フィレンツェの街を
ウィンドーショッピングで楽しむ最中、
数少ないベビー洋品店で、
必ず見かけるマネキンは、
この写真のごとく、
可愛くない。
どれもこれも、
皆、丸刈りで、
その表情たるや、
ホラー映画に出演しても悪くはない出来のものばかりで、
まだイタリアに来たばかりの頃は、
本物の赤ちゃんとのギャップに、
軽いカルチャーショックを受けたほどである。
夜のマネキンどころではなく、
昼間に見ると、
より怖いのが、
イタリアのマネキンなのかもしれない。
が、
それよりも、もっと怖いのが
現実...である。
一昨日起こった、
ロンドンでのテロは、
ヨーロッパに住む者にとっては、
緊張感を強いられるものである。
ただでさえ、
多くの難民が流入しているイタリアで、
毎日なんだかんだと、
事件が勃発している。
それまで、
気にせず歩くことの出来た道すら、
夜遅く歩くには、
緊張感が強いられる。
ヒトのカタチをしたマネキンも、
そのシチュエーションによっては、
怖く感じることもあるであろうが、
何よりも、
現実のほうが怖く感じる昨今である。
事実は小説よりも奇なり
とはいうが、
まさに、その通りだと
思わずにはいられないのである。