2014年12月31日

イラン式料理本/Iranian Cookbook

テーマ:映画


 イラン式料理本。監督はイラン人で自分の奥さんや母親など知り合いの女性にイランの家庭料理を作ってもらい、その様子を撮影している映画です。核開発疑惑などで欧米との対決姿勢を見せているイランはイスラム国家であり、女性の権利は厳しく制限されている。そのようなイランにおいて女性が主な役割を担っている家庭料理を題材にしようというのだから、監督の意図ははっきりしているだろう。監督の作品はイラン国内では上映できず、海外の映画祭などで上映されているというのだから、内容的には議論をもたらすものだと思われる。

 この映画には6人の女性が登場してそれぞれ料理を作っていくのだが、監督は最初に時間を尋ね、また料理が終わる頃にも何時であるか確認する。そうして女性達がいかに時間を掛けて料理をしているのかという事を示そうとしている。時間を掛けて作られた料理をただ食べるだけの男達には「この料理に何時間掛かっていると思うか」と質問をする。男達の答えは「1時間」とか・・・。そんなことはこれまで考えたことがない様子だ。さらには手際が良ければ料理なんて1時間でできると主張する。料理が出来たあとには撮影スタッフも食卓にならんでいるのだから、皆さんかなりの量の食事を用意している。撮影スタッフも堂々と食卓に並んでいるのが笑える。撮影対象が親類だからだろうか?それに録音マイクが画面に入っている場面もあって、映画を撮られている人達と撮ってる人たちが混じっていて、この映画に関わった人達への親近感が湧いてきます。

 何時間も掛けて用意した料理を食べるのはあっという間で30分程で終わってしまう。食事が終われば片付けなど知らん顔で政治の話というのが男の役割のようで、監督の奥さんはこの時頭を切り落とす想像をする。こんなことを今の日本でやれば次の日には離婚届けがテーブルの上に乗っていることだろう。しかし、こんなイランの様子を見て驚くような我々の住む日本でも20~30年前なら当り前の事だった。日本でも人々の意識としては男女同権が浸透しつつあるが、依然女性の立場は低い。イランでは日本よりも伝統的な男女の役割意識は根強いが、それでも昔に比べたらましなのだというのだからイスラムの世界でも流れは同じなのだ。若い世代にはこういった状況に我慢できない人もいるし、映画にでてくる人たちの意識としても変わっていくを時代の流れだと感じているようだ。実際のこの映画にでてくるもっとも若い2人は映画の最後でその後離婚した事が告げられる(監督の奥さんも含む)。

 時代の流れは女性の権利だけではない。料理自体も変わっていく。イランの伝統料理は時間がかかるものが多い。これまで女性達は長い時間をキッチンで過ごしてきた。イランの人達の外食産業を信用していないという考え方にもよるが、ファーストフードではない時間と手間が掛かった料理を皆望んでいる。キッチンに並べてある道具を見ても、フードプロセッサーのような便利なものはないし、手間を掛けて料理をしているのが分かる。こうして手間を掛けた料理は日本人にはなじみのないものだが、どれも美味しそうだ。きっと各家庭独自の味があるんだろう。日本でも日常的に出汁から料理をする人がいなくなったように、イランでもなるべく手間を掛けないようになるかどうかは分からないが、この映画を見る限りはまだまだ女性は台所で多くの時間を過ごすことになりそうだ。

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2014年12月28日

BS世界のドキュメンタリー NHK BS1

テーマ:TV is sucks!


 世界各国の色々なドキュメンタリーを放送しているのが「BS世界のドキュメンタリー」です。テーマは毎回異なりますが、戦争や政治などの時事問題から、アート、音楽などジャンルはバラエティに富みます。決まっているのは海外で製作されたドキュメンタリーという事だけです。番組は各国のテレビ局が製作した番組の場合もあれば、映画として製作されたものも紹介されます。映画祭で上映するようなものも放送するし、賞を受賞したような作品を放送されたりするのでこまめなチェックが欠かせません。この番組は50分の番組なのですが、シリーズで放送される時もあるし、放送時間が長いものは前後半分けて放送することもあります。番組は面白いかどうかは、各回のテーマと監督によるので、興味がある番組であれば観てみると面白いでしょう。またアンコール放送もよくやっているし、リクエストも集計してまとめて放送したりするので、反響のあったものはまた見れる機会は多いです。

 先日は「遠く離れても~双子姉妹の数奇な運命~」というノルウェーの番組が放送されました。中国で双子の姉妹がアメリカとノルウェーの別々の夫婦に養子にだされました。当初2組の夫婦は、自分達が養子に迎えた子どもが双子だとは夢にも思っていませんでしたが、ある偶然からこの夫婦は自分たちの子供がそっくりだという事に気がつきます。それもその時2人の赤ちゃんが着ていた服がそっくりな赤いタータンチェックの服でした。彼らは中国の斡旋業者に確認するが、双子ではないという回答。仕方なく夫婦は連絡先だけ交換しそれぞれ帰国しますが、後のDNA検査で双子だという事が判明します。この事実はそれぞれの夫婦と子供達を悩ませる。なぜ双子であるミアとアレキサンドラはアメリカとノルウェーと遠く離れた場所で暮らさなければならないのか?自分が養子にした子供にそっくりな双子が、違う国で生きているという事実。それぞれの夫婦がそれぞれの子供を引き取りたいと言い出すのではないかという不安。双子だという事が分かると2人は手紙やクリスマスのプレゼントを交換して連絡を取り合い、お互いに会いたくて仕方がなくなってしまう。

