2011年02月24日

音楽嗜好症(ミュージコフィリア) / オリバー・サックス

テーマ:書評
よく「音楽なんかでは腹は膨れない」といわれる。確かにその通りだし、音楽を楽しむ為の最低限の生活レベルが必要なことも事実。誰でも疲れている時は音楽を聴く気分にならない事もある。No Muisc, No Life!と言いたい気持ちは物凄くよく分かってるはずだけど、それを世間一般に堂々言えない自分もいたりする。でも僕にとって音楽はとても大切なものだ。そして音楽はそう、とっても不思議なものだ。
脳神経科医であり作家でもある『レナードの朝』、『妻を帽子とまちがえた男』等の著書を持つ作家。オリバー・サックスの最新作。落雷による臨死状態から回復するやピアノ演奏にのめり込みだした医師、ナポリ民謡を聴くと必ず、痙攣と意識喪失を伴う発作に襲われる女性、指揮や歌うことはできても物事を数秒しか覚えていられない音楽家などの症例が紹介されている。
特に面白いと感じたのは、絶対音感の章で、声調言語である中国語やベトナム語を母語とする人達は、教育を受ける事で絶対音感を持つ確率が飛躍的に高くなったり、絶対音感と母語を自然に習得する年齢が同じくらいだとか、言語と音楽の発生起源が同じなのではないかという説が紹介されていたりしていて、人間にとって音楽の不思議さと重要さを示唆しており、非常に興奮する。言語を取得した事で人間は動物とは全く違う生き物になったが、原始言語と原始音楽ではかなり共通していて、私たちが言語の取得には、音楽に対する感性をある程度失うしかなかったのでないだろうか?だとすると僕たちが音楽に夢中になるのも、失った音楽への熱情の跳ねっ返りなのかもしれない。確かに、歌がありメロディがあり、意味を持つメロディ重視の音楽よりも、リズムを重視したより原始音楽に近いダンスミュージックの方がより人々を熱狂させる事ができるし、本当の意味で国境を超える。この本をヒントに、堂々と「No Music, No Life」と言えるかもしれない。そんな事を読んでいて思いました。

音楽嗜好症(ミュージコフィリア)―脳神経科医と音楽に憑かれた人々/オリヴァー サックス

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