をクローズしてしまうのは日本人の悪いくせなのかな、と思ったり。
日本人としては「何いっても無駄」のヒステリー状態のイタリア人と口論するよりは、クローズしちゃった方がいいって気持ちもわかるけど。
最もいっしょに働いていたり、または住んでいたり、となると、そう簡単にクローズもできずに不満が出て、誰かに言いたくなる気持ちもまたわかるし。
でも。本人同士、やはり話し合わないといけないと、個人的には思う。考え方や意見が違うからといって、その度に友達を切っていては、きりがないし。
よほど許せない行為や言動をした、という以外は、たいていの場合、誤解だったり、譲歩できる部分もあると思うので。
たぶん自分のことを100%理解してくれる人というのに会うのは難しくても、50%、60%、共感できる友人がいたら、残りの部分は考え方が違っても、「許せない」じゃない限り、解決の道はあるんじゃないか、と。
「これ、かわいい」「これ、面白い」「これ、はやってるんだって」で会話が終始する、ただ、表面的なつきあいだけをしている人たちには、関係のない話だろうけど。(若い日本人を見てときどき思う。)
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弁護士の友人K君(仮名)とのおしゃべり。
イタリア人も最近では国際結婚も珍しくないし、また離婚も増えている。
イタリアの国際結婚で離婚率の一番多いのが日本人女性とイタリア人男性だとか。
彼の意見によると、イタリア人男性は日本人女性に理想をいだいており、日本人と付き合う、または結婚することに舞い上がって現実の見えていない男が多いのだとか。
だから、例えばフィリピン人や中国人と付き合うイタリア人は、彼女の国籍に関係なく、彼女個人を見ているだけなんだけど、日本人女性の場合は違う。もともと文化の違いを理解するのもお互い大変な上、まず、日本人女性への憧れ、というところから始まっているので、付き合いだしてから、または結婚してから問題が起こることが多い、という。
また、日本人女性の方も、軽い気持ちで(単に日本を脱出したくて)イタリアに来て、彼氏または夫を探している人たちが多いので(他の国の人々はイタリア人との一時的な情事を楽しむことはしても、それ以上は望んでいないという。)
私は国によっては違うと思うけど。経済的に貧しい国の人たちは、愛はなくてもイタリアで経済的に助けてもらうために結婚するケースだってあるだろう。どう見ても不釣合いなカップルっているから。(年寄り金持ちと外国人....見た目だけで判断したくはないけど)
まあ、たくさんの実例を見てきたんだ、というK君のいうことに、「違う、日本人はそうじゃない。」と反論もできず、「えー、そうなの?」を連発するばかり。
「でも、私の知ってる人たちは、日本人イタリア人のカップルでうまくいっているよ。」と言うと、「でもうまくいかない場合もたくさんあるんだよ。」と。
これ以上は書けないことばかりになりそうなので、今日はこのへんでやめておきます。
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今日の新聞1/28

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きょうのフリー新聞「Leggo」の一面。

ローマ中心部で路面電車の衝突。原因は信号無視。負傷者5名。事故は朝、復旧作業に夜7時までかかったとか。
現場は以前私が住んでいたところの近くで、この電車も毎日利用していたので、他人事ではない気がした。
こんなにもいいかげんでいいのでしょうか。おまけにこんな汚い電車。(見えるでしょうか?)

左下はコロッセオの前に止まる車に雪が積もっているもの。
昨日からちょっと雪が降ったりしています。でも郊外だけで、中心部は全然降ってないけど。昼間は日が照ると日差しは強いし。

家の中は暖房で暖かいのだけど、この暖房、自動的に建物全部に入るので、家に誰もいない日中も入っている。調節が各自でコントロールできないのだ。
暖房費が高いのも当然だ。(ちなみに新聞の左上の記事はまたガス代が上がる、と書いてある!)それももったいないのだけど、エネルギーの無駄遣いにも違いない。
イタリアには省エネという言葉がない.....
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戦場のピアニスト