 彼らが再び再会する事ができるのは、6歳になってからミアがノルウェーのアレキサンドラを訪ねる時です。2人は既に別々の国で暮らし、別々の言葉を話すようになっていて、言葉でのコミュニケーションでは伝えたいことをすべて伝えられない。それぞれが暮らすアメリカとノルウェーの環境は全く異なっていて、彼らの周りの人達も異なった考え方をする。異なった環境の中で育った2人だが姿形はそっくりだし、身のこなしから仕草まで瓜二つなのは驚くべきことです。

 中国で双子として生まれるが、両親は彼らを捨て、遠く離れたアメリカとノルウェーの養父母の元で暮らす事になる。偶然が重なって2組の夫婦が双子じゃないかと気がつかなければ、お互いの存在を知らずに、会うこともなくそれぞれの国でそれぞれの人生を生きていたと思うと運命の不思議さを感じるし、偶然を呼び寄せたのも双子であることでの双子ゆえの結びつきだったような気がしないでもない。ミアとアレキサンドラは二度と、会う事も気づく事もできないくらい遠い国で暮らすことになるであろう最後の機会において、お互い引き裂かれないように試みて成功したのだ。
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2014年12月21日

二郎は鮨の夢をみる/Jiro Dreams of Sushi

テーマ:映画


「ミシュランガイド東京」で6年連続三ツ星を獲得した鮨の名店、わずか10席ほどの驚くほど小さな店ながら、多くのセレブや食通たちをうならせてきた「すきやばし次郎」。80代後半にして現役を貫くその店主・小野二郎の職人魂を追ったドキュメンタリーです。外国人の監督が日本の鮨をテーマにしました。

 ところでカリフォルニア・ロールはなんでのりが逆に巻いてあるのだろうか?あれではご飯が手につくし、のりを巻く意味がないのではないかと思うのだが、ちょっと調べてみるとまだ鮨が珍しかった頃、外国人がのりを気味悪がった為に逆にまいたそうだ。確かに黒い食べ物になじみがないアメリカ人には、不気味なものに見えるようだ。また通常ののり巻きを作るのは不器用なアメリカ人には難しいようだ。

 もちろん「すきやばし次郎」にはカリフォルニアロールなるものはありません。この店はおまかせコース(3万円)のみだそうで、早い人は15分で完食してしまうそうです。この年齢になっても現役で常に前進を目指す二郎さんが、お客と真剣勝負とばかりカウンターで握った鮨を提供します。仕事は丁寧で、仕込みも時間を掛けて行われます。その味はシンプルであるが、奥が深いそうです。実際食べてみないとわかりませんが、かといって簡単に食べにいけるようなお店ではない。何より真剣勝負を挑んでくる二郎さんが怖すぎる。宝くじで7億円当たったら行ってもいいでしょう、自分の稼いだお金で3万払うなら違うお店に行った方が楽しめると思います。食事をすることは味だけではなく、店の雰囲気だとか、食事をしながらする会話だとかも大事だと思う。味では関係なく、こういう有名店に行った事自体をステータスとする人達もいるのです。

 アメリカで大ヒットしたそうですが、いかにも外国人が喜びそうな内容ではないだろうか、オバマ大統領が来日した際に寄ったそうですし。紹介される二郎さんの仕事ぶりや姿勢は特に目新しいことは言っていません。当たり前の事を言っているように思うが、その当たり前を実際やるのがじつはすごく難しいことだと思う。それを7歳の頃に奉公にでてから貫きとおしてきたのが、二郎さんです。いまさらそれを変えようと言われても変えれる訳がない。日本の職人魂が描かれています。映画で所々でてくる料理評論家なる人物はこの映画には不要でしょう。

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2014年12月16日

新日本風土記 NHK BSプレミアム

テーマ:TV is sucks!


