第7章 青バラの精④

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「あの、皆さんは何の集まりなんですか?その、今から何かするみたいだから、何をするのかなーって思って…」

「あぁ、僕らはボランティアの環境団体なんだ。今から落ちてるドリョウを拾いに行くんだよ」

「ドリョウ…?」

「あぁ…えーっと、昔からこの土地にある嗜好品でね。細い棒みたいな物なんだけど、先端に火をつけてその煙を吸うんだ。口にくわえて吸うんだけど…分かるかな?」

「あ、分かります」

多分、煙草のような物なんだろう、と想像する。

「それが、尋常じゃないくらい嫌な臭いなんだよ。だから若い人達は誰も吸ったりしないんだけど、年配の人は今でも好きでね。しかも、その人達は吸い終わったドリョウをその辺に捨てるんだ。そんな事されると道は汚くなるし、空気は汚れるしで、本当迷惑してるんだけど…。でもまぁ、抗議してもあまり効果は無いから、僕らが拾ってるって訳」

つまり、煙草のポイ捨て反対のボランティア団体なんだ。そう思うと、心の中で正義の炎がメラメラと燃え始めた。

「あの、だったら私にも手伝わせてください!親切にして頂いたお礼もしたいし…!」

「え、良いの…?君、旅の途中なんだろ?」

「はい、でもどうせ友達が何処にいるか見当もついてないですし、ちょっとくらいなら大丈夫です」

「そうか…じゃあ、お願いしようかな。1人でも人手が多い方が助かるし…」

「はい!」

元気よく返事をして、私も青年の後について歩き始めた。

(茉音も物好きだねぇ、よその街のゴミ拾いに参加したいだなんて)

「良いでしょ、別に。私、マナーを守らない人って大嫌いなの。それに、親切にしてもらった人に何もお礼せずに立ち去るっていうのも、私のポリシーに反するし」

(ポリシーねぇ…ご立派な事で)

雷珂にゴチャゴチャ言われながらも、私の心は浮足立っていた。「良い事」をするのは、とても気持ちの良い事だから…。

 

 

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