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1月27日。この日はアウシュビッツ開放記念日だった。
今年はその60周年ということで、テレビ、ラジオ、新聞と報道も大きくニュースされている。
まだ、60年しかたっていないんだ、というのが正直な感想。悪夢のような事実。地獄。

テレビでも今夜は映画「ビアニスト」が放映されている。(邦題は"戦場のピアニスト"というみたい。イタリアでは "Il Pianista"だった)
2年前に映画で見たが、こんなにもショッキングな映画とは想像していなくて、でもその事実に、ピアノに、感動した。
生と死の間を行ったりきたり、奇跡的に助かった末、何年ものブランクのあとの、命をかけた演奏。
人は極限の状況になると、とんでもない力を与えられるのかもしれない。それを受け入れるだけの力が事前にあるかどうかにもよるのだろうけど。
彼のピアノを弾きたい、という強い情熱が彼を奇跡的に生き残せられたのか。実話だなんて、凄すぎる。

この間、テレビでアメリカのテレビ番組を紹介していて、ピアニストの主役、「エイドリアン・ブロディ」が出ていた。
シリアスな映画とは打って変って、ヒップホップの黒人シンガーのまねをするわ、筋肉ムキムキ長髪エロティック変態っぽいダンサーの役をするわ、で、めちゃくちゃ面白い人だった。
俳優として多才な人だと思った。私は面白い彼の方がもっと見てみたいかな。

滞在許可証

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滞在許可証を更新に行く。
滞在許可証は住んでいるところの近くの警察(といっても私の場合バスと地下鉄を乗り継いで歩いて計30分ほどかかる)で手続きをするのだが、その条件状況はそれぞれ違う。同じローマ内でも違うので、他の都市は全く違うと思う。都心ほど(外国人が多いので)面倒で大変なことになっているらしい。
以前住んでいたところは、1日の締め切りが15人とかで、事務所が開くのは8:30にも関わらず、朝の6時ごろから順番待ちに行ったのだけど、現在住んでいるところは、人数制限なしで、朝8:30に行って、順番さえ待てば(1時間くらい)手続き完了だったのだ。
今回も、そうしようと思っていたら(結局はそうしたんだけど)友人が何ヶ月も前、「手続きのための予約」をしなければいけなくなった、という。
期限がきれる1ヶ月前に、手続きにいったら、毎日その日に事前に予約した人しか受け付けないから、その予約をしなければいけない、という。で、予約をすると、それが4ヶ月も先の日に。
じゃあ、滞在許可証の期限が過ぎてしまう、のだが、予約日を書いた紙が証明になるから、法的には大丈夫、と警察は言う。(でも国外に出るのは問題だと思う)
で、その予約の受付が1日10人とかで、彼女は朝6時に行ったらもうとっくに締め切られていたので、夜中の2時3時に行って、何時間も待ってようやく予約にありつけたのだとか。
また別の人は、前日の夜中12時から待ったとか。信じられない。冬なんか凍えちゃう。零下なんだから。
また別の人は(外国人住宅地に住んでいるので)いつも大変で、前回は12時間待ったとか。
トイレとか、どうするんだろう。誰か同伴に来てもらって、場所とっていてもらうとか?
何でも規則が2004年の5月あたりから変わって、この予約制度や人数制限も今までなかったところが始めたりしている、という。
それで心配になって、電話したら私の最寄の警察は「いつも通り、書類を持って、朝来ればいい、予約はいらない。」と言われたので、安心して行ったのでした。
待つこと1時間半、手続き完了。といっても受け取り時引き換え用の半券なので、正式なのは、またいつ貰えることやら。

盗難にあったこと2

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泥棒をするのはプロの泥棒だけとは限らない。

教会のフレスコ画を修復していたとき、2人の荷物がバッグ、リュックごと、なくなったことがある。
私たちは関係者だけが入れる控え室に荷物を置いていたのだけど、彼女らはそれが面倒だったからか、自分の近くが一番安心と思ったのか、作業場に置いていたらしい。
バケツの水を替えにいっているすきになくなっていたという。
私たちその他大勢は高いところで作業していたので、誰も気がつかなかった。
教会の中だって、盗難に合うのだ。
若い修学旅行の外国人観光客(お店では一番スリの常習犯)が入ることもあるし、乞食だって入って来ることもある。

