第7章 青バラの精②

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「一体どうやってこの街の人達は、事故に遭わずに生活しているんだか…」

(どうやってるか、聞いてみたら良いんじゃない?)

「えっ?」

(ほら、右の方)

雷珂の言う通りに右を向くと、大きなゴミ袋を持った若い男が下を向いて歩いているのが見えた。その姿はどう見ても私と同じ「人間」だったので、安心して近付いてみる。

「あの、すみません。私、人を探して旅をしている者なんですが…この街、初めてでよく分からなくって…」

声をかけてみると青年は顔を上げ、にっこりと笑いかけてくれた。

「初めまして、旅の方。慣れない人は分かりにくいですよね。ここは移動用道路だから危ない、歩行者用の道が街の奥にあるから、案内しましょう」

「あっありがとうございます!」

先程の村と違って随分と普通な会話の流れに、逆に拍子抜けしてしまう。すっかり安心しきって、先に立って歩く青年の後ろについてビルの隙間を進んでいった。

「あの、私、私と同い年くらいの男の子と、精霊の女の子の2人連れを探してるんですけど、この辺りで見かけたりはしませんでしたか?」

せっかくなので、と思って聞いてみたけど、青年は首を傾げて困ったように微笑みかけてきた。

「さぁ、僕は知りませんが…この先に僕の仲間達がいるはずなので、良かったら聞いてみましょうか」

「本当ですか?!助かります、よろしくお願いします!」

いや~、本当に優しい人に出会えたもんだ。そう思いながらしばらく歩いて行くと、芝生に覆われた広場に着いた。そこには青年と同じ年頃の男女が2、30人程集まっている。

「おーい、皆ー!」

手を振りながら青年が呼びかけると、その場にいた人達が振り返ったので、どうやら彼らが青年の仲間らしい。

 

 

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