中国といえば黄色人種の代名詞的存在です。しかし、漢字を発明した古代漢族と現在の漢族は、遺伝的なつながりがほとんどないとみられています。漢王朝が崩壊後、北方の異民族が流入して人口は3分の1~6分の1に減少したと推定されています。しかも、流入した北方民族を含めて人口が3分の1~6分の1に減少したのですから、古代漢民族の減少はそれ以上だった推定されます。その後、鮮卑族と呼ばれる北方民族が統一王朝を建設し、隋、唐と長い間支配が続きます。現在の漢民族は唐時代に民族の基礎が形成されており、現在のイタリア人と古代ローマ民族以上に別物といわれています。現在の中国では、古代漢語といえば清王朝時代の満州人の影響下にあった漢語を指すようです。

古代漢族は、現在の中国と違った文化をもつ謎の多い民族です。そんな漢民族ですが、最近の近代的な考古学的手法の発達により、遺骨やミイラのDNA分析の結果が断片的に報告されるようになってきました。2000年、東京大学の植田信太郎、国立遺伝学研究所の斎藤成也、中国科学院遺伝研究所の王瀝らは、約2500年前の春秋時代、2000年前の漢代の臨シ(中国山東省、黄河下流にある春秋戦国時代の斉の都)遺跡から出土した人骨、及び現代の臨シ住民から得たミトコンドリアDNAの比較研究の結果を発表しました。その結果は、約2500年前の春秋戦国時代の臨シ住民の遺伝子は現代ヨーロッパ人の遺伝子と、約2000年前の前漢末の臨シ住民の遺伝子は現代の中央アジアの人々の遺伝子と非常に近いという結果になり、現代の臨シ住民の遺伝子は、現代東アジア人の遺伝子と変わらなというものでした。

一方、3000年前~1500年前の中国西部は、白人が支配する地域であったことがほぼ定説になりつつあるようです。新疆ウイグル自治区の楼蘭の美女と呼ばれるミイラは、白人のミイラとして知られています。中国西部では600体もの白人のミイラが見つかっています。北京から400、500km南東に位置している山西省の大原市からも白人が埋葬された墳墓が見つかっています。このことから1500年前にはすでに白人がかなり移住していたと考えられます。

漢文は異民族との情報交換のために発達した文章といわれています。つまり、漢文は文章のためのものであり、当時、話された言葉をアルファベットや万葉仮名のように示したものではありません。つまり、当時話されていた言葉を記録した資料が極端に少なく、検討する余地はかなりあるようです。ひょっとすると、漢文は当時のシナ系言語と全く異なる白人の言語をつなげる架け橋だったのかもしれません。

これらの白人はコーカソイドと呼ばれる人達で、いわゆるトルコ系民族と言われる人たちです。トルコ系民族は、少なくとも5世紀ごろにはシベリア地域にも移住していたとみられています。そう考えてみると、中国にもトルコ系民族が移住していても何の不思議もありません。東京大学の植田教授らは山東半島周辺に白人の居住地があったことを指摘しています。現時点では、白人が中国のどの程度の位置を占めていたのか不明ですが、今後DNAの研究が進むにつれ、これまでの歴史の常識が大きく覆されるかもしれません。漢字は白人が発明したとまではいえませんが、山東半島出身の孔子は白人だった可能性があるといえそうです。

テュルク(トルコ系民族とその分布)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%B3%E7%B3%BB


参考文献・記事
斎藤成也、2002、遺伝子からみた東ユーラシア人、地学雑誌, 111巻, 6号,832-839.
http://www.geog.or.jp/journal/back/pdf111-6/p832-839L.pdf

White People in a 1,500 Years Old Chinese Tomb
http://news.softpedia.com/news/White-People-in-an-1-500-Years-Old-Chinese-Tomb-55656.shtml

「中国に純粋血統の‘漢族’は存在しない」
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=84664&servcode=400§code=400&p_no=&comment_gr=article_84664&pn=5

など、いろいろ。

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かなり前から書き始めていた記事です。民主党政権がトンでも政策を連発する影響で、公開が延び延びになってました。

中国といえば、漢字の発明した黄色アジア人の国というイメージがありますが、古代の中国では多様な人種の民族が割拠する地域だったようです。中国は古代も黄色アジア人が住む国だった、現在の中国の漢民族は4千年の文明をもつ歴史のある民族だというのは、単なる誤解と中国政府が作った虚構のようです。このような事実は以前から知られていたようですが、DNAという科学的手法によって、より明確になりつつあるようです。

現在の「自称」漢民族は、唐時代に原型が作られたもので、北方の異民族であった鮮卑族系の「唐民族」と呼ぶべきものです。また、現在の中国語(北京語)も、その後の満州民族の言語の影響をかなり受けているとか。隋・唐時代の言語が使われている地域は、中国南部のごく一部にすぎないようです。古代中国語が清王朝時代のものを指すそうですから、中国という国は古くて新しい国なのだと実感されます。

最近、中国が日本に対して技術やお金の援助を要求する時、「中国は日本に漢字を教えたのに・・・」
という話をするということをよく耳にします。しかし、実際は漢字を発明した古代漢族は、北方の異民族の侵攻を受け、隋・唐時代までにはほとんど全滅に近い状態であり、現在の中国人と古代漢族はほとんどつながりがありません。
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