【演劇】「プレイヤー」最初は只のお芝居なのに・・・。狂って行く現実が目の前に広がって行く。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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今日は、舞台「プレイヤー」を観てきました。

 

ストーリーは、

舞台はある地方都市の公共劇場。そのリハーサル室。国民的スターから地元の大学生まで、あらゆるキャリアを持つ俳優やスタッフたちが集まり、演劇のリハーサルが行われている。

 

演目は新作「PLAYER」。幽霊の物語だ。死者の言葉が生きている人間を通して「再生」されるという。死が生を侵略してくる物語。

 

<行方不明の女性、天野真が遺体で見つかった。死後も意識として存在し続けることに成功した彼女は、友人の記憶をアクセスポイントとして、彼らの口を借りて発言するようになっていく。事件を追っていた刑事・桜井を前に、天野真を死に導いた環境保護団体代表であり、瞑想ワークショップの指導者・時枝は、これは世界を変える第一歩だと臆面もなく語る。死者との共存が、この物質文明を打開するだろう・・・。カルトとしか思えない時枝の主張に、桜井は次第に飲み込まれて行く。>

 

物語は劇中劇と稽古場という二つの人間関係を行き来しながら進んでいく。死者の言葉を「再生」することと、戯曲に書かれた言葉を「再生」することが重なり、演じている事で死者と繋がった俳優たちは、戯曲の中の倒錯した死生観に、どこか感覚を狂わされていく。生と死、虚構と現実の境界が曖昧となり・・・。

 

というお話です。

 

 

この舞台、すっごく面白かったです。劇団イキウメのちょっと前の作品「PLAYER」を基に、この前作が劇中劇として使われていました。

 

ある劇場のプロデューサーが、その都市在住の作家に脚本をお願いしたそうなのですが、書いている途中で急死してしまい、途中までの脚本では使えないと思っていたのですが、思い直して、やっぱりこの脚本でこけら落とし公演をしたいと思ったようなんです。そして、今回の公演となったという説明があります。

 

様々な俳優が集まり、劇を練習して行くのですが、それが、段々と劇なのに、現実とリンクしてきてしまうんです。演じているのに、演じている役の人間が、その役に乗り移られているような、そんな感じに見えてくるんです。役者は演じているつもりでも、乗っ取られて行くという感じですね。

 

 

そして劇の中で語られている、地球環境を守る為にはこう変えるべきだという理想を、役者たちが、本気で語っているように見えて来るんです。その考え方が、どの役者にも浸透して行き、誰もが、本当にそうするべきだと役の中で思っていれば良いのに、自分自身が、その役に憑依されている状態なので、本人が思っている事のようになっちゃうんだよなぁ。ああー、上手く説明が出来ないよぉ。

 

内容が、とても良く出来ていて、もう、最後の最後まで目が離せず、最後のセリフで、ぞぞっ~っとして終わったと言う感じでした。私、これ、リングと同じ道をたどる状態じゃんって思って、本当に怖くなりましたもん。世界を終わらせない為に、自分を・・・、っていう理想は、実は、私は凄く解かるんだけど、解りたくないと思いました。

 

確かに、この地球にとって、人間が一番の病原菌=ウィルスなんですよね。人間が居なくなれば、浄化されて、地球も生き還るかもしれないと思うんです。でもね、私たちだって意識があるし、死ねばいいじゃんって言われて、納得なんて出来る訳が無い。だからこその、この舞台の内容に至るのですが、うーん、やっぱり、生きていると欲が出てくるからなぁ。やりたい事も沢山あるしなぁ~。

 

 

この脚本は、もうすぐ映画公開される「散歩する侵略者」の原作者・前川さんなんです。散歩する侵略者も、劇団イキウメの舞台を映画にした作品なんですけどね。で、この「プレイヤー」も前川さんの脚本で、演出が長塚さんです。長塚さんの演出、素晴らしく美しいんですよ。私、大好きで、長塚さんの名前が出る度に追っかけて観ているのですが、本当に良かったです。ただ、簡易椅子が並べられてるだけなのに、ライトの使い方と背景に映る影とで、全く違う世界に見えて来るんです。いやぁ、マジで満足しまくりでした。

 

脚本・前川さん、演出・長塚さんで、その上、仲村トオルさんと藤原竜也さん、そして真飛聖さん、木場勝己さん、成海璃子さん、シルビア・グラブさん、峯村リエさん、高橋努さん、安井順平さん、村川絵梨さん、長井短さん、大鶴佐助さん、本折最強さとしさん、桜井章喜さんという、素晴らしい役者さんが揃っていて、現実世界から狂って行く世界を形成していく姿が、何とも素晴らしいと思いました。

 

 

これ、マジで面白かったです。これこそ、映画にしたら、ぞーっとするんじゃないかな。私は、この演劇、超!超!超!お薦めしたいと思います。これ、まだ今月一杯やると思うので、もし、チケットが手に入るようなら、本当に観るべきだと思います。面白いです。もちろん、役者さんも良いんだけど、内容がピカ一でした。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「プレイヤー」  http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/17_player/

 

 

太陽 太陽
 
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