「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」あの夏の時間は思春期の彼らに起った奇跡。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の試写会に連れて行って貰いました。

 

ストーリーは、

とある海辺の町の夏休み。中学生たちは花火大会を前に「花火は横から見たら丸いのか?平たいのか?」という話題で盛り上がっていた。そんな中、クラスのアイドル的存在のなずなが、母親の再婚のため転校することになった。なずなに思いを寄せる典道は、転校をしたくないなずなから「かけおち」に誘われ、時間が巻き戻る不思議な体験をする。

というお話です。

 

 

夏休みの登校日。茂下町の花火大会が話題になり、花火は下から見ると丸いけど、横から見ると平べったいんじゃないかという話で盛り上がり、みんなで確認しに行こうと、典道と祐介、そして友人たちで話し合う。ホームルームが終り、典道は祐介とプール掃除当番になってしまい、プールへ向かう。するとプールにクラスメイトの及川なずなが居ることに気が付く。

 

典道はなずなが気になっており、祐介はそれに気が付いていた。そんな二人は、なずなを気にしながらも掃除を始め、途中でちょっと泳ごうかという話になる。するとなずなが私も一緒に競争すると参加し、もしなずなが勝ったら、言う事を聞いて欲しいと話、競争を始める。

 

 

25mプールを1往復。典道はターン時に足を痛めて、祐介に負けてしまう。なずなは一番早く、既にプールから上がっていて、ゴールした祐介に水をかけながら”一緒に花火大会に行って欲しい。”と誘われる。祐介は、なずなを想う典道を裏切れず、なずなとの約束を破り、典道となずなが一緒に行く事になるようにお膳立てをし、それに気が付いた典道は気まずいながらもなずなと一緒に近所を歩いていると、なずなの母親がなずなを迎えに来て、無理矢理連れて行こうとする。なずなは家出をしていたのだ。

 

 

泣きながら連れ戻されるなずなを助けられなかった典道は、なずなが残したビー玉のような玉を悔しそうに花火大会のポスターに投げつけると、世界が反転し、またプール掃除の時間に戻っている。なずなと歩いている時、なずなは、典道くんが競争で勝ってくれていたら、典道くんを誘って花火大会に行っていたのにと話していた事を思い出し、今度は勝って、なずなを助けてやりたいと思い始める。

 

同じようにレースを始め、今度は勝つ典道。なずなの言った通り、花火大会に誘われた典道は、なずなを連れて母親に捕まらないよう、電車で逃げようとするのだが・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

岩井監督のドラマの方は観ていないのですが、アニメはファンタジー色が強くて、私は楽しめました。良かったと思います。

 

 

映画の後、会場から出て行く人達の話を聞いていたら、「海に落ちて死んだから、学校が始まって名前を呼ばれても居なかったんでしょ。」という声が聞こえていて、あー、そういう風に見えちゃったのかなぁと思って、残念に思いました。これ、ファンタジーだと脳に入れてから見ないと、あれが現実だと思って観ている人には、そう取られてしまうのかも知れませんね。これ、ファンタジーですから、時間が巻き戻っているのは、典道の夢かもしれないんですよ。

 

そう、彼らは思春期で、実写ドラマは小学校だったらしいですが、今回は中学生になっている訳でしょ。ちょうど思春期真っ只中。子供であり、大人に一歩踏み入れている。だから、なずなの母親が再婚を何度もしていて、それが汚いって事も解っているし、駆け落ちの意味も解っている。男と女というのは解っているんですが、まだ恋とか愛の事は、解っていないんです。

 

 

そんな二人のお話なので、好きだけど、その先にあるそれぞれの思いの違いが理解出来ていないので、すれ違いが生じて来るんです。そこで、典道が”もし水泳競争で勝っていたら”と思って、話が展開して行くんです。もちろん、本当に何度も繰り返したのかも知れないし、それは想像の中だけだったかも知れない。でも、ちゃんと典道はそれを経験しているんです。もちろん、なずなもね。

 

だから、新学期に名前を呼ばれて典道が座っていないのは、もしかしたら、只の遅刻かも知れないし、なずなと駆け落ちして東京に行ったのかも知れないし、連れ帰されて不貞腐れて閉じこもっているのかも知れない。それは、誰にも解らないんです。だけどね、もし、誰かが死んだとかってなっていたら、大騒ぎになっていて、名前も呼ばれないから、それは無いと断言します。そういう内容ではありませんから。

 

 

この映画の中で、なずなが、母親が3度目の再婚でビッチなんだという場面があって、ああー、やっぱり子供ならそう思うよなぁと思いました。母親が女になってはいけないとは言いませんが、やっぱり思春期の子供がいるなら、もう少し気を付けてあげて欲しいよ。娘が家出をしたくなるような気持ちにならないように、ちゃんと説明をして、相手にも会わせて、理解して貰ってから一緒になるべきだと思います。私も、今の夫には息子が二人居たので、付き合い始めて早い頃に、まず、会いましたもん。ま、私の場合は、夫よりも息子の方が年齢が近かったし、揉める事もありませんでしたが。でも、少しづつ距離は縮める努力はしましたよ。当たり前でしょ。家族になるんだから。突然、お父さんになるからとかって言われても、納得出来ないよね。それは思春期でなくても普通だと思います。

 

 

典道は、なずなを助けたいけど、自分の力の無さを痛感するんです。まだまだ子供だから。それでも、何か出来ないかと頑張る姿が、何ともイイんですよ。彼は彼なりに、必死で大人になって守りたいと思うんです。それが、この映画の良い所なんです。そして、彼らは大人になって行く。力の無かった自分を思い出して、力を付けて行くんです。それが大人になるって事。誰もが通る道なんです。

 

そうそう、音楽が凄く良かったです。主題歌も良いし、他の曲もとっても合っていたような気がしました。声も良かったですよ。広瀬さんと菅田さんなのですが、違和感無く入り込めました。上手かったと思います。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。でも、この映画をファンタジーとして観れる人にのみ、お勧めですよ。これを現実として考えて見てしまうと、全く解決が着きません。彼らがどうなったのかと、先を考えてしまって、??となってしまうからです。そうじゃなくて、ファンタジーなので、きっと、日常の生活を取り戻して、青春の1ページを刻み、大人になって懐かしく思い返すんだろうと考えてあげて欲しい。そんな映画です。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

P.S : 蛇足かもしれませんが、打ち上げ花火は何処から見ても丸いです。一度、ヘリコプターツアーに参加してみると良いですよ。何処から見ても丸い事が解りますから。(笑)

 

 

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