学校でもちょっとした物がなくなることはしょっちゅうあった。修復用のワニス絵具はセットで1万円くらいするのだが、それが一式なくなったことがある。
私はクラスメイトと共同で使っていたのだけど、彼女が教室に置き忘れ、午後、取に行ったらなかった、という。
仕方なく、買い換えるはめに。またこれは私たちだけでなく、他の人たちもあったし、筆やヘラなどはしょっちゅうだった。
クラスメイトは皆仲良かったし、クラス以外の子達も顔見知りの小さな学校なのに。高い授業料を払っている、決して貧しい人たちではないのに、その中でおこる事が、びっくりだった。

私が今まで働いたお店では盗難の問題はなかったけど、いろんな話を聞くと、私物の中から現金など盗まれることもあるそうだ。
たいてい新人や短期ヘルプの人が来たとき起こるから、彼らのせいだろう、ということになるらしいが、実際は犯人を彼らのせいにして、身内の同僚がやってるのかもしれないし、安心できない、とか。
いつもは10ユーロ以下しか持ち歩かないのに、たまたま外で食べる予定があって、50ユーロ財布に入れていたら、なくなったとか。
ロッカーなんてものはなく、従業員用の更衣室があったり、倉庫や引き出しだったり、そんなものなんで。

私が一番ショックだったのは、家の中で盗まれたとき。
いつも部屋のドアは鍵をかけてなかった。
いっしょに住んでいた人たちを信用していたし、彼らもいつも開けっ放しだったし。
ある日、貴金属類を入れていた引き出しを開けると、かなり減っているのに気がついた。(いくつか安いアクセサリーだけ残っていた)
めったに使わないので、いつなくなったのか、全部一度になくなったのか、1つ1つなくなったのか、わからない。
新入社員のころ、一生懸命働いて奮発して買ったものとか、思い出の物とか、そういう物がなくなったショックももちろん大きかったけど、何より、誰が?というのが怖かった。
いっしょに住んでいた人たちを疑いたくなかったけど、彼らの他には考えられない。
手がブルブル震えて、一晩中眠れなかった。
翌日から家探しをはじめ、まもなく引っ越した。
あまりにもいい人たちで、私が10日ほど入院したときも毎日来てくれて、とても信頼していたので、人間不信になりそうだった。
今でも思い出すと胸が痛みます。

日本人カップル

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イタリア人同僚に言われたことがある。
「今の日本人カップル、絶対ハネムーンだわ。いかにもそんな感じだった。」
私が、「イタリアに来ている日本人カップルはハネムーンか結婚した人たちだよ。恋人同士の間ではせいぜい国内旅行で、イタリアまでは来ないよ。」と言うと、
「えー、この21世紀になんて時代錯誤なの。日本人ともあろう先進国がそんな古い考えでどうするの。」と言われてしまった。 実際は恋人同士でも、旅行しているのかな?いちいちカップルに聞くわけいかないから、わからないけど。
日本人カップル、大いに婚前旅行しましょう。イタリアでは常識です。

