3-12 ビリーの土地アダコア 1 | 夢、成る瞬間

夢、成る瞬間

ダグラス・コマエ物語

 ――アダコア。
 というのが、ビリーの土地の名称だった。

 アダコアとは、マングローブを眺めるというような意味である。
 その名の通りに海岸は確かにマングローブが生え茂っていた。アダコアはクワイ村とノノシラ村の対岸、つまりマライタ島の本土に位置していた。
 アトイフィの波止場をあとにすると、モーターボートはまずぼくをアダコアで降ろし、それからクワイ村へ帰っていった。
「おまえさん、一体いつソロモンに戻って来たのじゃ!?」
 どこからともなく出現したぼくを見て、ビリーは満面一杯に驚いていた。
「実は今日なんだ」
 ぼくはこれまでのいきさつをかいつまんで語り、ついでに投資会社のことも報告した。

今回用意された部屋(マライタ州アダコア 1996年)

 
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