競馬 好きこそものの上手なれ

トレセンでの仕事や競馬場での活動を中心にトラックマンとしての日常を綴るブログ。
このブログがファンの方々と競馬、更に弊社との潤滑油にでもなれば幸いです。


テーマ:




本日ファイナルフォームが勝った東京8Rの審議について、JRAが全レース終了後にプレスを集めて審議状況の説明会を開きました。





まず私目線で客観的に審議の状況を説明しますと、直線で外から先頭に立った⑭ファイナルフォームがゴール寸前で外側に斜行し、それにより後ろから勢い良く伸びてきた⑮ランパスインベガスの進路を妨害。進路の無くなったランパスインベガスは大きく手綱を引いて失速、最終的に③位で入線しました。ランパスインベガスの脚色から見てあの不利がなければ②着だったのは誰の目にも明白でしたが、レース後のアナウンスは『進路妨害には当たらないものとして、着順通り確定致します』。これにはさすがに場内もどよめきました。その後、ファイナルフォームに騎乗していた内田博幸騎手の騎乗が『危険な騎乗』と判断され、来週2日間の騎乗停止が確定。これがレースからの時系列での状況経過です。





そして全レース終了後のJRA裁決による説明を要約しますと『内田騎手の騎乗には重大な過失があると判断するが、被害馬のスピードが緩んだのは決勝戦手前の2~3完歩程度。レースの施行に於いて致命的な不利ではないく、依って進路妨害とは認定しない』とのこと。私を始め、説明会に参加していたプレスの口がポカーンと開いていたのは言うまでもありませんが、とりあえずJRAからの今回の件に関する説明はこうでした。





その後の質疑応答では私も色々と聞いてきたので、このあとはQ&A方式で紹介していきます。




Q.あの不利がなければランパスインベガスは②着だったにも関わらず致命的でないとの決定が出たのはなぜ?

A.レースに於ける被害の状況を審議するのが裁決。着順云々は基本的に審議決定の判断材料にはならない。



Q.着順を抜きにしても被害馬が受けた被害は大きいと思うが?

A.被害を受けたのが決勝線手前から2完歩程度。仮にもっと前から不利を受け続けていたら、或いは降着という決定もあったかもしれないが、今回の事例ではゴールまでの2完歩のみスピードが緩んだという判断で致命的でないとの決定を下した。



Q.これが進路妨害でなかったら、どういったものが進路妨害になるのか?

A.個々の事例はその時々によって違うため、言葉で明確な説明をすることはできない。



Q.過去の事例と比較して、これはセーフ、これはアウトといった明確な基準は提示できないのか?

A.どの審議もそれぞれ状況が違うため、過去の事例と見比べて線を引くようなことはできない。あくまでその場で起きた一事例を審議して決定する。



Q.進路がなくなって松岡騎手が大きく立ち上がっている。たまたま落馬には至らなかったが、かなり危険な事例だと思うが?

A.進路妨害には当たらないが、危険な騎乗だというのば認識している。それにより内田騎手への制裁(2日間の騎乗停止)を出した。


Q.今回の事例でファンへの説明が『走行妨害には当たりません』の一文では不十分なのでは?

A.今後の発表方法については皆さんの意見も参考にして考えていきます。






まだまだやり取りはありましたが、概要をまとめるとこんな感じです。


この質疑応答で分かったことをまとめると、


1.着順の上下は審議する上で考慮する材料ならない。
※不利がなければ②着だったから降着、ということはない。

2.被害の大小の基準は被害を受けている間の完歩(距離)がひとつの目安ともなる。
※スタートしてからゴールするまでが対象。今回の場合はゴールまで2完歩程度の距離だったため致命的でないとの判断。

3.危険騎乗と進路妨害は別自称で審議。
※内田騎手への騎乗停止処分は進路を妨害したことへの制裁でなく、危険な騎乗をしたことへの制裁。




要点はこんなところでしょうか。



しかし、審議をする上で着順を考慮に入れないというのは、馬券を買う我々からするとあまり納得がいかないところ。極論を言ってしまえば我々ファンにとって最も大事なのは着順なわけで、そこが配慮されないのは不思議です。JRAとしてはレースの実行が最大の責務なのかもしれませんが、競馬が回っているのは馬券を購入しているファンがいるからこそなわけで。主催者とファンの考え方にここまで違いがあるのは憂うべき事態な気がしてなりません。





ちなみに被害を受けたランパスインベガスを管理する小島茂調教師にもお話を聞くことができましたが、『私は元々馬券を買うファンの立場から競馬会に入った人間。勝ち馬は強かったし、今回のレースでウチの馬が勝つことはなかったが、被害を受けなければ②着だったのは誰の目にも明らか。異議申し立てが易々と通らないのは過去の事例から分かっているが、馬券を買っているファンのためにも、②着だったものが③着になってしまったことに対してアクションを起こさないわけにはいかない』と、我々からすると納得の見識を話してくれました。







説明を受けても納得できる部分が少なく、何だか水掛け論のまま終わってしまった説明会。一番大事なのはファンが納得できる決定を下すことだと思うんですけどね。あの裁決の決定でファンを納得させられると思っているなら、JRAの認識は相当に甘いと言わざるを得ません。



『ファンあっての競馬』


JRAはもう一度この基本理念を見つめ直して、今後の競馬開催に取り組んでいただきたいと思います。





なんだか残念な東京最終日のレポートでした。

AD
いいね!した人  |  コメント(29)  |  リブログ(0)

競馬専門紙優馬トラックマン 久光匡治さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

同じテーマ 「徒然」 の記事
最近の画像つき記事  もっと見る >>

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。