ジオット

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「ジオットはコンパスなしに正確な円を描いた。」というのはイタリアでは有名な話。例えば円を描く時、「ジオットみたいに」と言ったりする。
というのも、16世紀にジョルジョ・ヴァサーリが「列伝」を書き、13世紀からルネッサンス期の多くの画家建築家のエピソードを残しているから。
おかげで、そういう小さなエピソードから、どこに誰が何を描いた、とか、今は現存しない数々の作品や、その細部の描写に至るまで、知ることができる。ヴァザーリが実際に歩き、見て記録しているのだ。
また、白水社の「ルネサンス画人伝」のおかげで、現代日本語で読むことができる。(原文16世紀のイタリア語は...いつか挑戦したいけど)
このヴァザーリによると、ジオットは羊飼いの少年だったのだけど、石に絵を描いているところを偶然チマブーエの目にとまり、弟子になったという。
やがてそれまでの中世の平べったい画法から、ルネッサンスへの橋渡しとなる遠近法や写実的な画法を取り入れ、画期的な新しい作品を描き、注目された。
イタリア人にとって、ジオットは後のミケランジェロやダ・ヴィンチに勝るとも劣らない、自慢の天才なのだ。(と、私は時々感じる。)
まあ、それも実際にアッシジのサンフランチェスコ教会やパドヴァのスクロヴェーニのフレスコ画を見ると、納得する。
圧巻、の一言。人々の表情、色、構成、繊細さ。
ところで、アッシジのサンフランチェスコ教会のフレスコ画は、ヴァザーリの記録により、長い間ジオットの作、と信じられてきたのだけど、最近、バジリカの上方部は「ピエトロ・カヴァリーニ」の作ではないか、という疑問が起こっている。
ピエトロ・カヴァリーニといえば、ローマのサンタ・チェチリア教会(S.Cecilia)のフレスコで有名だが、彼の描写、特徴とアッシジの物が重なるほど酷似しているらしい。
提議しているのは、ブルーノ・ザナルディという編集者なのだが、大物、フェデリコ・ゼーリ(美術史家、鑑定家。出版本多数、日本語訳も有り)も、賛同している。
アッシジのジオット作と思われていたものが、そうじゃなかった、となると、これはとんでもないスクープなんじゃない?と私は思うのだが、観光名所アッシジ=ジオットみたいな図式が出来上がった今、現代科学の分析によって、歴史がくつがえせるのだろうか?
残念ながらフェデリコ・ゼーリも亡くなってしまったので、この先、どういう展開になるか、わからないけど、イタリアに、この一石は大きいのではないか、と思う。常に改革、発見はあるべきで、いつまでも現状維持にしがみついてはいられないでしょう、イタリア人。

石けんいろいろ

現在のほとんどの日本人は毎日お風呂またはシャワーをして、洗髪もほとんど毎日してるんじゃないかと思う。
イタリアで光熱費込みで部屋を借りていたとき、「あなた、毎日、シャワーして、洗髪もするの」と言われたことがある。
水道ガス代がかかるのを心配されたのだ。洗濯機を使うのも制限されていたし。
イタリア人は人にもよるけど、シャワーするのは夏はともかく、冬は2,3日または数日おきのよう。(友達と彼らのいままでの同居人のデータによると男性の方がまめ、のようだ。)
だから、シャンプーとか、強いのが多く、毎日洗える用にはそう表示がしてある。また全体的に値段も高い。

今日、化粧品やバス用品を売るお店で働いている日本人Kさんとそういう話になったのだけど。
日本人にとって、お顔のケアの基本は「洗顔」。とにかく、しっかり汚れを落とすこと。
ところがイタリアには洗顔石けんがない。メイクおとしのジェルや溶液はあるけど、泡のたつ洗顔石けんは販売されていないという。
そういえば....私は、日本製石けん(日本から持ってきてもらったり送ってもらったりして)や、イタリア外に出たとき買ったり、それもないときは、ジェルと石けんと2、3度洗いしていた。
イタリア人はというと、石けんかボディーソープで洗うだけで、メイク落しにはこだわらないらしい。
布団の上下にシーツを引いて寝るのも、布団がメイクで汚れるのを防ぐためだという。
そんな洗顔で将来くすみだらけにならないのだろうか。もともと皮膚の作りが違うのか。
Kさんがメイク落しと洗顔(資生堂はイタリアでも洗顔ソープがある)をイタリア人客にすすめると、「へーえ、じゃあ買ってみようか。」と言われるときもあるけど、たいていは、「どうして2つもいるの?どっちか1つでいいじゃない。」と言われる場合が多いという。
(だからあんまり日本式洗顔を無理にすすめたりもしないらしい。)

