おまけのいちにち | おまけのようなまいにち

おまけのようなまいにち

1級ファイナンシャルプランナー・中小企業診断士が、等身大で語る人生のエッセイ。

「おまけ」って嬉しいですよね。
プラスかマイナスかって言ったら、プラスだよね。

でも「おまけのような」って、なんかマイナスに聴こえないですか?
おまけじゃない中途半端な感じで、むしろ何もなかった方がいいんじゃないかっていう風に聴こえてしまう。。。



気づく人はもう気付いてるだろうけど、このタイトルは筋肉少女帯のある曲名と同じです。

ちなみに筋肉少女帯のシュールで理解者の少ない楽曲は、結構ツボにはまるものがあって好きなんですが、ファンというほどでもないし、ライブに行ったこともありません。

稀にTSUTAYAでCDが置かれているのを見て、
「こんな地方の小さな店舗にこんな需要の低そうなCDアルバムが棚のスペースをもらってる!ここの店長はきっといい人だ!」
と、つい勝手に会ったこともない店長と意気投合した気になってレンタルしてしまうくらいの好き度合いです。(でもボーカルの大槻ケンヂとは友達になりたいです)


話を戻して、「おまけのいちにち」という楽曲(と呼んでいいのか甚だ疑問だが)の歌詞を簡潔に説明すると、
命を落とした少年に神様がおまけの一日を与えたのだけれど、特にすることも思いつかず、落ちてく夕陽を見ながら「おまけのような人生だったなぁ」と思う。
という、非リア充を象徴するかのようで、実は全ての人が同じようなものではないかと深く考えさせられる内容なのだ。

僕は比較的リア充な毎日を過ごしていると思うが、もし僕が突然心臓発作で死んで、神様におまけの一日をもらったならどうするか?
たぶん、午前中に仕事を会社の同僚に全部引き継いで(まじめか)、午後休を取って家族の顔をずっと見ながら静かに時間が過ぎるのを待つかと思う。

特に頑張らなくても、いや、むしろ特に頑張らない時間の方が僕にとっては幸せなんだと思った。(しんみり)


僕はシステムエンジニアとして会社に雇用されながらお金を稼いでいるが、
中小企業診断士やら1級ファイナンシャルプランナーやらと小難しい資格を持っていて、
土日などには妻の仕事(同じ中小企業診断士)を手伝ったり、
たまぁに自分でセミナーを開いたり、
お願いされてビジネスコンサルティングをしたりしてもいます。
今後はライフプランニングも始めたいと思っていたりします。(誰か興味あったら連絡ちょーだい)

とまぁ、こういうことをしてると、自然と会社以外の世界に人脈という名の知り合いがたくさん増えます。
人付き合いが下手くそで友達が全然増えないどころか減らしてしまいがちだった僕は、こういう社外活動を始める前に「とっもだっちひゃっくにん、でっきるなっ」とボヤいていたのだが、気づいたらFacebookの友達は300人くらいもいた。
今となってはそれも少ないように感じるけれど、これを多いと感じる人は結構多いと思う。

そしてこうやってできる知り合いはほとんど皆、
「ザ・リア充」というべきキラキラした表情でエネルギッシュな人たちばかり。

非リアな休日をリアな休日に変えようと思いたち、
でもお金をケチって無料セミナーなんかに参加してみると、
そのさらに上を行くキラキラ・アンド・エネルギッシュなセミナー講師が、どこかの教祖様のように参加者の心を惹きつけた挙句、30万円くらいの高額コンサルティングの申し込みを何件も取り付けてしまうのである。

平均年収400万円とか言われる世の中で、数時間の無料セミナーで30万円コンサルティング契約を5名くらい簡単に集めてしまうんだから、
「あ、僕もセミナー講師になりたい」と勘違いをしてしまうのは仕方がない。

でも、無料セミナーに参加しようとするお金のない庶民が、初対面の講師の話を数時間聴いただけで、30万円の契約をしてしまうというのは、やはり不自然である。これは騙されてるに違いない。
と、僕は高額なコンサルティングを受けたことがないビビりなのである。

考えてもみてほしい。
30万円の「セミナー講師デビューセミナー」にお金を払って、
半年間その講師(コンサルタント)に多少アドバイスを受けながら、半年後に初のセミナーを開催する、(しかも受講者は同じコンサルティングサービスを受けた人とその知り合い、という身内の身内による身内のためのセミナー)
というゴール達することの価値が30万円もするだろうか?

間違ってると感じた僕のセミナー講師デビューは、代々木の1時間3000円の貸し会議室で、3人集めて2時間半ほど開催した「図解技術ミニセミナー」でした。
「ミニ」と題しているのは、初めてだったことによる臆病な言い訳づくりだったのだが、受講者へのアンケート結果と巷のセミナーの内容・金額を冷静に分析すると、全然「ミニ」ではなく、3000円は安すぎる価格設定であった。(でも未だに巷のセミナーが高すぎるのだと思っている)

利益を計算すると、、、
売上高=2000円×3人=6000円
会議室代=2500円×3時間=7500円
テキスト印刷代=500円
となって、マイナス計算ができる中学一年生ならわかるだろう。
明らかに赤字なのだ。
お前は本当に中小企業診断士か?と疑いたくなるような価格設定である。

ちなみに2回目のセミナーは利益プラマイゼロ。
3回目のセミナーはようやく利益3000円くらいになった。(全部別の内容のセミナー)

これを馬鹿馬鹿しく思うだろうか?
でも30万円をかけて1回のセミナーを開催した人たちは、30万円の赤字からスタートである。
しかもコンサルタントに手伝ってもらって作り上げた内容だから、それ以上の発展を自らすることができず、その1回を最後にセミナー講師を卒業してしまう人も多いらしい。

そう考えると僕のやり方は間違ってないと思えるのだが、どうだろうか?


話がまた逸れた。

こういうセミナー(特に自己啓発セミナー)では、たまにこういうことを耳にする。

「今日、今、この瞬間を生きるんです!いつまで生きているかはわかりません。いつ人生が終わっても悔いの残らないよう、本当にやりたいことをすぐに始めるべきなんです!」

これは高額な商品・サービスを売りつけるために、臆病な受講者の背中を押そうとしてるセリフなのだと僕は理解してるのだが、
少なくとも、こんな中学生が作った駄作感動ストーリーのクライマックスシーンにありそうなセリフは恥ずかしくて僕はセミナーで言えません。

でもほとんどの受講者はこの言葉でハッとさせられるらしく、効果は抜群である。

しかし「おまけのいちにち」の歌詞に奥深さを感じてる僕なんかの心には響かず、「今日で人生が終わるなら家族を見つめて静かに過ごすよ」とお爺ちゃんみたいなことを考えてしまうのである。
でも、実際はみんなそうなんじゃないかと思う。(違う?)



おまけのいちにちが連続するならば、たぶん体たらくな日々を過ごすダメ人間になるだろう。

でも、おまけのいちにちにすることは、その人にとって一番幸せな時間になるはずです。

だからバランスをとって、「おまけのようなまいにち」を過ごしていこうと思ってるわけです、はい。