風土記は各地域の歴史や文物を紹介した書物というのが一般的なものである。特に古風土記というと奈良時代に天皇の命により各地方に提出させたもののことをさす。出雲、播磨、肥前、常陸、豊後が現存するという。「新日本風土記」は日本各地に残された美しい風土や祭り、暮らしや人々の営みを描く紀行ドキュメント番組だ。番組は短いオムニバス形式で色々な風物を紹介していきます。毎回テーマは違うが、「日本橋」「博多」「川崎」など街の場合もあれば、「多摩川」「高野山」「関門海峡」など地形などもあれば「花火」「鮎」「寿司」など無形文化もあって様々です。自分が思い入れのある街などがテーマだととても面白いし、昔旅行に行った場所だったりすると懐かしくもなる。旅行ではなかなか知ることの出来ないことも紹介している。日本の街はどこも同じような風景で、特に地方に行くと幹線道路に沿いに全国展開のチェーン店が並んでいたりして、あまり面白くない。駅前もロータリーがあって、ちょっとした商店街があって、駅名が違うだけの同じような風景に見える。それでもそれぞれ各地に根付いた伝統というのは残っている。失ってしまったものも数多いだろうけど、「新日本風土記」は少しでも遺しておことする番組です。
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2014年12月15日

Winter/01/2014

テーマ:終わらない唄
2014年12月14日

最近のボクシング中継

テーマ:TV is sucks!
 今年も年末にはボクシングの世界タイトルマッチが何試合か放送される。30日にはフジテレビで井上、八重樫、村田。大晦日にはTBSで井岡、リゴンドー、高山、テレビ東京で、内山、河野、田口の試合がある。ボクシングファンにとってはまとめてボクシングが見られるというのは嬉しいことだ。それも最近では放送時間の都合でダイジェスト版であったり、途中で打ち切りという事もなく、放送時間が足りなければ延長されるので、放送時間を気にせずに安心して見ていられる。さもしい知恵をつけると、放送時間の都合上で、この試合はKOで終わるとか判定までいくだろうとかくだらない予想をたててしまう・・・。まるで祭りのようにボクシングの試合がたくさん見れるのは嬉しいことだが、残念なのは人気・知名度のあるボクサーとまとめて興行を打たなければいけないことで、それはボクシング自体の人気が落ちている証拠である。今回ならば例えば高山、河野、田口は単独では放送できなかったと思われる。以前なら知名度のあるなしにも関わらず世界タイトルマッチであれば放送されていた。ただ、テレビ局に考えて欲しいのは、内山にしても八重樫にしてもその実力とファイトスタイルによって今の人気を得たという事だろう。どうか長い目でボクシングを中継していただきたい。そうでなければ全てWOWOWに任せてしまってはどうか?
 
 最近ボクシング中継を見ていて違和感を感じた人は僕だけではないのではないかと思う。メイン・イベント以外生中継されなくなった事と関連しているのだが、各ラウンドが終わってCMに入ってから、次のラウンドがなかなか始まらない。試合内容が素晴らしいものであればある程、そのラウンドがダウンがあったり、クリーン・ヒットが何発もあったりした素晴らしい内容であればある程、次のラウンドが始まらずにCMが長く感じられる。ボクシングは3分間1ラウンドとして世界タイトルマッチなら12ラウンドで行われる。各ラウンド間には1分間のインターバルが設定されており、その間にはセコンドから指示を受けたり、カットした傷に血止めを施したり、水を飲んだりして、次のラウンドに備える。ボクサーは毎日の練習の中でも、このリズムで練習を行い、試合に備える。3分間のラウンドと1分間のインターバルのリズム。

 ボクシングは次の瞬間に何が起きるのかが分からないスポーツだ、一瞬でも油断すれば試合が終わってしまう可能性があるため常に集中力が要求される。試合は12ラウンドや10ラウンドなどで予定はされているが、試合続行が不可能であれば、1ラウンドでも4ラウンドでも試合が終わる事がある。リングで戦っているボクサーもそれを見守っている人達も一瞬でも油断することができない。1分間のインターバルはその意味ではとても重要だ、その間にリラックスできるし、トイレにも行けるし、何か食べる事もできるだろう。当然試合をテレビで見ている方もこのリズムに慣れている。ところが最近このインターバルがやたらと長く感じられる試合がある。この長さはとても厄介で、さあ次のラウンドが始まるだろうと集中力を高めているのに一向に次のラウンドが始まらない。待てど暮らせどCMが繰り返されるばかりだ。しかも同じCMを流すので、自分はどこか時空の狭間にはまってしまったのではないかと思った程だ。この長さは気のせいではないはずではないと思い、先日放送された井上尚弥対サマートレックの試合でCMの長さを測ってみたところ、やはり1分30秒あったインターバルでは1分40秒あった。割合として1.8:1だ。これではCMを見ているのかボクシングを見ているのか分からない。前述したように3分間と1分間というサイクルでボクシングは進行する。それはリングに上がって戦っているボクサーだけでなく、テレビで見ている者も同じだ。このリズムが狂うためボクシング中継の醍醐味がかなりそがれてしまう。特に試合内容は素晴らしいものだっただけに、CMの長さが永遠のように感じられて仕方が無い。井上対サマートレック戦はそれが酷かった。マルチネス対長谷川は調べるとCMが1分間でインターバルが1分半あった。ボクシングが録画放送されるようになった為に発生する弊害である。フジテレビが村田をきっかけとしてボクシングを盛り上げようとしているのは評価はできるが、ボクシングの魅力を損なうような中継では意味がなく、それで駄目なら撤退という事態は勘弁してもらいたい。


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