それに反して、清潔なのが、イタリア人はトイレのあとはビデ。だから毎日お風呂に入らないのかもしれない。
ビデ用のソープなんて殺菌の強そうなのから匂い各種、いろんな種類が売っている。
そんな存在なんて知らないから間違って液体ソープだと思って買ったらビデ用だったという日本人もいるようです。
気をつけましょう。(Intimoと書いてあるのがそうです)

盗難にあったこと1

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私が初めて盗難にあったのは、2度目にイタリアに来たとき。1人旅。(現在はイタリア3度目にして滞在中ということになる)初めてのときも1人で大丈夫だったから、という油断があったのかもしれない。
スーツケースをかかえ、ローマのテルミニ駅でジプシーに囲まれ、(最近こういうジプシーはいなくなった)追い払っているうちにパスポートと現金数万円を盗まれていた、ということにホテルに着いてから気づいた。
パスポートなしでは、ホテルにも泊れず。「ジェノバ通りの警察に行け」と言われる。
「せめてその間、荷物だけでも置かせて」と言ったけど、聞いてもらえず、重いスーツケースをひきずって、地図を見ながら警察へ。とても暑かった。
盗難届に来た、と言うと、警察は「今日はもう締めるから、明日来い。」と言う。
「パスポートを盗まれたの。盗難届を持っていかないと、ホテルにも泊れないの。」と泣きついて、無理やり盗難届をもらい、無事ホテルへ戻った。
その頃、ほとんどイタリア語もできなかったから、パニック状態だった。

普段は大金を持ち歩かないのだけど、よりによって、家賃その他入用で、私にとっては大金(数万円)を持って、インターネットカフェに入ったときに、盗難されたこともある。
友達といっしょだったので油断していたのかもしれない。
泥棒はお金の匂いがするのか。このての話は観光客でないイタリア人や外国人にも聞く。よりによって、たまたま持っていたとき、と。

一番最近あったのは1年半くらい前、ちょうどイタリア語も慣れてきた頃。
地下鉄の中で「これ、テルミニへ行く?」と中年女性に話し掛けられ
「行くよ。」と答えると
「今何時?」とまた聞いてくる。
時計を見て答える。そういうことを知らない人に話し掛けられるのは、よくあることなので警戒してなかったのが悪かった。
次の駅に着いたとき、バッグのファスナーが開けられ、その中の内ポケットのファスナーも開けられ、パスポートケース(現金も入れていた)が取られていたのに気がついた。
ほんの1、2分いや一瞬のできごとだった。話しかける人とグルで誰か近くにいたのだ。
私も一瞬パニックにはなるけど、もう盗難にも慣れて?きていた。
まず、カード会社に電話(もちろんカード番号、カード会社の電話番号はふだんから控えておく)、警察に行って盗難届を出す。(といっても現金は戻ってこないが)
そのとき、携帯に電話が。「あなたのパスポート等拾ったよ。」と言う。
「奇跡だ、世の中にはなんて親切な人がいるんだ。」と感動して会いにいくと、そのおじさん、ジンガリ(ジプシーのこと)が捨てるのを見たので拾った、と言う。
もちろん現金は抜き取られていた。「でも、身分証明書、大切でしょ、もどってきてうれしいでしょ?」と言う。
「ええ、どうも、本当にありがとう。」と言うと、「たばこでもおごってくれない?」と言う。1箱だと思って、いいよ、と言うと、タバコ屋に入るなり1カートン頼むではないか。
私は小銭入れにいれたナケナシのお金しかなく、現金もカードも定期券も盗まれているのに。
仕方なくおごってあげ、翌日バイト先に給料前払いで貸してもらってしばらく生活した。「親切な人に拾われて奇跡だ。」と喜んだのが、実はお礼がほしくて電話してきたんだ、と思うと、そうそう世の中、善人はいないのか、というのが悲しかった。
それからパスポートはコピーを持ち歩くことにしている。